地盤調査っていつからできるんですか?土地の契約前にしたいのですが?っていう質問がよくありますが、はたしてどうなんでしょうか?
地盤の状態をあらかじめ知っておく最大のメリットは
「建物全体の資金計画がはっきりする」
ことです。地盤調査の内容が良くなくて何らかの改良工事が必要となった場合、数十万円からの出費となります。
全体の計画をはっきりさせるためにもぜひ早めに知っておきたいところですよね。
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地盤調査はいつからできるの?タイミングは?
新たに土地購入をする場合、地盤調査ができるタイミングは土地の契約後になります。基本的に土地契約前の調査はNGとされています。理由は、まだ前オーナーさんや不動産屋さんの持ち物であるからというところが大きいです。
ただ、これについてはオーナーさんや不動産屋さんに一度問い合わせて見てください。ひょっとしたらOKになるかもしれません。オーナーさんや不動産屋さんのご厚意で調査可能になる場合もあるからです。オーナーさん側でも「土地を早く売りたい」という気持ちがあるので、先に調査をさせてくれるかもしれないです。また、競合が少ない場合にはさらに可能性がUPします。
では土地の契約前の地盤調査がNGだった場合、どうすればよいのでしょうか?
ズバリ「不動産屋さんや近所の人に聞く」ことです。
不動産屋さんは多くの土地を扱っています。そのため多くの情報を持っていて、地域特性のことも良く知っていることが多いです。特にその不動産屋さんが扱っている分譲地など近くに他の土地がある場合には、さらにその時の状況を教えてくれると思います。「隣の家を建てるときは特に何もしていなかったよ。」「杭を打っていたよ」などなど、有益な情報が聞けるかもしれません。
不動産屋さんで聞いても良くわからなかったときは、近所に住んでいる人に聞いてみましょう!
その土地のことはその土地に住む人に聞くのが一番だからです。
最近新築したお住まいがあればなお良いです。情報が新しいので、実際の状態に近いです。
ただ、これらの情報通りにならないことも多々あります。切り土(きりど)盛り土(もりど)の状態でお隣の土地であっても違う調査結果になることもあります。
これらはあくまでも 情報として知っておく 程度で考えておきましょう。
次に、土地購入ではなく建て替えの方はいつ地盤調査をすればよいのでしょう?
一般的には、「古い建物を解体して更地にしてから」になります。
当然と言えば当然なのですが、それでも心配で先に何かできないか?という方のためにこんな方法もあります。
「古い建物が建っている状態で、付近の地盤の調査をしてもらう」
地盤調査の費用は一般的に5万円前後が一般的な金額です(スウェーデン式サウンディング試験の場合。後に記載)。事前の調査ではもう少し安価になる場合もありますが、5万円の出費で全体の計画が立てやすくなるのであれば、調査しておいても損はないと思います。
ただその際の条件として、
・更地にした後、再度地盤調査を行うことが前提となります。(地盤保証のため)
・測定ポイントが限定されるため、再調査後の内容と少々異なる場合もある。
ということを念頭においておきましょう。
地盤調査の結果はいつわかるの?
地盤調査の結果は、調査当日の夕方以降または翌日に速報の連絡がきます。これは後述する調査方法の場合です。地盤調査の方法はいくつかありますが、比較的小規模な建物(木造戸建てなど)を建てるときの地盤調査方法は「スウェーデン式サウンディング試験」「表面波探査法」が主になります。
・スウェーデン式サウンディング試験:地面にロッドと呼ばれる鉄の棒を5か所程度突き刺し、ロッドの沈み具合で地盤の状況を判断する方法。木造住宅では最も標準的な試験方法。
・表面波探査法:地面に人工的な地震波を起こし、地面に伝わる周波数の違いで地盤の状態を判断する方法。こちらを使って調査する住宅会社もあります。
これらは、大規模建築を建設するときの調査(ボーリング調査など)よりも簡易な調査方法になるため、所要時間は準備から撤収まで含めて半日くらいです。地盤調査業者さんは一日に何現場か掛け持ちをして調査をしています。それらの調査データを夕方に会社に持ち帰り解析します。
よって、地盤調査をしてから結果が分かるまでは、早くて当日の夕方以降または翌日になります。正式な調査報告書については後日郵送などで届きます。
地盤調査は雨でもやるの?
基本的には行いません。(小雨などで影響がないと判断した場合は行います)
理由は、地盤調査の結果に影響が出る、地下水位量に影響が出る から。
地中深い所ではそれほど影響がないと考えられていますが、例えばスウェーデン式サウンディング試験の場合、ロッド(鉄の棒)を突き刺すために機械を用います。雨の日に調査を行うと、その機械の設置が甘くなり鉛直にロッドを突き刺すことができなくなる、表面が濡れていて足場が悪くなる、などの理由から多少なりとも調査に影響を及ぼします。
特に地下水位を正確に調査したい方は雨の日は避けたほうが賢明です。
地盤調査の費用はどれくらい?
住宅で多く採用されている スウェーデン式サウンディング試験 では5万円前後の金額が多いです(調査会社によってまちまちですが)。
また、「地盤調査を無料で行います」という住宅会社があります。本当に無料なのかもしれませんが、逆を言えば「その住宅会社で建設しなければならない」状態にするための住宅会社の作戦とも言えます。無料の地盤調査を行ったあと、別の住宅会社で家を建てたいということになったとき、トラブルになる可能性大です・・・。
地盤調査費用は無料でも、別の方法でその分の費用を回収できていることがほとんどです。ということは、家を建ててもらわないと地盤調査費用が回収できないということです・・・。
トラブルにならないためにも必要出費だと思ったほうが良いかと思います。
まとめ:結局、地盤調査はいつしたらよいのか?
土地購入の場合:土地契約後の調査が基本。ただ、不動産屋さん・地主さんに交渉してみる価値あり。
建て替えの場合:古い建物を壊し、更地にしてからの調査が基本。ある程度の判断材料として、付近の調査をしてみることもアリ。
地盤改良工事が必要になったとき、数十万円からの費用がかかります。内容になっては100万円を超えることもあります。そうなってくると、日程・コストのことを考えながら、地盤改良工事をする業者さんをどうするか?地盤調査会社に提案さている施工方法と違う方法で施工できないか?などいろいろ検討することになります。今までは地盤調査を行った会社で地盤改良工事を施工することがほとんどでした。最近では地盤調査の結果をもとに別の業者さんに判定してもらう方法(セカンドオピニオン)もおこなわれています。
地盤調査の詳しい内容や地盤改良、セカンドオピニオンについては、後日別の記事でまとめさせていただきますね。
住宅業界では、地盤の悪い土地に家を建てることを「豆腐の上に家を建てる」なんて言っているくらい地盤は家づくりに重要です。地盤が悪いとその上の建物のさまざまな部位に影響が出てきます。(ドアが正常に動かなくなったり、変なところに亀裂が生じたり・・・)
地盤調査のタイミングは早いに越したことはありません。
家づくりの最初の工事、地盤調査。少しでも早くおこなって全体の見通しをつけたいですね。