「今の住まいをリフォームして長く快適に住めるようにしたい」 「中古住宅を購入したけど、どのくらいリフォームすれば冬寒くない家になるのかなぁ」 今の住まいをリフォームしようと検討している方や、中古住宅を購入してフルリノベーションを検討されている方の中には、一年中快適な環境をリフォームで作ることが可能なのか疑問にもたれている方も多いでしょう。
これからの住宅に必須条件となる「高気密高断熱性能」がリフォームで実現可能であれば、予算を抑えながら快適な住まいを実現できるかもしれません。
しかし、既存住宅の築年数や建物の状況次第ではリフォームよりも建て替えた方がお得になる可能性もあります。 今回の記事では、これからの住まいのスタンダードである高気密高断熱の家はリフォームでも可能なのか?について深く解説したいと思います。
この記事を読むとわかること
・リフォームで高気密高断熱の性能は実現できるのか?
・リフォームの方が良いケース、建て替えの方が良いケースがわかります
・リフォームか建て替えかで迷った場合のチェック事項がわかります
Contents
断熱リフォームとは?
既存住宅の断熱性能を上げるリフォームとして「断熱リフォーム」があります。
断熱リフォームにも3パターンの方法がありますので、それぞれの特徴についてみていきましょう。
開口部のみの断熱
もっとも簡易的な断熱リフォームが「開口部のみ」の断熱リフォームです。
家の中でもっとも熱が逃げる開口部(窓ガラスや玄関)を高い断熱性能に交換するリフォームになります。また、既存の窓はそのまま残し、室内側に高い断熱性能の内窓を入れるリフォーム(LIXIL社のインプラスという商品のような)もあります。
予算面では最も安価に断熱性能を上げられるメリットがありますが、開口部以外の熱損失(熱が逃げる割合)が大きい場合は、実感できるほど効果が出ない可能性もあります。
生活する部屋の断熱
2つめの選択肢として、LDKや寝室などの「居室ごとに行う」断熱リフォームです。
居住人数が少ない場合は、普段使用する部屋やエリアに特化して断熱リフォームを行うことによって、家全体を断熱リフォームするよりも安価で快適に暮らすことができる場合があります。
メリットとしては開口部のみの断熱リフォームよりも確実に断熱性能が上がることです。しかし、居住人数が多くなると、生活スタイルの違いや使用する部屋も多くなるので家全体を断熱リフォームする方が良い場合もあります。
家まるごと断熱
3つめは「家全体をまるごと」行う断熱リフォームです。
一番効果が出やすく、満足度の高い断熱リフォームであり、断熱と一緒に気密性能も上げることができるので、新築同様の性能を求める方に最も向いている断熱リフォームになります。
メリットは新築同様の高気密高断熱性能を確保しやすい点であり、築年数が浅い中古住宅の場合は検討の余地があるでしょう。
デメリットとしては、新築同様の費用がかかる場合があるので、リフォームと建て替え両方で検討を進めて、最終決定していくことをおすすめします。
気密性能はリフォームでは満足にできない
気密性能はリフォームでは上げることが難しい性能であり、断熱性能よりも施工技術や費用、工期が必要になります。
リフォームの場合、柱や梁などを残したスケルトンの状態にし、断熱・気密施工をする必要があります。
場合によっては新築とほぼ変わらない費用になる場合もあり、現在だけでなく将来的にどの程度の居住環境を求めているか?によって「断熱リフォーム」か「建て替え」かの選択肢が変わります。
建て替えの方がお得になる5つのケース
断熱リフォームについて学んでいただいたところで、次は建て替えの方がお得になるケースについてご紹介します。
ケース①:築30年以上かどうか
リフォームか建て替えかの判断基準の一つに今の住まいが築30年以上経過しているかどうか?という基準があります。
理由は築30年以上の住宅の傾向として、下記のような症状が多いためです。
・夏暑く、冬寒い ・玄関や勝手口の庇が劣化している
・冬の結露がものすごく、カビている
・水回りの使い勝手が悪い ・耐震性に不安がある
断熱性能だけでなく、耐震性能も改善する必要があれば、間違いなく建て替えをおすすめします。
ケース②:光熱費が高い
断熱性能が低い場合、夏の暑さや冬の寒さを凌ぐために、エアコンなどの電気代やガスストーブなどの燃料代が高くなります。
高気密高断熱住宅の光熱費と比較した場合、30年以上住み続けることで、300〜400万円もの差が生まれる可能性もあります。
より安心して長く住むことを考えると家全体リフォームをするより建て替えてしまった方がお得になります。
ケース③:ご年配の方が居住
断熱性の低い家で冬に起こりやすい人体への影響の一つに「ヒートショック」があります。
北側の冷える位置にあることの多い洗面所やトイレで発生することが多く、暖かい部屋から寒い部屋へ移動する際に、血管が萎縮することが原因です。
特にご年配の方が一緒に住む場合は断熱性能を上げることで救われる命があるといっても過言ではありません。
同時に段差解消などバリアフリー工事も行うとより安全に暮らせますので、家全体をリフォームするより建て替えてしまった方が費用が抑えられる場合もあります。
ケース④:家族が多い
一緒に住む人数が4人以上の場合は、生活スタイルや使用する部屋が多くなるので家全体リフォームか建て替えを検討することが多いでしょう。
また、一緒に住むお子様が家を継がれる可能性もあると、より長持ちする家を残したいと考えます。
断熱だけでなく耐震性や耐久性、最新の設備を備えた新築住宅に建て替えた方が、その先のメンテナンスコストも抑えられ、引き継ぐ方にとっても安心して住み続けることができます。
ケース⑤:中古物件を購入
これから中古住宅の購入を検討している方の中で、30年以上住み続けるための物件購入であれば、物件購入後に建て替えてしまった方がお得になることが多いです。
木造住宅の法定耐用年数は22年であり、築22年以上の中古物件の建物自体の資産価値は0円となり、ほぼ土地代のみとなります。
また、築浅物件でも30年後にはかなり老朽化が進んでおり、大規模なリフォームや建て替えをする可能性が高くなります。
その時には住む方の年齢も上がっているので資金の準備が難しい状況も考えられます。
まだ住宅ローンを借りやすい時期に物件購入費と建て替え費用を合わせて借入し、高性能住宅にすることにより補助金や助成金、税金の控除など総合的なメリットを受けられます。
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高気密高断熱にする6つのメリット
では、建て替えをすることで高気密高断熱にすることで享受できるメリットをご紹介いたします。
メリット①:一年中快適
高気密高断熱住宅に建て替えることで、夏は涼しく、冬は暖かい快適な環境で暮らすことができます。
人が快適に過ごせる温度に長時間保つことができるので、どの部屋でも温度差がなくストレスフリーで暮らすことができます。
また、人が快適に過ごせるだけではなく、家の構造にも負担をかけることが少ないので長持ちする家になります。
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メリット②:ヒートショック予防
どの部屋でも温度差がないので、ご年配の方が移動時の体への負担が少なくなり、ヒートショック予防にも効果があります。
厚生労働科学研究成果の推計によると、入浴中の急激な温度差によるヒートショックで亡くなる人は全国で毎年19,000人にものぼります。
交通事故で亡くなる人が全国で3,000人弱ということと比較すると、約6倍以上も危険ということになります。
メリット③:光熱費削減
高気密高断熱の家の光熱費は、一般的な家に比べると安くなると言われています。
特に築30年以上の断熱性能がほぼない住宅と比べるとさらに差は広がります。
年間に換算すると平均10〜15万円ほどの差となり、10年間で100〜150万円、20年間で200〜300万円、30年間で300〜450万円と見過ごすことのできないくらい大きな金額となります。
メリット④:洗濯物がよく乾く
築年数が古い家の場合、部屋干しすることで、結露によるカビが発生しやすくなります。
また、梅雨など外に干すことができない季節は、室内干しをすることで生乾きの匂いが充満し、不快な思いをしている方も多いことでしょう。
高気密高断熱にすることで、梅雨の室内干しでも洗濯物がカラッと乾く室内環境にすることが可能です。
メリット⑤:結露が起きにくい
冬の時期に悩まされる結露は、高気密高断熱の家では生じにくいというメリットがあります。
どの部屋も温度差が少なく、空気の流れが家中隅々まで行き渡るので、湿気が溜まる心配がありません。
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メリット⑥:防音効果
音は空気の振動によって伝わります。
気密性の低い家では、隙間から空気の出入りが頻繁にあるため、外からの音が入りやすく、中の音も外に漏れやすいという問題があります。
気密性を高めることで、隙間を最小限に抑え空気が自由に出入りすることを防ぎます。
外部からの音を防ぐことと同時に、室内の音漏れもしづらくなるので、小さなお子様がいるご家庭やペットを飼われているご家族も安心して暮らすことができます。
【迷ったらこれでチェック】リフォームか建て替えかを見極めるチェックリスト
しっかりと高気密高断熱を施した住宅にするためには、建て替えにした方が良いのか?リフォームにした方が良いのか?どちらにすれば良いのか迷ってしまいます。
そこで、判断がしやすいように下記のチェックリストを参考にしてみてはいかがでしょうか。
【リフォームか建て替えかの判断チェックリスト】
□将来的にも長く住む予定か?
□光熱費(電気代・ガス代)が高い月で30,000円を超える
□ご年配の方も同居している又は同居予定がある
□日当たりが悪く、午前中でも電気をつけている
□居住人数が多い □冬の朝、室温が5℃以下になる
□冬の時期、お風呂の設定温度を42℃以上にしないとすぐ寒くなる
□冬の時期、室内でもジャンパーや上着を着ないと寒い
□夏の時期、エアコンをフル稼働させても暑い
□夏の時期、太陽の日差しが室内に入ると暑くなる
上記の項目の中で5つ以上当てはまった場合は、建て替えの検討をおすすめします。
リフォームでは満足な解決ができない可能性が高く、家全体の断熱リフォームをすることと、ほぼ同じ費用で建て替えられる場合が多いからです。
迷われている方は一度、高気密高断熱が得意な新築・リフォームを行っている工務店に相談してみましょう。
長く快適に住める高気密高断熱の注文住宅事例
空間工房LOHASは「高気密・高断熱・高換気」の3つを軸に、冬暖かく夏も過ごしやすい家づくりをしています。
お年寄りから赤ちゃんまで過ごしやすいLOHASの施工事例の一部をご紹介いたします。
低炭素認定住宅の平屋in富士市
その他の写真は施工事例へ
家を建てるのだから、最後まで気に入って暮らせるように、細部までこだわって建てたい。 こちらは、日々の二酸化炭素排出量を抑えながら環境に優しい平屋住宅です。 ご夫婦自ら仕上げ塗装した「ポーターズペイント」の壁。 床は、幅広のオーク材。ウッドデッキは耐久性のある「セランカンバツ」と、様々なサンプルを確認し、スイッチやコンセントまで統一感があり、空間の落ち着きにはこだわりがあります。 時間が経つほどにまるでアンティークのように味わい深くなっていく。そんな平屋が完成しました。
[仕様]
延床面積:113.65㎡(34.37坪)
UA値:0.35 C値:0.15㎠/㎡
屋根:ガルバリウム剛板(タテハゼ葺き)
外壁:ガルバリウム剛板+そとん壁
床:富士ひのき+ソリッドオーク エコジョーズ+澄家(24時間換気)
サッシ:サーモスX ペアガラス トリプルガラスダブルLOW-E(アルゴンガス入り)
住宅地でも光が降り注ぐ家in清水
その他の写真は施工事例へ
自然が好きな住まい手です。住宅地にありながら光がよく入る明るい家を希望されていました。床は富士ひのきをはり、食器棚も木で造作。リビングには2階からの光がよく降り注ぐ家になりました。 キッチンの前のカウンターには椅子を置く代わりに畳のBOX型収納があり、畳に座りながら食事もできるという作り。 フェンスで囲み、プライバシーを確保したお庭では家庭菜園を。キャンプグッツがたっぷり入る玄関土間収納。小屋裏は家族みんなが楽しみにしているホームシアターになる予定です。
[仕様]
延床面積:108.48㎡(32.82坪)
屋根:ガルバリウム剛板
外壁:ガルバリウム剛板+そとん壁
床:富士ひのきフローリング
太陽光発電+澄家(24時間換気)
サッシ:サーモスX ペアガラス LIXILグランデルII
木の優しさで健康的に子育てする家in富士市
その他の写真は施工事例へ
ご結婚後東京で暮らしていたご家族の新築です。 在宅ワークが主になったのをきっかけに富士市にUターン。建築やデザインに詳しいごご夫婦で、都心部からのオンライン打ち合わせで「家づくり」がスタートしました。 サンプルを多数郵送し、やりとりをしながら、遠隔からでもこだわる家づくりが実現しました。太陽光発電で電気を自給自足しながら、24時間熱交換換気。ご主人の在宅ワークもしやすいように1階にはテレワーク部屋、キッチンダイニングも回遊式で広々。家事、育児への積極参加でお互いを尊重し、楽しみながら安全で快適に暮らすことのできる間取りです。
[仕様] 延床面積:104.33㎡(31.56坪)
太陽光発電
UA値:0.42
屋根:ガルバリウム剛板+アスファルトルーフィング
外壁:そとん壁+ガルバリウム剛板
床:富士ひのきフローリング
玄関ドア:ユーロトレンドG
サッシ:サーモスX アルゴンガス入りペアガラス+トリプルガラス
まとめ
高気密高断熱住宅は今後、住宅性能の必須条件になります。
これから更に電気代が上がっていくことが予測され、かつ快適で省エネな暮らし方が求められる時代となり、リフォームで快適性能や機能性を満たすことは困難になっていきます。
住み心地が良い高気密高断熱の家に建て替えることが、長い目でみて安心できる選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
空間工房LOHASでは、静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→パッシブハウスin静岡,富士宮市
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