世界の気候変動や脱炭素の動きの中で、日本に住む私たちが住まいで貢献できることは何でしょうか?
家庭における消費エネルギーのおよそ3割である冷暖房を抑えることは、光熱費を節約するためにもとても重要です。しかし、光熱費を節約するために、ただ我慢をするだけでは、毎日の暮らしの中で心身ともにストレスをため込むことになりかねません。
「省エネルギー住宅」とは、冷暖房を抑えることで光熱費を節約するだけでなく、毎日の暮らしを快適に、そして、健康的に過ごすことができる住宅のことです。
今回は、そんな「省エネルギー住宅」のなかでも「究極のエコハウス」といわれる、今話題のパッシブハウスについて、その特徴とメリット・デメリット、そして、施工事例についてご紹介いたします。
Contents
パッシブハウスとは?
パッシブハウスとは、ドイツの物理学者であるヴォルフガング・ファイスト博士が確立し、世界中で進化・応用されてきたメソッドを用いた省エネ住宅の世界基準となっていく家です。
パッシブハウスは、自然の光や風を採り込みながら、高気密高断熱といった高い住宅性能と、光や風などの自然エネルギーをうまく活用することで、エアコンなどの設備をあまり頼らずに、一年中、家の中全体を快適な温度に保ちながら、省エネを実現することができます。
パッシブハウスの特徴
ここでは、パッシブハウスの特徴とメリット・デメリットについて解説していきます。
設備にたよらずに省エネを実現し、数字で見える化できるため「家の燃費」がわかる
パッシブハウスは、設備に頼らずに太陽と光をうまく活用した家づくりが特徴のひとつで「夏涼しく、冬暖かい」家になります。
パッシブハウスの基本的な考え方は、設備機器への依存度を減らして、家の性能を上げることで省エネを実現させていきますが、季節ごとの日射や通風の採り込み、自然のエネルギーを有効的に活用する考え方がベースにあります。
たとえば、冬は南面に設けた大きい窓から、室内に太陽の光による熱を取り込みます。高気密高断熱の高い住宅性能によって、暖房の負荷を最小限に抑えることができ、家全体が心地よいあたたかさを実現しやすくなります。
一方、夏は大きな窓から入り込む日射を、ブラインドやオーニングなどで遮りながら、風がしっかり通り抜けるように設計にすることで、室内にこもる熱を風の力で取り除き、冷房を最小限に抑えていきます。
このほか、屋根の庇の長さを調整することで、太陽の角度が高い夏場の日差しを遮り、太陽の角度が低い冬の日差しを採り込みやすくする工夫もあります。
また、パッシブハウスでは冷暖房で使うエネルギーをクルマの燃費のように「家の燃費」明確に示すことができるのも特徴となっています。
家の中の温度ムラがなくなることで、健康的に過ごすことができる
太陽や風をうまく活かしながら、高い住宅性能によって、家の中の温度ムラがなくなることもパッシブハウスの特徴のひとつです。
家の中の温度ムラがなくなることで、とくに冬場は、室内の温度差によるヒートショックを引き起こすリスクを軽減することができ、家族みんなが健康的に過ごすことができる家になります。
デザインや工法などにしばりがなく、理想の家づくりをすることができる
パッシブハウスとは、ドイツのパッシブハウス研究所が規定する性能認定基準を満たす省エネルギー住宅のことですが、この基準を満たせば、デザインや工法にしばりはありません。
そのため、自分たちが思い描く、理想の家づくりをすることができます。
「パッシブハウス」と「ZEH」の違い
「省エネ住宅」には、パッシブハウスのほか「ZEH 」があります。
「ZEH 」とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を略した呼び名で、太陽光発電などで生活に必要なエネルギーをつくり出すことにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)をおおむねゼロ以下にする住宅のことです。
「パッシブハウス」と「ZEH」は、高い住宅性能と自然エネルギーを最大限に活用することという考え方は共通していますが「一次エネルギー消費量の考え方」と「気密性能」に違いがあります。「一次エネルギー消費量」は、住宅内で使う機器でどのくらいエネルギーを消費するのかを計算します。
「ZEH」では住宅本来の性能で省エネ性を計算するため、家電で使うエネルギーは「含まない」計算をして、さらに太陽光発電の設置が必須となります。一方、パッシブハウスは家電で使うエネルギー「も含み」、太陽光発電も必須ではありません。また、気密性能については「ZEH」では問われませんが、パッシブハウスは気密性を重視する、といった違いがあります。
「パッシブハウス」と「ZEH」は、それぞれの考え方で省エネを実現するものであるため、ライフスタイルなどにあわせて検討していきましょう。
パッシブハウスのメリットとデメリット
パッシブハウスには、快適に過ごすことができるほか、優れた住宅性能によって家が長寿命になるなどのメリットがありますが、デメリットもあります。ここでは、パッシブハウスのメリットとデメリットについて解説していきます。
パッシブハウスのメリット
パッシブハウスには、以下のようなメリットがあります。
一年をとおして、快適な室内温度で心地よく過ごすことができる。
パッシブハウスは、家全体が魔法瓶のような高気密高断熱の家であるため、冷暖房をあまり使わなくても、一年中快適な室内温度を保つことができます。
また、温度ムラがなくなるため「冬になると、浴室やトイレなどが寒い」「夏はエアコンを使っていない部屋や2階が暑い」といったことがなくなり、家中どこでも過ごしやすくなります。
家が長寿命になる
気密性が低い建物では、壁内結露によって、柱や断熱材にカビが発生しやすく、家が劣化しやすくなりますが、パッシブハウスは、高い気密性能によって、躯体自体に腐食などを起こすリスクが少なくなるため、建物自体が長寿命になる傾向があります。
光熱費を節約できる
パッシブハウスは、設備にたよらず、エネルギー消費を最小限に抑えることができるため、光熱費を節約することができます。
パッシブハウスのデメリット
パッシブハウスのデメリットは、以下のとおりです。
一般的な住宅に比べて、建築費用が高くなる傾向がある
パッシブハウスでは、高気密高断熱といった高い住宅性能や採光や通風とうまく活用するために窓を工夫する必要があるなど、一般的な住宅に比べて、建築費用が高くなる傾向があります。
パッシブハウスを検討する際には、家を建てるために必要な費用だけでなく、住宅ローンや光熱費など月々に支払うランニングコストについても考え、しっかり計画していきましょう。
設計士や大工に求められるレベルが高い
正式なハウスとして認定を受けるためには、
- 年間暖房負荷:15 kWh / m2 以下、冷房&除湿需要が23kWh / m2 である事
- 気密性能として50 Paの時の漏気回数が 0.6 回以下である事
- 住宅全体の一次エネルギー消費量(家電も含む)が 60 kWh / m2 以下である事
という3つの基準をクリアすることと、省エネ建築診断士が設計・監理した家であることが条件となります。
しかし、パッシブハウスでは、設計に求められるレベルや計算が非常に高レベルになるだけでなく、家としてのデザインや住み心地、そして価格も重要な要素となるため、設計士や大工に豊富な経験とたしかな技術が求められます。
そのため、こうした設計士や大工が在籍している会社選びに苦労することになりますが、一般社団法人パッシブハウス・ジャパンの賛助会員なら、安心してパッシブハウスづくりを依頼することができます。
パッシブハウスを建てるならLOHASへ
空間工房LOHASは、一般社団法人パッシブハウス・ジャパンの賛助会員で、省エネ建築診断士が在籍し、経験豊富で確かな技術を持ったスタッフが家づくりに取り組んでいますので、安心してお任せいただけます。
パッシブハウス基準のモデルルーム「mokurie gallery」で家づくりを体感!
空間工房LOHASでは、パッシブハウス基準の気密・断熱性能を実現したモデルルーム「mokurie gallery」で、パッシブハウスを体感してもらうことができます。
「mokurie gallery」では、心地よい住環境を実際に体感してもらえるだけでなく、自然素材をはじめとした多彩なインテリア素材と新生活に役立つ家具なども展示しています。
モデルルームについてはこちらをご覧ください→モデルルーム「モクリエ」再オープン
まとめ
今話題の省エネルギー住宅であるパッシブハウスは「究極のエコハウス」と言われ、我慢することなく、一年中快適に過ごすことができるだけでなく、光熱費を節約することができます。
家庭におけるエネルギー消費のおよそ3割はエアコンなどの冷暖房費となっていますが、パッシブハウスでは、高気密高断熱などの高い住宅性能と自然エネルギーをうまく採り込むことで、家庭用の小型エアコン1台だけで家全体の温度を快適に保つことが可能です。
また、家全体の温度を快適に保ち、温度ムラがないため、ヒートショックによるリスクを軽減し、健康的に過ごすことができます。
高い住宅性能で、家そのものの寿命も長くなるパッシブハウスは、人と家、そして、環境にやさしいものとなっています。
パッシブハウスの建築を検討するなら、空間工房LOHASにお気軽にご相談ください。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→パッシブハウスin静岡,富士宮市
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