最近、住まいへの価値観が大きく変化し「賃貸でも快適に暮らしたい」というニーズが高まっています。
小さなお子様がいるご家庭や、在宅ワークを中心としている方に注目されているのが「高性能賃貸」です。
高性能賃貸は、高断熱・高気密で省エネ性能に優れた設備など、注文住宅レベルの性能の高さがあります。
結露やカビの発生を抑えられることや健康的な生活ができるなど、メリットも多くあります。
ただし「何を基準に選べばいいの?」と疑問をもつ人も多いのではないでしょうか。
今回は高性能賃貸の選び方やメリット、注意点などを分かりやすくご紹介。
理想の賃貸選びのヒントを知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 高性能賃貸とは?
- 高性能賃貸に住む5つのメリット
- 高性能賃貸の選び方
高性能賃貸とは?

高性能賃貸とは、断熱性・気密性・省エネ性能にすぐれた賃貸住宅のことを指します。
外気の影響を受けにくく、一年中快適な室内環境を保てるのが特徴です。
高効率な設備や再生可能エネルギーの活用により、光熱費の削減やCO2排出量の抑制ができるのも魅力。
さらに、耐震性や耐久性にもすぐれ、長く安心して暮らせる住まいとして注目されています。
ここからは、高性能賃貸の特徴を見ていきましょう。
断熱性
高性能賃貸は、断熱性が高いのが特徴です。
断熱性とは、外気の影響を抑えて室内の温度を安定させる性能のこと。
高性能賃貸では壁や天井、窓に高断熱材や複層ガラスを採用することで、夏は外の熱を遮り、冬は暖気を逃がしにくい構造となっています。
断熱性能が高いことで、エアコンの使用量が抑えられ、光熱費の節約につながるでしょう。
高性能賃貸は室内の温度差も少なくなるので、ヒートショックのリスクも軽減し健康面でも大きなメリットがあります。
気密性
高性能賃貸は、気密性が高いのも特徴です。
気密性とは建物の隙間をできるだけ少なくして、外気の侵入や室内の空気漏れを防ぐ性能のこと。
高い気密性をもつ賃貸住宅は冷暖房効率が良くなるだけでなく、花粉やホコリの侵入も抑えられます。
これによりアレルギー症状の軽減や、エアコンの効きが良くなるなどの効果が期待できるでしょう。
ただし、施工精度や建材の選定によって気密性能は大きく左右されるため、よく確認して賃貸物件を選びましょう。
耐久性
高性能賃貸は、耐久性もあります。
高性能賃貸は耐久性にすぐれた建材や施工技術が用いられ、雨風や湿気による劣化を防止します。
これによりメンテナンス頻度が減り、住む人の負担も軽減されるでしょう。
耐久性があり長く安心して住めることは、賃貸生活の質を高める大切な要素です。
耐震性
高性能賃貸は耐震性があるのも、ポイントです。
日本は地震が多い国であるため、耐震性は住まい選びの重要なポイントです。
高性能賃貸は最新の耐震基準を満たし、地震の揺れに強い構造設計がされています。
耐震性能が高い建物なら地震発生時の倒壊リスクが低減し、入居者の安全が確保されるでしょう。
省エネ性能
高性能賃貸は、省エネ性能も高い物件です。
省エネ性能の高い家は、建物の断熱・気密性能と設備の効率性を組み合わせてエネルギー消費を抑えられます。
高性能賃貸は省エネ基準に則った設計やLED照明、省エネ家電の導入が進んでいます。
環境負荷を減らすとともに、月々の光熱費も抑制できるでしょう。
高性能賃貸は地球に優しい暮らしを実現しながら、経済的メリットも得られます。
高性能住宅について、以下の記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
高性能住宅とは?特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説
高性能賃貸に住む5つのメリット

高性能賃貸に住むことで得られるメリットは多岐にわたります。
断熱や気密性が高いため光熱費の節約が可能なだけでなく、1年中快適な室温を保てることも魅力です。
ここからは、高性能賃貸に住む5つのメリットをご紹介します。
1.光熱費を節約できる
高性能賃貸は、光熱費を節約できるのがメリットです。
断熱性と気密性が高いため、冷暖房効率が大幅に向上するからです。
夏は涼しく冬は暖かい住環境により、エアコン使用量が減り毎月の光熱費を節約できるでしょう。
とくに冬場の暖房費や夏の冷房費は高額になりやすく、高性能住宅ならではの経済的メリットを実感しやすくなります。
2.1年中快適な室温を保てる
高性能賃貸はすぐれた断熱性と気密性によって、季節を問わず快適な室温を保てます。
夏は外からの熱気を遮断し、冬は暖気を逃がさないため、エアコンや暖房に頼りすぎずに暮らせます。
室内の温度変化が少ないと、ストレスの少ない生活ができるでしょう。
快適な室温により睡眠の質の向上や集中力の維持にもつながり、日々の生活全般にプラスの効果をもたらします。
3.ヒートショックのリスクを軽減できる
高性能賃貸は、ヒートショックのリスクを軽減できるのも大きなメリットです。
ヒートショックとは暖かい部屋から急に寒い場所に移動したときに血圧が急変し、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まる現象です。
高性能賃貸は断熱・気密性能の高さにより室内の温度差を小さく保てるので、浴室やトイレ、廊下の寒さが緩和されます。
高性能賃貸は、高齢者や体調に不安のある方にとって安心できる住環境になるでしょう。
4.防音性が高い
高性能賃貸は、防音性が高いのもメリットです。
高断熱材や気密性の向上に加え、遮音性の高い建材や構造が用いられているからです。
隣室や外部からの騒音が大幅に軽減され、静かで落ち着いた生活空間になるでしょう。
防音性が高い住まいは、テレワークや勉強に集中しやすくなるのも魅力。
賃貸でもプライバシーが守られ、安心して生活できるでしょう。
5.健康的で子育てがしやすくなる
高性能賃貸は健康的で、子育てがしやすくなります。
断熱性・気密性の高さにより室内環境が安定し、カビや結露の発生を抑えます。
アレルギーや呼吸器疾患のリスクが低減し、子どもや家族の健康を守りやすくなるでしょう。
温度差の少ない快適な環境は子育て中のストレス軽減にもつながり、安心して育児ができます。
さらに防音性の高さは、子どもの声や遊び音が外に漏れにくい点でもメリットになるでしょう。
高性能賃貸の選び方

高性能賃貸は快適で経済的な暮らしを実現しますが、選び方によってその効果は大きく変わります。
断熱性や気密性の基準など、物件の性能をしっかり見極めることが重要です。
ここからは、高性能賃貸を失敗なく選ぶためのポイントをご紹介します。
1.断熱性能や気密性能の基準を確認する
高性能賃貸を選ぶ際は、まず断熱性能と気密性能の基準をチェックしましょう。
断熱性能は外気の影響をどれだけ防ぐかを示し、冷暖房効率や快適性に直結します。
気密性能は建物の隙間の少なさを表し、冷気や暖気の漏れを防ぐことで室内環境の安定に役立ちます。
断熱性能・気密性能は数値で示されることが多く、UA値やC値という指標を確認するのがポイントです。
物件情報やパンフレットで基準を事前に把握し、信頼できる物件を選びましょう。
2.ZEH基準や省エネ等級の表記をチェックする
ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)基準や省エネ等級の表記をチェックすることも物件選びでは重要です。
ZEH基準はエネルギー消費を大幅に削減し、再生可能エネルギーの利用も促進する住宅基準です。
ZEH基準に適合した賃貸住宅は、高い省エネ性能を備えています。
ZEH基準などの認定や評価が記載されている物件は信頼性が高く、光熱費削減や環境負荷低減に効果的です。
3.内見で室温の感じ方を体感する
賃貸物件の内見で室温の感じ方を体感するのも、重要です。
内見をすると、実際に住む環境が快適であるかを体感できます。
内見時には室内の温度や湿度、風の入り方を自分の感覚で確かめましょう。
「季節に応じた温度差」「冷暖房の効き具合」「窓の結露の有無」もチェックポイントです。
日当たりや風通し、隣接する部屋や外部の騒音の感じ方も生活の快適さに影響します。
4.住戸性能評価書を確認する
賃貸を選ぶ際は、住戸性能評価書を確認することも大切です。
住戸性能評価書は、国が定める「日本住宅性能表示基準」を満たしているかどうかを第三者機関が評価した書類です。
住戸性能評価書を確認することで、物件の性能が客観的に保証されているかどうかが分かります。
高性能賃貸を選ぶ際には、住戸性能評価書がある物件を優先的に検討すると安心です。
高性能賃貸を選ぶ際の3つの注意点

高性能賃貸は快適で経済的な住まいを提供しますが、選ぶときにはいくつか注意すべきポイントがあります。
ここからは、高性能賃貸を選ぶ際の注意点を解説します。
1.家賃がやや高めに設定されていることが多い
高性能賃貸は、一般的な賃貸物件よりも家賃がやや高めに設定されています。
高い断熱性や気密性、省エネ設備などのすぐれた性能を備えているため、建築コストやメンテナンス費用が通常よりかかるからです。
ただし、光熱費が抑えられることでトータルの生活コストが抑えられる場合も多いでしょう。
高性能賃貸は家賃の高さだけで判断せず、光熱費や快適性を含めたトータルコストで検討することが重要です。
2.物件数が少ない
高性能賃貸はまだ市場において数が限られているため、物件数が少ないのが現状です。
とくに地方や郊外では高性能賃貸の物件が少ないことが多く、希望の条件に合う物件を見つけるのが難しい場合も。
高性能賃貸を見つけた際は内見を重ね、納得のいく物件か慎重に判断しましょう。
将来的には高性能賃貸は増加傾向にあるので、こまめに情報収集をすることも大切です。
3.性能の根拠が不明な物件がある
高性能賃貸と言っても、具体的な断熱性能や気密性能、省エネ性能の根拠が明確でない物件も存在します。
性能の数値や認証が提示されていないことや、説明が曖昧な場合は注意が必要です。
契約前に必ず性能評価書などを確認し、信頼できる物件かどうかを見極めましょう。
性能の根拠が不明確な物件は、実際には快適性や省エネ効果が期待できない可能性があります。
まとめ|未来を見据えた高性能賃貸を選択しましょう

高性能賃貸は断熱性や気密性、耐震性、省エネ性能などが高く、快適で健康的な暮らしを実現できます。
光熱費の節約や1年中安定した室温、防音性の向上など、日々の生活の質を高める要素が豊富です。
ただし、選ぶ際には家賃の高さや物件数の少なさ、性能の根拠の確認など、注意すべきポイントも存在します。
これらを踏まえて、自分に合った物件をしっかり見極めることが大切です。
住戸性能評価書など信頼できる情報を活用し、納得のいく住まいを選ぶことが未来の生活の満足度に直結します。
未来を見据え、環境にも配慮した住まい選びとして、高性能賃貸は魅力的な選択肢になるでしょう。
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