「断熱等級」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
正しくは「断熱等性能等級」という言葉であり、住宅の断熱性を測る指標になります。2050年のカーボンニュートラルに向けて、これからの日本の住宅はますます高性能化が加速していきます。
本記事では断熱等性能等級の概要についてお伝えするとともに、家づくりをする際の断熱の重要性についても解説をしていきます。
今後、家づくりを検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
断熱等性能等級とは?
まずはじめに、断熱等性能等級の概要について解説します。
断熱等性能等級は2000年の「住宅の品質確保の促進に関する法律」、いわゆる「品確法」に基づくものであり、住宅性能表示制度に伴い定められた等級になります。
お客様にとっては専門的でわかりにくい様々な住宅の性能を、わかりやすく表示するために定められたものになります。
構造耐力や省エネルギー性などの情報を図るための、評価方法の共通のルールを設けることで、お客様が住宅性能を相互比較できるようにしました。
断熱等性能等級は外皮平均熱貫流率と冷房期の平均日射熱取得率、結露防止基準を満たすことで認定される省エネの基準になります。
断熱等性能等級についての国の方向性
2000年から始まった断熱等性能等級では等級1〜4が制定され、等級4が最高等級となっていました。
しかし、住宅性能表示制度の改正により、2022年4月より断熱等性能等級5が追加され、2022年10月からはさらに断熱等性能等級6・7が新たに追加されました。
これまでは2016年に定められた省エネ基準相当が最高等級となっていましたが、ZEHやそれを上回る省エネ性能を有する住宅が建てられ評価することが難しくなったため、新たな等級が創設されることになりました。
2000年に定められた断熱等性能等級は2022年までほとんど変わっていなかったため、世界と比較しても日本の断熱性能は劣っていると考えられています。
2025年には断熱等性能等級4適合が義務化される
今後、高性能住宅の必要性が高まると考えられますが、その流れが大きく変わるのが2025年です。
その理由としては、2025年に省エネ基準適合の義務付けが行われるためです。
これまでは基準に満たない住宅であっても適合の義務はなかったため、建築することは可能でした。
しかし、2025年4月からは適合義務化が行われ、これまでの最高等級であった等級4が最低等級となるため、等級1〜3の住宅については建てることができなくなります。
省エネ基準に満たない場合や必要な手続きが行われていない場合は確認済証や検査済証が発行されず、着工が遅れる恐れもあるため注意が必要になります。
断熱性能の高い住宅のメリット
ここまでは断熱等性能等級の概要や今後の住宅がどのようになっていくのかについて説明をしてきました。
では、住宅を建てるにあたり、なぜ断熱性能が大切になるのでしょうか。
その理由については下記の3つのメリットを挙げて説明をしていきます。
- 年間を通じて快適に過ごせる
- ランニングコストの削減ができる
- 補助金やローンなどの優遇措置がある
年間を通じて快適に過ごせる
まず1つ目に、年間を通じて快適に過ごせるというメリットがあります。
住宅における悩みとして、夏場の蒸し暑さや、冬場の足元からの冷え込みが多く挙げられます。
これらは地域の環境にもよりますが、断熱性能を向上させることで改善できるケースが多くあります。
住宅は外気温からの影響を受けやすく、断熱性能が低い住宅であれば直射日光により室温が上がり、外の冷気によって室温が下がることになります。
しかし、壁や天井・床などに断熱施工を行うことで外気の影響を受けにくい家づくりをすることが可能になります。
そうすることで夏場・冬場の温度の変化を最小限に留めることができ、1年を通じて快適に家の中で過ごすことができます。
ランニングコストの削減ができる
次に、ランニングコストの削減ができるという点もメリットとして挙げられます。
夏場・冬場であれば室温の調整をするためにエアコンなどの空調機器の使用が必要になります。
光熱費が高くなる期間でもあるため、家計の負担が大きくなることも悩みに挙げられます。
住宅の断熱性能は空調機器の使用頻度にも大きく影響してきます。
先ほどもお伝えした通り断熱性能の低い住宅は外気温の影響を受けやすいため、夏場は室温が上昇し、冬場は室温が下がりやすくなります。
そのため、空調としても大きな能力で長時間運転をする必要があります。
つまり、月々の電気代などの光熱費が上がることにつながります。
断熱性能を上げておくことで外気温の影響を受けにくく、室温を一定に保つことにつながるため省エネを行うことが可能です。
建設費用としてのイニシャルコストは高くなるかもしれませんが、長い時間を共にする家であるため長期的なランニングコストの視点からはメリットがあります。
補助金やローンなどの優遇がある
そして最後に、補助金やローンなどの費用面での優遇もメリットとして挙げられます。
国全体としても今後は高断熱や省エネにつながる高性能な住宅を増やしていきたいという考えがあります。
そのため、高性能住宅を建てるお客様に対しては費用面での協力も多くあります。
住宅を取得する際には住宅ローンを組む方も多くいるでしょう。
その際にZEH相当の高性能住宅を建てる場合は、一定期間借入金利の優遇がされるという制度もあります。
また、補助金では子育て世代や若者夫婦世帯を対象とした、ZEHレベルの住宅に対して最大100万円の補助金を交付する「こどもエコすまい支援事業」などがあります。
「こどもエコすまい支援事業」については下記のコラムでも解説をしているため、ぜひ参考にしてみてください。
断熱性能の高い住宅事例の紹介
ここまでは断熱性能が高い住宅のメリットについて説明をしてきました。
空間工房LOHASでも断熱性能にこだわって家づくりをしています。
家づくりの際にどのような点に意識をすれば良いかイメージしやすいように、住宅事例を紹介します。
富士市のパッシブハウス基準で設計した情緒あるデザインの高気密高断熱住宅
まずはじめに紹介するのは、静岡県富士市に建てられた高気密・高断熱の住宅になります。
省エネ住宅の世界基準である「パッシブハウス基準」で設計がされているため、必要最低限の冷暖房で年間を過ごせるようになっています。
冬は床下エアコンで足元から温かくし、夏は2階のホールから小型のエアコンを使用することで涼しくする住宅になっています。
断熱リフォームして二世帯住宅に増築_in 富士
続いて紹介するのは、断熱リフォームを行い二世帯住宅に増築した家になります。
これまで夏場は湿気でジメジメして蒸し暑い、冬場は足元が冷えて困るという悩みを抱えていたご家族でした。
快適に過ごせるように断熱サッシの交換を行い、熱交換換気システムを導入することで室温を一定に保てるように設計をしました。
リフォームを行ったことで冬場も足元から凍えることが少なくなったと喜んでもらっています。
詳しくはこちら→断熱リフォームして二世帯住宅に増築_in 富士
まとめ
今回は断熱等性能等級の概要をお伝えするとともに、今後国内の住宅がどのような方向に進んでいくかを説明してきました。
2022年より断熱等性能等級5・6・7が新たに創設されたように、高性能住宅を増やしていく方向に進んでいくと考えられます。
住宅は長く過ごす場所であるため、快適さやランニングコストなどの長期的な視点で家づくりを意識するようにしましょう。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→パッシブハウスin静岡,富士宮市
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