住宅を購入する時に、父母や祖父母から資金援助を受けるという人もいるのではないでしょうか。
資金の援助には「贈与税」がかかります。
省エネ等住宅であれば、「住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置」という制度により、非課税限度額が増えます。
この記事では、省エネ住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税について解説します。
住宅取得資金贈与の非課税制度って何?

住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置とは、親や祖父母などの直系尊属から住宅の新築、取得または増改築等のための資金を贈与により受けた場合一定額までの贈与については、贈与の税金が非課税になる制度です。国土交通省ホームページより
この制度により、比較的現金を持っている高齢者から若い世代に資金の移動をすることで、住宅を購入しやすくなります。
とくに子育て世代は、住宅への負担が減り、子育てに費用を使えるようになります。
建築する家が、省エネ等住宅(質の高い家)に該当すれば、住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の非課税限度額が増えます。
<贈与税非課税限度額>

住宅取得資金贈与の非課税制度を受けるための要件

住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の制度は、父母や祖父母からの贈与であれば受けられるわけではなく、要件が定められています。
下記の要件に当てはまらない場合、制度の申請はできませんのでご注意ください。
【住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の要件】
<受贈者の要件>

<家屋の要件>

非課税額が1000万以上になるための要件

住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の特例を適用した際に、省エネ等住宅(質の高い家)の要件を満たすと非課税限度額が1000万となります。
一般的な住宅では非課税限度額が500万円となりますので、金額に大きな違いがあります。
省エネ等住宅(良質な家)とは?3つの要件

「住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置」の制度で定められている良質な住宅「省エネ等住宅」とはどのような住宅なのでしょうか。
省エネ住宅を建てることで、非課税額が増額する理由としては、省エネ住宅を普及させるという国の狙いがあります。
一般的な住宅に比べ、500万円非課税限度額が増えるので、省エネ等住宅の建築おすすめです。
ここからは、省エネ等住宅に該当する要件について解説していきます。
省エネ等住宅の要件1:新築住宅の省エネ性能要件をZEH水準とする
新築住宅の省エネ性能要件の1つは、ZEH水準の住宅です。
断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上であることが求められます。
ただし、令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅または令和6年6月30日までに建築された住宅については、断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上です。
断熱性能等級とは、外壁や窓に断熱性をどの程度持たせているかということです。
一次エネルギー(石油、石炭、天然ガスなど)消費量は、冷暖房設備、照明設備、給湯設備などを直接利用する際に、一次エネルギーをどのくらい使うかというものです。
一次エネルギー消費量が少ないほど省エネ性能が高いということになります。
省エネ等住宅の要件2:耐震性が高い住宅
耐震性が高い住宅も省エネ等住宅の要件となります。
基準は、耐震等級2以上または免震建築物の住宅です。
耐震等級1の段階は、建築基準法に定める最低限の耐震性能のある建物です。
震度6強や震度7相当の地震の発生で倒壊せず、補修をすれば住み続けられるレベルとなります。
省エネ等住宅の要件である耐震等級2以上の場合は、耐震等級1の1.25倍の耐震性能をもつレベルにしなければなりません。
免震建築物とは、地震の揺れを低減させる免震装置の上にのった構造の住宅を指します。特殊な部材や技術の免震装置が地震の揺れを吸収します。
省エネ等住宅の要件3:バリアフリーなどの高齢者配慮対策
バリアフリーなどの高齢者配慮の対策をしている住宅も要件に当てはまります。
基準は、高齢者等配慮対策等級3以上となります。
高齢者等配慮対策等級とは、高齢者や障害者が生活しやすいように配慮されているかを表す基準です。
手すりの設置、バリアフリー性、車いすでも通行可能な間取りの広さなどがあげられます。
良質な住宅の要件は、それぞれ国で定められた基準に合ったものである必要があります。
細かい基準が多いため、プランニングの段階で施工会社のスタッフに問合せしましょう。
住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置を申告する方法

住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の制度を申告するには、税務署に贈与税の申告書を提出する必要があります。
申告は贈与を受けた年の翌年3月15日までの期間に行う必要があるので注意しましょう。
税務署に贈与の申告をするのには定められた書類が必要です。
贈与税の申告に必要な書類
贈与税の申告には下記の書類が必要です。
一般的には聞きなれない書類もあると思います。
申請するエリアの管轄の税務署や施工会社に確認した上で書類を揃えましょう。
- 贈与を受けた人の戸籍謄本
- 計算証明書
- 贈与を受けた人の合計所得金額を明らかにする書類(所得税証明書など)
- 登記事項証明書(新築住宅の場合)
- 請負契約書・売買契約書の写し
- 増改築等工事証明書(増改築の場合)
- リフォーム工事瑕疵保険付き保証明書
- 耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書の写しまたは既存住宅売買瑕疵保険付保証明書(登記簿上の建築日付が1981年12月31日以前である既存住宅の場合)
取得した住宅が省エネ等住宅であることを証明する書類
住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の制度で非課税限度額を増やすためには、省エネ等住宅(質の高い家)であることを証明する書類が必要となります。
取得する住宅が、新築住宅、既存住宅、増改築によって必要な書類が異なりますのでチェックしてください。

上記の書類は、専門性の高い内容となりますので計画段階から、施工会社に問い合わせてサポートを受ける必要があります。
住宅取得資金贈与を受ける時の2つの注意点

住宅取得資金贈与を受ける場合には、「特例を適用できるかどうか」がとても大きなポイントとなります。
正しく申告できずに制度の適用ができないと、住宅の費用や贈与税により住宅ローンや生活費にも影響が及ぶ可能性があります。
ここからは住宅取得資金贈与を受ける時の注意点をご紹介します。
注意点1:綿密なスケジュールを立てる
住宅取得資金贈与を受けるタイミングによっては、非課税となる特例が適用できない可能性があります。
たとえば、贈与より先に住宅を契約締結し取得したり、贈与された日の翌年の3月15日までに入居できなかったりした場合は適用されません。
贈与税の申告はもちろん、贈与のタイミング、住宅を取得するスケジュールについても流れを把握した上で、綿密な計画が必要となります。
注意点2:税理士などの専門家に相談する
先述したとおり、贈与を受けるタイミングや住宅取得のタイミングはしっかりと計画を立てて行ってください。
漏れのないように申請するには、個人だけで行うより実績のある税理士などの専門家に相談するのが確実です。
登録の住所の管轄の税務署に贈与税の申告書を提出する際の書類の記載も、専門家の力を借りることでスムーズになります。
正確に申告書類を作成するために、税理士や工務店の担当者によく相談して進めましょう。
住宅取得資金贈与の非課税制度の活用を検討するなら早く動こう|まとめ

住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の制度を利用することで、贈与を受ける立場の人は、費用の負担が少なくなることが大きなメリットです。
ただし、贈与税の非課税措置の制度を適用するのには、多くの対象の要件があります。
省エネ等住宅の証明書は、非課税限度額を増額する上で重要な書類となります。
確実に税務署に申告するには、申請の方法を良く調査し、現在の法の改正もチェックする必要があります。
税理士や専門家のサービスに依頼し、早めに手続きをすることが大切です。
この記事をご覧いただき参考に贈与税の対策をし、マイホームをスムーズにプランニングしていただけたらうれしいです。
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