世界的な脱炭素化に向けての動きが活発になる中、住宅でも省エネルギーでランニングコストを抑えられる性能を求める人が増えています。
省エネルギー性能を高めるには「高気密・高断熱・高換気」の3つの性能が必須となります。
そこで今回、「高気密」にクローズアップしてみたいと思います。
Contents
気密測定の重要性
まずは、気密測定の重要性について、ご紹介します。
家の気密性とは?
住宅性能の高さのひとつの要素である「気密性」ですが、家を建てようと考え始めた時に「気密性ってよく聞くけど、詳しくはわからない……」という人もいるのではないでしょうか。
「気密性」とは、カンタンに言うと、家にどのくらいの隙間があるのか、という度合いのことで、たとえば、古い日本家屋のようにすきま風がはいってくるような家は気密性が低く、最近の住宅のようにすきまが少ない家は気密性が高い「高気密住宅」と呼ばれます。
熱は高温側から低温側へと移動する性質があるため、気密性の低い家では、冬は家の中の暖かい空気が隙間から外へ逃げていき、夏は暑い外気がエアコンで冷やされた室内へと流入してきます。
そのため、気密性の低い家では、すきまから空気が出入りするので、いくらエアコンをかけても「夏暑く、冬寒い」室内になってしまい、光熱費が高くなる傾向があります。
1年を通して、快適な室内温度を保つためには、住宅の気密性はとても重要が要素なのです。
ハウスメーカーでは気密測定をしていない?!気密測定の重要性とは?
家にどの程度のすきまがあるのか、つまり、気密性を調べるのが「気密測定」で、その数値は「C値」であらわされ、隙間相当面積とも呼ばれます。
すきまが小さいほど、空気の出入りは少なくなるため、気密性が高くなります。
心地よい空間をつくりだすためには、気密性は、断熱性とあわせて重要な要素ですが、2009年に「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」の改定により「次世代省エネルギー基準」からC値の基準が撤廃されたため、気密性に対する基準はありません。
そのため、気密測定を行う必要はなく、ハウスメーカーでは別途費用がかかる気密測定をおこなっていないところも少なくありません。
しかし、いくら断熱性が高くても、気密性が低ければ、心地よい住空間をつくり出すことができません。
このC値は、設計や施工によって、1軒ずつ数値が異なります。たとえば、まったく同じプランで、同じ建材や素材を使ったとしても、同じ数値になるとは限らないからです。
建築中の家のすき間があるのかを把握し、施工ミスや手抜き工事などのリスクをへらすためにも建築中に気密測定を行うことが重要となります。
空間工房LOHASでは、断熱工事に入る前に気密測定を実施しています。家は、いくつかのパーツを組み合わせて構成されていますが、気密性を高めるためには、熟練した職人の確かな技術と丁寧な仕事が不可欠です。
空間工房LOHASの家は、気密測定で0.5㎠/㎡以下を全棟標準仕様です。住む人が心地よく、快適に過ごすことができる家づくりに取り組んでいます。
高気密の家のメリットと注意すべきポイント
高気密の家のメリットと注意すべきポイントについてご紹介します。
高気密な家のメリット
高気密の家の主なメリットは以下の4つです。
冷暖房の効率が良くなる
気密性が高くなると、空気の出入りが少なくなるため、外気温に影響されずに、室内の温度を一定に保ちやすくなります。
高い断熱性能とあわせることで、室内が魔法瓶のような状態となるため、室内を快適な温度に保つことができ「夏涼しく、冬暖かく」過ごすことができます。
そのため、冷暖房の効率が良くなり、省エネルギーに貢献します。
部屋間の温度差が減る
すき間が少ない気密性の高い家は、室温を一定に保つだけでなく、部屋ごとの温度差が少なくなります。
家族が過ごす時間が長いリビング・ダイニング・キッチンはもちろん、浴室や洗面、トイレなどエアコンがないスペースでも部屋ごとの温度差が少ないことで、急激な温度差によるヒートショックを防ぎ、安全に安心して暮らすことができます。
壁内結露が防げる
気密性や断熱性の低い家では、家に隙間があることで、外部の熱や水蒸気が壁内に出入りし、外気温と室内温度の差によって空気が急激に冷やされることで、壁内結露が発生しやすくなります。
壁の内部結露が発生すると、構造体が腐食してしまったり、カビが生えてしまったりすることで家の劣化が進んでしまいます。気密性の高い家は、快適に過ごすことができるだけでなく、家を健康に長く保つことができます。
換気効率が良くなる
気密性の高い家では、換気システムを効率よく稼働することができます。
2003年以降の新築住宅では、24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、気密性の低い家では、想定されている換気ルートをとらずにすき間から空気が出入りしてしまうため、排気口周辺の空気だけが換気システムによって排気されることになります。
気密性の高い家では、換気ルートをとおって空気が排出されるため、室内空気が循環し、きれいな空気環境を保つことができます。
また、熱交換型換気システムを設置する場合は、気密性が高くないと換気だけでなく、効率的な熱交換や湿度の調整が行えないため、高気密住宅であることが必要となります。
高気密住宅における注意すべきポイント
高気密住宅の注意すべきポイントは、以下の4つです。
換気をしないとCO2濃度が上がる
気密性の高い家では、すき間が少ないため、空気の出入りがほとんどなくなります。
そのため、空気の入れ替えをしないと室内のCO2の濃度が上がってしまいます。
2003年以降に建てられた新築住宅は、24時間換気システムの設置が義務付けられているため、あまり心配はありませんが、停電時など換気システムが稼働できない状況になった場合は気をつけきましょう。
また、2003年以前に建てられた家を改修し、気密性や断熱性を向上させる際には、24時間換気システムを設置するなど、計画換気の必要があります。
ニオイがこもりやすい
すき間が少ない気密性の高い家では、ニオイがこもりやすくなります。
料理をした後に、ニオイが気になるようであれば、しっかりと換気を行うようにしましょう。
音が響きやすい
気密性が高い家は音が外部にもれない、または、外部の騒音が気にならないという特徴があります。
これは、家が密閉状態のようになっているため、音の振動が伝わりにくいという気密性の性質によるものですが、そのぶん、室内で音が響きやすくなります。
家具やカーテン、カーペットなどの布製品がある程度、音を吸収してくれますが、気になるようであれば、床材や壁材に防音効果のあるものを用いるなどの対策をしておくことも検討しましょう。
換気を行わないと結露しやすい
気密性が高くなると、空気がこもりやすくなるため、壁内結露を起こしやすくなります。外部からの空気の出入りを防ぐことも重要ですが、内部の湿気を排出するなどの対策が必要となります。
熱交換型換気システムを設置することで湿度を調整できるため、高気密高断熱の家を建てる場合は、換気システムの選定はしっかり検討していくようにしましょう。
高気密高断熱+高換気の家なら空間工房LOHASにおまかせ
空間工房LOHASでは、建築するすべての家で気密測定を行っています。「高気密高断熱+高換気の家」で笑顔あふれる、楽しい暮らしが実現します。
C値0.5㎠/㎡以下をクリアした最新事例3選をご紹介します。
〈C値0.15㎠/㎡〉パッシブハウス(passivhouse) in 静岡,富士宮市
『パッシブハウス(passivhouse) in 静岡,富士宮市』は、世界水準の省エネ基準となったパッシブハウスです。
パッシブハウスの基準とは
をクリアすることで認定されます。
C値0.15㎠/㎡のこの家は、6畳用エアコン台で、1年を通して、エコで快適な暮らしを実現します。
[仕様] 延床面積:104.34㎡(約31.6坪) 屋根:瓦 外壁:ガルバリウム剛板+そとん壁 床:富士山のひのき サッシ:スマートウイン佐藤の窓 パッシブハウス(passivhouse)認定基準 クリアー 暖房需要 15kWh/(m²a) 年間冷房&除湿需要 23kWh/(m²a) 50PA時の漏気回数 1/h ≤ 0.6 一次エネルギー消費量(PER)≤ 60kWh/(m²a) C値(隙間相当面積) 0.15c㎡/㎡ 換気・全館空調:ZENDER ヒートポンプ全熱交換型・全館空調エアコン エコキュート460L
この事例の詳細についてはこちら→パッシブハウス(passivhouse) in 静岡,富士宮市
〈C値0.26㎠/㎡〉家事動線をまとめて南に大きく開けた家 in 富士宮
『家事動線をまとめて南に大きく開けた家 in 富士宮』は、南側に大きく開いた形状でありながら、深い軒を設けることで、住宅地でありながら周囲の家からの視線を気にすることなく過ごすことができる家です。
C値0.26㎠/㎡をクリアした高気密高断熱、そして、熱交換型換気システムを採用した高換気で快適な住空間を実現しています。
[仕様] 延床面積:99.36㎡(約30坪) C値(隙間相当面積)0.26c㎡/㎡ UA値0.44W/㎡K 屋根:ガルバリウム剛板 外壁:ガルバリウム剛板+そとん壁 床:アカシアフローリング サッシ:断熱サッシサーモスX 澄家(24時間換気)
この事例の詳細についてはこちら→家事動線をまとめて南に大きく開けた家 in 富士宮
〈C値0.39㎠/㎡〉奥に広がる旗竿敷地の家 in 富士市
『奥に広がる旗竿敷地の家 in 富士市』は、旗竿地に建つ家です。変形地という敷地条件をうまく活かし、奥に行くほどにプライベートを楽しめる空間が広がります。
C値0.39㎠/㎡の快適な室内は、家族と猫とが一緒に暮らす笑顔あふれるものとなっています。
この事例の詳細についてはこちら→奥に広がる旗竿敷地の家 in 富士市
まとめ
住宅の気密性については、法制度による基準値がありませんが、省エネで快適な暮らしを実現するためには、断熱性とあわせて欠かすことのできないものとなっています。
気密測定を行うことで、数値で住宅性能を確認できるので、施工上のミスや手抜き工事などリスクが少なくなります。
空間工房LOHASでは、すべての新築住宅において、気密測定を実施し、C値0.5㎠/㎡以下をクリアした高品質な家を提供しています。
静岡県で、省エネ性能の高いパッシブハウスをお考えなら、空間工房LOHASにぜひご相談ください。
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