外壁は外観の大部分を占め、家の印象を左右します。
新築住宅を建てる際に、どんな種類の外壁材とデザインを選ぶのがよいのでしょうか。
この記事では、新築住宅の外壁材の種類や素材のメリット、デメリット、選び方、施工事例をご紹介します。
おすすめの外壁材「シュトー(Sto)」についても解説。
後悔をしない家づくりのために、参考にしてみてください。
Contents
外壁選び3つのポイント
新築住宅の外壁は、面積が広く家の外観の印象を大きく左右します。
外壁材のカラーを決めるだけでも迷うと思いますが、素材によっても雰囲気が異なり、実際に選ぶのが難しいと感じる人も多いでしょう。
ここからは、外壁選びの3つのポイントを解説していきます。
ポイント1:価格で選ぶ
外壁材は素材と工事費により価格が異なるため、予算内におさまるかどうかで選ぶのがポイントです。
サイディングは比較的安価であり種類も豊富。
一方タイルや塗壁は、高級感があり材料や施工費が高めとなります。
高価な外壁材は、全体に使わなくても一部にアクセントとして使うのもおすすめです。
カラー、素材、デザイン全体のバランスを考えて予算内に抑えると良いでしょう。
ポイント2:デザイン性で選ぶ
外壁はなんといってもデザイン性も大切。
カラー、素材、耐久性などの性能によって外壁の質感に違いがあり、家全体の印象を決める重要な部分となります。
デザインを決める時は、統一感を意識するとより洗練されるデザインに。
希望のテイストに合わせて、外壁材を選んでいくと良いでしょう。
ポイント3:メンテナンスしやすいかで選ぶ
好みの外壁材を選ぶ際に、耐久性もチェックするポイントになります。
窯業系サイディングは、10年前後がメンテナンスの時期になりますが、無垢材などの自然素材は3~8年のメンテナンス時期と短い期間になります。
窯業系サイディングは、比較的メンテナンスしやすく安価なのが魅力です。
新築住宅の外壁は、初期費用だけではなく、この先外壁を何年使い定期的なメンテナンス費用はどのくらいかかってくるのかも念頭に選ぶと良いでしょう。
外壁材の種類|定番・ハイグレード・デザイン性のある外壁材
住宅の外壁材にはさまざまな種類があります。
ここからは、住宅の外壁材の種類について、ご紹介していきます。
窯業系サイディング
最近の外壁の定番といわれる、窯業系サイディングは、さまざまな色や素材のバリエーションから選べるのが魅力です。
窯業系サイディングの素材は、セメントと繊維を混ぜて板状に加工しています。
窯業系サイディングはバリエーション豊富なうえ、一般的に価格の相場も手頃であることから、日本でのシェアが多い外壁材です。
窯業系サイディングのメリット
・価格が手頃
・カラーや素材のバリエーションが多い
・メンテナンスがしやすい
・耐火性が高い
・工事期間が短い
金属系サイディング
シンプルでスタイリッシュな外壁にしたい人におすすめなのが、金属系サイディングです。
金属ならではの無機質で独特の質感が特徴で、人気があります。
金属系サイディングは金属板を成形、加工して断熱材を組み合わせた外壁材です。
キズやさびがつきやすいため、対策が必要なのが注意点になります。
金属系サイディングの種類は主に4つあります。
・ガルバリウム鋼板…耐久性があり、工事費やメンテナンスコストが比較的安価。おしゃれなデザイン
・トタン…安価で加工しやすい。メンテナンスコストがかかりやすい。デザインバリエーションが少ない
・アルミサイディング…軽量であるので工事やリフォームがしやすい。価格が高い
・ステンレス鋼板…さびにくく、高温に強い。メンテナンスコストが少なくて済む
金属系サイディングのメリット
・おしゃれな質感
・断熱性が高い
・軽量で工事がしやすい材料が多い
・防音性が高い
・耐久性がある
モルタル
デザインにこだわった外壁にしたい人におすすめなのがモルタルです。
モルタルは、セメント、水、砂を混ぜた材料で、さまざまな形状の外壁に対応でき、自由度が高いのが良い点になります。
職人が手作業で仕上げるので、塗装の工事料金は高め。防水性が低く汚れやひび割れによる劣化の目立ちやすいことがデメリットです。
モルタルのメリット
・おしゃれなデザイン
・デザインの自由度が高い
・耐火性、耐久性が高い
・継ぎ目がないので、きれいな仕上がり
ALC
ALCとは、軽量気泡コンクリートで作られた外壁材のことです。
音もれを防ぐ効果や、耐火性や耐久性に優れているのが特徴。
耐用年数が60年といわれており、長持ちする素材です。
軽量のため、工事がしやすく建物への負担も少ないです。ただし、費用が高く継ぎ目が多いのがデメリット。外壁の目地から、雨の水が入りこまないように対策をする必要があります。
ALCパネルのメリット
・耐火性に優れている
・防音性が高い
・耐久性がある
・軽量で工事がしやすい
・耐用年数が長い
タイル
高い耐久性とデザイン性を求める人におすすめなのがタイルです。
タイルは粘土などの原料を焼き固めた外壁材。
高級感と重厚感があり、おしゃれな外観になります。
耐久性が高く、キズや汚れがつきにくいので、20年以上使用できるといわれています。
デメリットは、費用が高めということです。予算内におさまるように、設計のプランを立てましょう。
タイルのメリット
・高級感がある
・重厚感がある
・キズや汚れがつきにくい
・おしゃれなデザイン
・耐久性が高い
シュトー(Sto)
ハイグレードな外壁材を求める人には、シュトー(Sto)もおすすめです。
シュトーとはドイツ初の塗り壁材です。
塗り壁施工の大きな問題としてひび割れがしにくいことがあげられますが、シュトーは、建物の動きに対応して外壁にかかる負担を軽減させ、ひび割れがしにくいのが魅力。
塗料には、ハスの葉が入っています。ハスの葉は、表面で水が水滴になり、汚れの粒を取り込みながら表面を簡単に転がるという特性があります。
シュトーは高い撥水効果と自己洗浄力をもった外壁に仕上げるのが良い点です。
カラーも豊富で、おしゃれに仕上がるのもメリットになります。
シュトー(Sto)のメリット
・ひび割れしにくい
・撥水力が高い
・自己洗浄ができる
・カラーが豊富でデザイン性も高い
羽目板
羽目板とは、日本建築で昔から取り入れられた外壁材で、木材の板を張り合わせる方法で外壁に使用します。
自然の木の風合いを感じられ、味わいのあるおしゃれなデザインを求める人におすすめです。
補修やメンテナンスを3~5年ごとに行う必要があるというのがデメリットですが、定期的に行うことで、長期に渡り使えるというメリットがあります。
経年による色あせや変化、色合いを楽しみたい人に、羽目板の外壁はおすすめです。
羽目板のメリット
・自然の木の風合いを感じられる
・経年劣化を楽しめる
外壁デザインにおすすめの3つのテイスト
外壁のデザインをする前に決めておきたいのが、テイストの種類です。
テイストを決めて、統一したカラーや素材の選び方で洗練された外観に仕上がります。
ここからは、人気の高いモダンなデザイン基本の3つのテイストをご紹介していきます。
テイスト1:ナチュラルモダン
スタイリッシュなモダンテイストに、自然素材や木材を使って温かみを持たせたナチュラルテイストを掛け合わせたのが、「ナチュラルモダンテイスト」です。
ナチュラルとモダンを程よく混ぜることで、やわらかで洗練されたイメージになります。
ナチュラルモダンテイストは、外観全体がやさしくリラックスできる空間に。
あたたかみのある雰囲気で、子育て中の人や高齢者など幅広い世代に人気があります。
テイスト2:シンプルモダン
シンプルモダンテイストは、色は白、黒、グレーなどのモノトーンを中心に、直線的なフォルムと無機質な質感を合わせたテイストです。
スタイリッシュでかっこいいイメージが好きという人におすすめ。
カラーや素材をシンプルにし過ぎてしまうと空間全体が平面的でしまりがなくなってしまうので、一色だけ違ったカラーを入れたり、違った質感のアクセントを加えたりすると良いでしょう。
テイスト3:和モダン
和モダンテイストは、日本の「和」の雰囲気とスタイリッシュなモダンが組み合わさったテイストです。
重厚感のある木室の材料など伝統的な和風ならではの要素は、落ち着いた雰囲気を演出します。
和に現代的な素材を組み合わせると、おしゃれでかっこいいイメージの外観に。
和風と洋風をバランスよくマッチさせることで、洗練された和モダンテイストになります。
後悔しないために|新築住宅の外壁を選ぶ際の5つの注意点
外壁材には多くの種類があり、どの素材がマイホームに最適であるか悩む人も多いと思います。
外壁材の特徴を知っておき、目的の優先順位をつけて選ぶことが大切です。
ここからは、外壁材を選ぶ際の注意点について見ていきましょう。
注意点1:価格、デザイン、機能性のバランスを考える
外壁材は、種類によってそれぞれメリットデメリットがあり、価格、デザイン、機能性は異なり、トータルでバランスを考えて選びましょう。
注文住宅を建てる費用を安く抑えたい人は、価格を重視します。
自分の理想のテイストやイメージが固まっている人は、そのデザインに合わせた外壁材を。
耐久性、断熱性、耐火性などにこだわる人は、機能性を重視して外壁材を得た部と良いでしょう。
価格、デザイン、機能すべてのバランスの整った外壁が理想になります。
注意点2:シミュレーションで住宅全体のバランスを見る
外壁は家の全体の印象を左右します。事前にシミュレーションをして、住宅全体のバランスを確認しながら慎重に決めましょう。
カラーや素材を選ぶ際は、小さなサンプルだけでは、全体のイメージがつかめません。
そのため、玄関ドア、サッシ、外構など他の部分とのバランスを考えて全体的なイメージを考えてデザインしましょう。
シミュレーションを、繰り返すことでデザインがよりブラッシュアップされ、理想の外観に仕上がります。
シミュレーションは、施工会社でできるので納得いくまで相談すると良いです。
注意点3:周辺環境に馴染む外壁を選ぶ
外壁を選ぶ際に、自分の家ばかりに目がいきがちですが、周辺環境に馴染むデザインにすることも重要です。
住宅地では、隣接する建物や景色の中で、自宅の外観が浮かないか?奇抜な色を使用していないか?などチェックしましょう。
外壁を決める前に建設予定地に行き、写真を撮って、画像から近隣に調和するデザインを選べるようにしてください。
注意点4:実績のある施工会社を選ぶ
注文住宅は、実績のある施工会社を探して選びましょう。
不明な点、気になる点をしっかり相談できる会社がおすすめです。
新築住宅を多く建てている工務店であれば、土地の特徴や建材の調達、アフターサービスなどの保証やサポートまでしっかり対応します。
施工会社のホームページの、施工事例から実績を確認できるはずです。
施工会社のスタッフと直接コミュニケーションをとることで、信頼関係もできて安心です。
注意点5:生活感をできるだけ見せない
一戸建ての住宅の外観は生活感を見せないことも大切です。
外壁をおしゃれにしても、エアコンの室外機や給湯器、自転車などがむき出しになっていると、見た目のバランスが崩れることも。
生活感を見せないように屋外の収納や、カバーなどを利用してコーディネートすると良いでしょう。
スタイリッシュでおしゃれな外観にしたいなら、徹底して生活感を見せないようにすることが大切です。
【静岡県三島市の施工事例】三角屋根の白い木の家
白いそとん壁を使用した美しい三角屋根のお宅の施工実例です。
白の壁と木のアクセントがバランスよく配置されたおしゃれな外観に仕上がりました。
1階には家族が集まるリビングダイニングがあり、つながるテラスが庭へと延び、開放感のある空間になっています。
天井には杉板を貼り、木の風合いが心地よいロッジのような住まいです。
吹き抜けが本棚になっていて、カウンタースペースも設置しました。
集中したい時やお仕事をしたい時に、外の景色を眺めながら作業が可能です。
木をふんだんに使い、家の中でも森林浴ができるような素敵な家が完成しました。
[仕様] 延床面積:112.61㎡(34坪)、C値:0.23㎠/㎡
屋根:ガルバリウム剛板、外壁:そとん壁
床:富士ひのき壁:エコクロス 太陽光発電+蓄電、澄家(24時間換気)
サッシ:断熱ペアガラス
ゼロエネルギーハウス
まとめ|外壁は重視する点を考えて選ぼう
今回は、新築住宅の外壁材の選び方をご紹介しました。
外壁材は、デザイン性だけではなく、住宅全体を保護する機能が整っていることで快適な暮らしができます。
外壁は、一度施工してしまえば簡単に塗り直しができません。
多くの情報を集めて、自分のイメージをしっかり固めておくことが大切です。
ハウスメーカーや工務店のホームページの施工事例を参考にしたり、地域のエリアのモデルハウスや見学イベントに参加したりするのも良いでしょう。
無料のカタログの請求をすることや不明な点は、施工会社に気軽に問合せするのがおすすめです。
ぜひ、この記事を参考に、理想の外壁を実現していただけるとうれしいです。
著者情報
寺﨑幸治
空間工房LOHAS代表。「富士山のエネルギーを紡いだ木を活かし、家族の思い出を畳みこんで、住めば住むほど心身共に 健康になり子の代まで価値ある資産として住み継いで行ける、自然素材の家づくり」を平成17年から続けている。2022年現在建てた住宅は200棟以上。 輸入には頼らず、静岡県富士市にあり、地産地消で森を守りながら次世代まで永く住みつなぐ家を造る。
望月広巳
営業部部長。実際に家を建てる方が「暮らしを愉しむ」ために理想の暮らしをヒアリングしながら、個性やライフスタイルに合わせた設計の提案が得意です。自身でも普段の生活で日本酒やお料理、子育てを愉しむことを通してお客様に合ったプランをご提案できるように努めています。 LOHAS様の次のコラムからでいいので、まとめにオンライン相談のバナー画像を貼り付けていただければと思います。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→三角屋根の白い木の家 in 三島
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