リフォームを検討している方の中には、ご両親と同居できる二世帯住宅にしたいと考えているという方も少なくないのでは？｢でも、二世帯住宅のリフォームってなんとなく費用が高くなりそう……｣と感じている方も多いもの。

そこで今回は、二世帯住宅へのリフォームに興味がある方に向けて、費用の相場やリフォーム後に後悔しないために押さえておきたいポイントを詳しく紹介します。

 

二世帯住宅のメリット

親世帯と子世帯が同じ建物で生活する二世帯住宅ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

二世帯住宅の一番のメリットは、なんと言ってもお互いに助け合えること。具体的には、｢子どもを少しの間みていて欲しいときに頼みやすい｣｢体調不良のときに頼れる｣｢介護が必要になったときにお願いしやすい｣などです。

いざというときにお互い助け合うことができるのが、二世帯住宅の大きなメリットです。

 

他にも、建築費用を安く抑えられたり、住み始めてからの光熱費を抑えられたりといったメリットもあります。さらに、別居している状態に比べて相続税を抑えられる可能性も高くなるので、節税対策として二世帯住宅を選択する人もいます。

 

二世帯住宅は3タイプ

二世帯住宅には大きく分けて以下の3つのタイプがあります。

 

• 完全分離型
• 部分共有型
• 完全共有(同居)型

 

完全分離型は、その名の通り世帯を完全に分離した二世帯住宅です。1つの建物の中にそれぞれ独立した設備を備えています。

部分共有型は完全に分離するのではなく、ある程度の設備を共有にする二世帯住宅です。1階を親世帯、2階を子世帯などと分けるケースが多く、お互いにちょうどいい距離感を保って生活できます。

完全共有(同居)型は、生活に必要な設備を全て共有する二世帯住宅です。各自の寝室などのプライベートスペース以外は基本的に全て共有で、世帯間の距離が近いのが特徴です。

 

二世帯住宅にリフォームする費用の相場

二世帯住宅にリフォームするには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

工事の内容ごとのリフォーム費用の相場をみていきましょう。

 

間取り変更リフォームの費用相場

世帯ごとのプライベート空間をしっかりと分けたいという場合、間取り変更のリフォーム工事が必要です。

間取りを変更するためには、どの程度の変更かにもよりますが500〜1,000万円ほどの費用がかかると想定しておきましょう。

さらに、個室を増やすための増築などをおこなう場合、プラス500万円ほどかかることもあります。

 

水回り設備の追加リフォームの費用相場

二世帯住宅にリフォームするにあたり、キッチンやトイレ、洗面所、風呂場などの水回り設備を追加することがよくあります。この場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

追加する設備	費用相場
キッチン	50〜200万円
トイレ	15〜50万円
洗面所	20〜60万円
風呂場	100〜250万円

 

どの工事でも、導入する設備のグレードやタイプなどによって費用が大きく変わってきます。

それぞれの世帯にどの程度の設備が必要かを事前にしっかりと確認しておきましょう。

 

バリアフリー対応リフォームの費用相場

二世帯住宅にリフォームをする場合、一緒にバリアフリーを検討するという方も少なくありません。

廊下や階段に手すりを設置したり、玄関や家の中の段差を解消したりといった工事が考えられます。

手すりを設置するだけの工事の場合、10万円ほどで完了します。段差を解消する工事は、30〜40万円ほどが相場です。

工事が必要な箇所がいくつあるかなどによって費用は変わってきます。どの程度の工事をおこなうかを検討して、リフォーム業者などに相談してみましょう。

 

二世帯住宅リフォームで受け取れる補助金

二世帯住宅リフォームには、高額な費用がかかることも少なくありません。できるだけ費用は抑えたいものですよね。

そこで、二世帯住宅リフォームの費用の一部を補助してくれる補助金を紹介します。

 

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、耐震性能や耐久性能があり、省エネ性能の向上を目的としたリフォームに対して補助金が支払われる制度です。

さらに、親世帯との同居や子育てしやすい環境を整えるためのリフォームにも活用できます。

 

この補助金を受け取るためには、以下の2つの条件を満たしていることが必要です。

 

• インスペクションを実施し、維持保全計画・履歴を作成する
• 工事後に耐震性と劣化対策、省エネ性能が確保されること

 

長期優良住宅化リフォーム推進事業について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 

地域住宅グリーン化事業

省エネ性能や耐久性能に優れた木造の住宅に対して工事費用の一部を補助してくれるのが、地域住宅グリーン化事業です。

 

• 地域木材を積極的に採用し、住宅の主要部分が木造である
• 定められた省エネ基準を満たしている
• 国から認定された中小住宅生産者で建てた家である

 

これらが地域住宅グリーン化事業の補助金を受けるための条件です。

 

地域住宅グリーン化事業について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 

先進的窓リノベ事業

既存の住宅の窓を省エネ効果の高い断熱窓に取り替える工事をおこなうことで受け取れるのが、先進的窓リノベ事業の補助金です。

二世帯住宅リフォームには直接関係ないですが、快適な室内環境を実現するのに断熱窓はとても有効です。

二世帯住宅にリフォームするついでに、窓のリフォームをおこなうことで、最大200万円までの補助金を受け取ることができます。

 

先進的窓リノベ事業について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 

二世帯住宅リフォームで後悔しないために押さえておきたいポイント

二世帯住宅へのリフォームには後悔しているという方も少なくありません。

そこで、二世帯住宅リフォームで後悔しないために押さえておきたいポイントをみていきましょう。

 

世帯ごとのプライバシーに配慮する

世帯ごとの距離が近いことは二世帯住宅のメリットですが、お互いのプライバシーに配慮した間取りにすることは、長く一緒に暮らしていくために重要なポイントです。

特に、部分共有型や完全共有(同居)型の場合、共有スペースの使い方でお互いに気を使ってしまうことも少なくありません。

同じ建物の中で生活をすることで、お互いの行動が筒抜け。同居しているのが実の親でないケースの場合、ストレスを感じてしまう可能性も高いです。

お互いにできるだけストレスを感じないための間取りの工夫をしましょう。

 

十分な収納を確保する

二世帯が一緒に暮らしていると、荷物の量も増えてしまうもの。思っていたより収納が少なく、荷物が収まりきらないということも考えられます。

住み始めてから趣味ができたけど、趣味のものを収納するスペースがないという問題も発生しかねません。

収納は、少し多めに確保するなどの対策をおこないましょう。

 

水回りが混雑しやすい

二世帯で一緒に暮らしていると、どうしても水回りが混雑しがちです。

朝の準備の時間には洗面所やトイレが混雑し、思うように支度ができないなんてことも。

お互いの生活リズムが近い場合は特にトイレや洗面所を2箇所以上設置するなど、しっかりと対策をしましょう。

 

建築費用・水道・光熱費の負担割合を明確にしておく

建築やリフォームにかかる費用はどのくらいずつ負担するのかは、事前に話し合っておかないとトラブルの素です。

さらに、世帯によって大きく金額が変わってくるのが、電気やガス、水道などの使用量。これらの光熱費の負担をどのように折半するかなども、事前に明確にしておかなければ後からトラブルの原因になりかねません。

たとえ親子間であっても、お金に関する話しはなかなかしづらいものです。長く良好な関係を築くためにも、事前にしっかりと話し合っておきましょう。

 

まとめ

二世帯住宅にリフォームするための費用相場や押さえておきたいポイントなどをご紹介しました。

二世帯住宅には、困ったときにすぐに頼れることや、建築費用を安く抑えられること、相続税対策になることなど、多くのメリットがあります。

一方で、気を付けておかなければ住み始めてから後悔することにもなりかねないポイントもいくつかあります。

それぞれの世帯の希望や要望をしっかりと汲み取りながら、お互いにとって最適な二世帯住宅の形を作ってみてくださいね。

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