省エネ住宅の基準はさまざまあり、そのなかに「パッシブハウス基準」や「省エネ基準」などがあります。この2つの基準はどのように異なり、どちらが上位にあたるのでしょうか?
結論からお伝えすると、パッシブハウス基準が、省エネ基準よりも上位にあたります。ここでは、それぞれの基準や特徴をはじめ、究極の省エネ住宅を建てるための方法についても解説していきます。
この記事を読んでわかること
・パッシブハウス基準についてわかります。
・省エネ基準についてわかります。
・パッシブハウス基準と省エネ基準についての違いがわかります。
Contents
パッシブハウス基準とは?
パッシブハウス基準とは、パッシブハウスとして認定を受けるために必要な基準で、建物の省エネルギー基準の中では、世界的に見ても最も厳しい基準です。
パッシブハウスとは、省エネ性能が非常に高く、快適な住み心地を追求した住宅です。建物の性能を高めることで、冷暖房器具の積極的な使用が不要となり、「受身の」という意味合いの「パッシブ(passive)」という名がつけられました。
ここでは、パッシブハウスの基準を満たすための条件や、ポイントについて詳しく解説していきます。
パッシブハウス基準を満たすための条件
パッシブハウス基準は、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 年間の冷暖房負荷がそれぞれ15kWh/㎡以下
- 年間の一次エネルギー消費量が120kWh/㎡以下
- 気密性能において50Paの加圧時の漏気回数が0.6回以下
冷暖房負荷とは、室内の温度や湿度を快適に保つために必要な、冷暖房のエネルギー量を指します。
一次エネルギー消費量とは、住宅などで消費するエネルギーを熱量に換算したものです。
パッシブハウス基準に適合した建物を建てるには、豊富な経験と高い技術力が要求されます。
パッシブハウスの強み
パッシブハウスの強みは、以下のとおりです。
- 省エネ基準が最高レベルである
- 設備への依存度が少なくなる
- 健康的で快適に暮らせる
パッシブハウスは建物の性能が高いため、エアコンなどの設備に大きく依存することなく、快適に暮らすことができます。
また、建物の断熱性能が高いため、ヒートショックなどのリスクなども少なく、身体への負荷も一般的な住宅よりもかかりません。
パッシブハウスは、省エネ住宅のなかでも最上位ランクと言えるでしょう。
パッシブハウス基準を満たすためのポイント
パッシブハウス基準を満たすためには、以下の6つのポイントをおさえる必要があります。
- 断熱や気密性能を高める
- 空気の漏れをなくす
- 熱橋をなくす
- 高性能の窓を採用する
- 窓の向きや日射遮蔽を考慮する
- 熱交換換気を採用する
パッシブハウス基準のコンセプトは、最大限まで断熱や気密性能を高め、自然の力を活用して、最小限のエネルギーで快適な暮らしを実現することです。
そのため、パッシブハウス基準を満たすためには、建築前に綿密な計画や、建材などの選定、シミュレーションを行わなければなりません。
パッシブ基準は世界最高峰の省エネ基準と呼ばれるほど、厳しい性能基準をクリアしないと認められない住宅になります。その他にも日本の住宅性能を評する省エネ基準についての解説を以下のコラムにて詳しく解説しています。
省エネ基準とは?
省エネ基準(省エネルギー基準)とは、住宅や建築物の省エネルギー性能を評価するための基準です。1980年に制定されて以来、基準の見直しによって順次改正されてきました。
ここでは、省エネ基準について解説していきます。
省エネ基準について
省エネ基準は、「一次エネルギー消費量基準」と「外皮性能基準」から構成されています。
一次エネルギー消費量とは、住宅などで消費するエネルギーを熱量に換算したものです。省エネ基準では、一次エネルギー消費量が基準値以下となる必要があります。
参照:国土交通省「省エネ基準の概要」
外皮性能とは、外壁・床・屋根・窓などの住宅の外周部分における、断熱性や気密性などの能力を数値化したものです。省エネ基準では、外皮の表面積あたりの熱の損失量が、基準値以下となる必要があります。
参照:国土交通省「省エネ基準の概要」
省エネ基準は、地域の外気温傾向などを考慮して、8つの地域区分ごとに基準値を設定しています。
参照:国土交通省「地域区分の見直し」
詳しくは、国土交通省のホームページで確認しておくと良いでしょう。
省エネ基準の説明義務制度
2019年に、建築物省エネ法が改正されました。この改正により、300㎡未満の住宅の設計において、建築士から建築主に対して省エネ基準への適合性などについて、書面を交付して説明することが義務付けられています。
2022年現在では、300㎡未満の住宅の建築主において、省エネ基準に適合するよう努力義務が課せられています。
参照:国土交通省「説明義務リーフレット(住宅用)」
2025年にはすべての建物に省エネ基準への適合が義務化へ
2022年6月に、「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」が公布されました。
この改正により、前項で紹介した説明義務に留まっていた300㎡未満の住宅においても、2025年からは省エネ基準適合が義務付けられました。つまり、2025年からはすべての建築物で省エネ基準の適合が必要になります。
2030年度に、2013年度比で温室効果ガス46%削減を実現するために、省エネ対策の加速がすすめられたことが、改正の要因としてあげられます。
このように、日本においても省エネ住宅のさらなる普及に向けた取り組みが、強化されつつあります。
究極の省エネ住宅「パッシブハウス」を建てるには?
究極の省エネ住宅である「パッシブハウス」を建てるには、どのようにすれば良いのでしょうか?
ここでは、パッシブハウスを建てるために必要な3つのポイントを紹介していきます。
土地探しから省エネ建築診断士と相談してすすめる
パッシブハウスを建てるには、土地探しの段階から「省エネ建築診断士」と相談してすすめるようにしましょう。
省エネ建築診断士とは、日本においてパッシブハウスの研究や普及活動をしている、一般社団法人パッシブハウスジャパン主催の、「省エネ建築診断士セミナー」の試験に合格した人をいいます。
パッシブハウスを建築するにあたって、土地探しは非常に重要です。基本的にはどんな土地でもパッシブハウスの建築は可能ですが、建築したい土地の気象データを基にして最適な建物を設計していくため、土地によって向きや不向きがあります。
パッシブハウスに適した土地探しの段階から、省エネ建築診断士と相談しながらすすめるようにしましょう。
パッシブハウスジャパン認定の工務店に依頼する
パッシブハウスの建築は、パッシブハウスジャパン認定の工務店に依頼することがおすすめです。
パッシブハウスジャパンでは、入会資格を満たして協会の趣旨に賛同した工務店を、賛助会員として登録しています。
パッシブハウスについて深く理解しており、しっかりとした基準を満たしているパッシブハウスジャパン認定の工務店に、パッシブハウスの建築を依頼することがおすすめです。
パッシブハウスジャパンのホームページでは、認定している工務店の一覧を確認することができます。
パッシブハウスの建築を検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。
予算と時間を十分に確保しておく
パッシブハウスを建築するにあたっては、予算と時間をなるべく確保しておくようにしましょう。
パッシブハウスは、高性能な建材や建具を数多く使用します。そのため、一般的な住宅にかかる建築費用よりも、15%〜20%ほど高くなってしまいます。
また、パッシブハウスは土地の条件によってオーダーメイドで設計するため、打ち合わせや工期に時間が必要です。
スケジュールと予算は、なるべく余裕をもって計画しておくようにしましょう。
パッシブハウスを建築するには、土地探しから省エネ建築診断士と相談しながら立地を最大限生かしたプランニングが必要となります。建築予定地の自然環境と住まう方の要望を最大限考慮した世界に一つの注文住宅を建てるために、パッシブハウスに認定された登録工務店に相談することをおすすめいたします。詳しくは以下のコラムを参考にしてください。
まとめ
パッシブハウス基準と省エネ基準、そして究極の省エネ住宅である「パッシブハウス」を建てるための方法について解説しました。
パッシブハウスは、最小限のエネルギーと自然の力を活用して、快適な空間を作る高性能住宅です。
そんなパッシブハウスを建てて、健康で持続可能な暮らしを一緒に作りましょう。
富士市・富士宮市周辺のパッシブハウスやパッシブデザインの住宅をご希望の場合は、パッシブハウスジャパン賛助会員である空間工房LOHASに是非ご相談ください。
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