住宅雑誌などを見ていると、素敵な屋根裏部屋の写真も多くありますよね。
屋根に付いた天窓から星を見て・・・が実現できるお部屋もたくさんあります。
そんな屋根裏部屋が欲しい!と思っているあなた。
「屋根裏部屋」といってもいくつか種類があるのをご存知でしたか?
今日は、屋根裏部屋の種類や用途などをご紹介いたします。
あなたが考えている屋根裏部屋はどれになるか見てみてくださいね。
Contents
屋根裏部屋と聞いてどんなイメージでしょうか?
「屋根裏部屋」と聞いてどんなイメージを持たれますか?
・天井が斜めになっている
・屋根に窓が付いていて、夜空がきれい
・隠れるにはもってこい
など色々と思い浮かぶと思います。
その中で、屋根裏部屋にもいくつか種類があります。
屋根裏部屋の定義
「屋根裏部屋」は、実は決まった定義は無いんです。強いて言えば「すぐ上に屋根がある」といったところでしょうか。
似たような言葉で「小屋裏収納」というものが建築の法律にあります。こちらは明確に定義されています。
「高さ1.4m以下、下階の床面積の1/8以下(計算によって最大1/2以下まで可能)」
が決まりです。
これをオーバーすると1階建ては2階建てに、2階建ては3階建てとしてカウントされます。
屋根裏部屋の種類
上記のように屋根裏部屋には大きく分けて2種類あります。
①階数に含まれているもの・・・屋根裏部屋
②階数に含まれないもの・・・小屋裏収納 を屋根裏部屋と呼んでいるもの
どちらも斜め天井にすることは可能です。
屋根裏部屋の種類①:屋根裏部屋(居室扱い)
部屋(建築では居室)という扱いになるので、居室の定義に当てはめていかなければなりません。
天井高さ2.1m以上、採光面積1/7以上 などの居室としての決まりがあります。
屋根裏部屋の種類②:小屋裏収納
定義の通り、「高さ1.4m以下、下階の床面積の1/8以下(計算によって1/2以下)」が必須条件です。
こちらは階数に含まれないため、高さや床面積の制限が設けられています。
階数にカウントされるの?
屋根裏部屋 はあくまでも部屋(居室)扱いのため、階数にカウントされます。
小屋裏収納 上記の制限を守っていれば、階数にカウントされません。
なぜわざわざ天井が低い屋根裏部屋(小屋裏収納)をつくるのでしょうか?
屋根裏部屋にした方が収納量も確保でき、居心地もよさそうなものですが、なぜわざわざ天井の低い小屋裏収納をつくるのでしょうか?
そのまま部屋としてのつくりにすればよいのでは?と考えている方もいらっしゃいますよね。
理由となる項目を以下に挙げてみました。
理由①:建築的な理由
A.建設地によっては、高さの制限や階数の制限がある地域があります。
制限の中で部屋をつくることはできるが、収納が少々物足りない・・・
そのようなときには、小屋裏収納として屋根裏に収納を確保します。
B.2階建てを3階建てにする場合、建物の構造の計算方法や、内部の「火・防火」に対する扱いが厳しくなります。厳しいというか、2階建てまでは緩和されているものが、3階建て扱いになったとたん緩和が無くなる んです。
理由②:金銭的な理由
2階建てを3階建てにした場合、上記Bのように、建築的な扱いが厳しくなると書きました。そうなると、当然住まい手側の負担も増えることになります。
めったに使わない季節ものなどを収納するスペースのためだけに、建設コストが増えてしまうのもちょっと考えたいところですよね。
また、部屋の高さが2.1m以上になるので、細かな建設費用もアップします。
そういうときには小屋裏収納として計画して下階の居住スペースを増やしたりします。
暑くない?寒くない?
そうなると、夏は暑いのか?冬は寒いのか?音がうるさいのか?など疑問が生じてくると思います。
結論からいうと、問題ありません。しかし、断熱施工をしっかりと行うことが前提です。
断熱材の施工方法は2種類あります。
①天井断熱
天井断熱は、室内の天井上に断熱材を貼っていく工法。ひと昔はほとんどの家がこの工法で建てられていました。小屋裏収納にするとき天井に断熱材が入っていないことも多く、昔の家では当然「寒い」という印象です。
②屋根断熱
屋根の直下に断熱材を施工する工法。屋根まわり一帯を包むようなイメージ。
最近の家づくりでは、より断熱性能が確保しやすい②屋根断熱の工法で施工されています。屋根裏部屋や小屋裏収納もこちらになります。
断熱材の厚さも現在の家づくりでは、より明確な指標が出ています。(例えばグラスウール断熱材16kg100mmだと およそ200mmの施工など。(地域による))
断熱性能が数値で表すことができるようになっています。
(上記のような断熱性能や日射取得まで考慮したものは「外皮性能」と呼ばれるものになります。外皮性能は地域によって基準が決められています。また、現在の外皮性能も10年後、20年後と段階的に引き上げられることになっています。こちらについては別の機会でお話しさせてくださいね。)
特に夏場には熱気が上部に溜まります。
断熱施工をしっかり行うことで、下階と比べてもあまり気にならないようにすることが重要です。
音の問題は?屋根に近い分だけうるさいのかな?
屋根のすぐ下に屋根裏部屋や小屋裏収納を設置するので、音の問題は気になるところだと思います。
「屋根裏部屋」として、そこで生活される場合は余計に気になりますよね。昔の家は、大雨の日にダダダダ・・って音がうるさいという印象がありますね。
これには「空間の位置」と「使用する素材」に関係があります。
屋根の素材は「ガルバリウム鋼板」などの軽い材料を使用することが増えています。これは建物構造に余計な負担を掛けたくないため。瓦なども軽量タイプの商品がたくさん販売されています。頭でっかちな建物にしないのが現在の主流です。
ガルバリウム鋼板などの金属屋根の場合、多少の雨音などが気になるのは事実です。これをカバーするために、屋根の裏側にスポンジ状の緩衝材が付いているものを施工したりしています。また、屋根断熱材でも多少の遮音になり、現在ではそれほど気にならなくなってきました。
私自身も今まで色々なお住まいを見ていますが、最近の建物は雨の音があまり気にならなくなったなあ、という印象です。(それでも多少の雨音はしますが)生活していくには特に支障はないでしょう。
階段について:固定階段とはしごユニット
階段についてもいくつか種類があります。
屋根裏部屋 として階数に含む場合は特に気にすることはありません。通常の階段(固定階段)を付けることが可能です。
小屋裏収納 の場合は、2種類の方法があります。
①はしごユニットやはしごを設置する
こちらがオーソドックスな施工方法です。昔の家のつくりではこちらの方法のみOKでした。要するに固定階段はNGだったということです。現在では、固定階段が不要の場合や固定階段を設けるスペースが確保しづらいときに計画されます。
②通常の階段(固定階段)を設置する
法律も緩和され、現在では固定階段OKとなっています。最近の家づくりで荷物の持ち運びをしやすくしたいときは固定階段で計画します。
はしごと固定階段を比べた場合、やはり固定階段にした方が使いやすいかと思います。少しコストはUPしますが・・・。
固定階段を設置するためには、コストのほかに階段分の面積、上がりきったときに頭が当たらない高さなどについて検討する必要があります。
まとめ
一般的にいう「屋根裏部屋」といっても、いくつかの種類があることが分かりました。
建築的にどうなのか?
予算的にどうなのか?
を考えながら決めていきたいですね。
このあたりの内容は専門的な要素も含まれるため、専門家に聞くのが一番だと思います。
分からないことがありましたらいつでもご連絡お待ちしております。
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