「熱交換換気」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
換気システムのひとつであり、快適な空気環境の中で生活できるように適度な温度・清潔な空気を取り入れることができるシステムとなっています。
本記事では熱交換換気の特徴と、そのメリットについて紹介をしていきます。
新築をお考えの方は熱交換換気を取り入れることをおすすめのため、ぜひ参考にしてみてください。
熱交換換気システムとは?
まずはじめに、熱交換換気の概要について説明をします。
熱交換換気は、室外から取り込まれる新鮮な空気(冷たい空気)に、室内から排出される空気(温かい空気)の熱を移し、熱交換をする仕組みとなっています。
上記の画像に記載されている熱交換素子を通じて、排気の際に捨てていた熱を、給気のときに回収をして室内に戻すため、エアコン等の空調の負荷を軽減することも可能になります。
近年では、住宅の高性能化により高気密・高断熱も進んでいます。
そのため、空気を自動で給気・排気できる熱交換換気の注目も進んでいます。
換気の種類
熱交換換気の概要について説明をしましたが、メリットを知るためにも換気の全体像を先にお伝えします。
換気は給気・排気にそれぞれ自然式と機械式があり、その組み合わせによって換気のシステムが変わってきます。
換気の種類は主に3つあり、まとめると下記のとおりになります。
- 第1種換気
- 第2種換気
- 第3種換気
給気 |
排気 |
|
第1種換気 |
機械給気 |
機械排気 |
第2種換気 |
機械給気 |
自然排気 |
第3種換気 |
自然給気 |
機械排気 |
それぞれどのような特徴があるのか解説をしていきます。
第1種換気
まずはじめに、第1種換気についてです。
こちらは給気・排気ともに機械式となっています。
本記事でも説明をしている熱交換換気は、給気・排気ともに機械によって行われており、その際に熱交換を行っているため、いわゆる第1種換気に分類されます。
自動で空気の入れ替えができることや、温度・湿度の調整ができることがメリットであり、
詳細については次の章で説明をします。
また、給気・排気ともに機械による換気のため、他の換気と比較するとコストは高くなります。
第2種換気
次に、第2種換気についてです。
こちらは給気を機械で行い、排気を自然に行う方式となります。
機械で給気を行うため、外からの汚れた空気の侵入を防ぐことができ、清潔な環境を保つことに適しています。
一般的な住宅に使われる割合は少なく、細かい汚れが入らないように注意が必要となる、病院やクリーンルームに使われることがあります。
第3種換気
最後に、第3種換気です。
こちらは自然に給気を行い、機械によって排気を行う方式になります。
一般的な住宅でもよく見られる換気方式になります。
窓や給気口を開けて自然な空気を取り込み、壁・天井付けの換気扇やレンジフードから空気を排出する流れとなっています。
そのため、窓を閉めた際は空気の流れを作り出すことができないため、汚い空気も滞ってしまうというデメリットが挙げられます。
3つの換気の中では機械を設置する台数も少なく、施工も比較的簡単なためコストを抑えることができます。
熱交換換気のメリット
ここまで、換気の全体的な種類についてお伝えをしてきました。
今回説明している熱交換換気にはどのようなメリットがあるのか説明をしていきます。
ここで挙げる大きなポイントは3つになります。
- 温度・湿度の調整
- 清潔な空気
- 熱ロスの削減による省エネ
温度・湿度の調整
まず1つ目は、温度・湿度を自動調整してくれるという点です。
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夏場であればジメジメとした湿度、冬場であれば冷たい空気が直接家に入ってくるという点が、温度・湿度の問題点としてよく挙げられます。
しかし熱交換換気の場合、最初にも説明した通り、熱交換素子の部分で温度・湿度の交換をする役割があります。
そのため、余計な湿度は屋外に排出され、ジメジメした湿気が残ることを防ぐことができます。
また、外から入ってくる冷たい空気に、室内の温度が加わるため、冷たい空気が侵入する不快感を抑えることができます。
清潔な空気
2つ目のメリットは、常に室内の空気環境を清潔に保つことができるという点です。
先ほどもお伝えしましたが熱交換換気は第1種換気のため、給気・排気ともに機械による換気となっています。
換気量を機械でコントロールできるため、安定した風量で換気をすることができます。
そのため、室内に汚い空気を滞らせることなく、一定の流れで空気を循環させることが可能です。
また、熱交換換気の種類によっては、花粉やPM2.5を抑制して換気ができるものもあります。
アレルギー等をお持ちの方には大変助かる機能になります。
熱ロスの削減による省エネ
3つ目は、熱交換換気により熱ロスを抑えることができ、省エネにつながるという点です。
熱交換素子を通じて一か所に空気を集約して給気・排気をするため、窓から温かい空気が逃げるといった余計な熱ロスが少なくて済みます。
また、窓から自然給気を行う場合は冷たい空気が入ってきてしまい、室内の温度が下がることにつながります。
しかし、熱交換によって少し温められた空気が入ってくるため、エアコンの運転を余計にさせる必要がなくなります。
そのため、冷暖房の運転を減らすことができ、電気代の削減につなげることも可能です。
熱交換換気の施工事例を紹介
熱交換換気を採用することによるメリットについて説明をしてきました。
実際に熱交換換気を取り入れた住宅も多く建てられています。
ここでは事例として2つの住宅を紹介します。
パッシブハウス(passivhouse)in静岡,富士宮市
まず1つ目の住宅は、パッシブハウス(passivhouse)in富士宮市です。
パッシブハウスとは、今後省エネ住宅の世界基準となっていく家であり、6畳用エアコン1台でも一年を通じて快適に過ごせるような家を表しています。
また、少ない光熱費でエコな生活が送れることも特徴に挙げられます。
全熱交換換気と全館空調エアコンを取り入れているため、空気の質をまとめて調整することが可能です。
暑さと寒さを忘れて、光熱費が少なくて家計にも環境にも優しい家の形になります。
施工事例はこちら→パッシブハウスin静岡,富士宮市
LOHASでは全館空調を取り入れた家づくりを行っています。詳しくは以下のコラムを参考にしてください。
これからは家で働く。店舗兼建築 in富士市
次に紹介するのが富士市に建てられた、店舗兼用の住宅になります。
1階がヘアサロン、そして2階以上が住居スペースとなっています。
お客様が出入りする玄関ドアは正面に設置されており、家族が出入りする玄関は側面にあります。
どちらの入り口からもサロンとつながる構造になっています。
こちらの住宅はオール電化で、24時間の熱交換換気システムが搭載されています。
そのため、3階建でも澄んだきれいな空気の中で家族全員が生活することを実現しています。
施工事例はこちら→これからは家で働く。店舗兼建築 in富士市
まとめ
今回は、快適な生活を送るうえでも重要になる、熱交換換気について説明をしてきました。
高気密・高断熱の住宅を実現し、1年を通じて快適な空気環境で生活をしたいのであれば、熱交換換気は欠かせない存在となります。
換気に関しての情報でわからない部分は、まず相談をしてみてください。
住宅に熱交換換気を取り入れて、その効果を体感してみてください。
このテーマについて詳しく聞きたい方はこちら
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