これから新築住宅を検討している方もすでに戸建住宅に住んでいる方も、気になるのがその家にどのくらい住み続けることができるかという点ではないでしょうか。
でも、家の寿命って意外と知らないという方が多いもの。そこで今回は、日本の家の平均寿命や長く住み続けるためのポイントなどを詳しく解説していきます。
Contents
家の寿命はどのくらい?
日本の家は大体どのくらいの期間住み続けることができるのでしょうか。
木造住宅か鉄骨や鉄筋コンクリートなのかなど、建物の構造によっても寿命は変わってきます。
木造住宅の寿命と鉄骨・鉄筋コンクリートの住宅の寿命をそれぞれ見ていきます。
木造住宅の寿命
日本にある住宅の約8割が木造住宅であると言われています。では、木造住宅の寿命は何年くらいなのでしょうか。
木造住宅の寿命は約30年と言われています。この寿命はあくまで日本の平均であり、30年経つと住めなくなるわけではありません。
税務上の耐用年数が33年であるうえ、多くの木造住宅が30年前後で建て替えやリフォームをおこなうため、平均の寿命が約30年ほどであると言われているのです。
木造住宅の物理的な寿命は約80年と言われており、最近では「100年住める」という注文住宅も出てきています。
鉄骨・鉄筋コンクリート住宅の寿命
では、鉄骨・鉄筋コンクリートでできた住宅の寿命はどのくらいなのでしょうか。
答えは約70年です。木造に比べて耐久性が高いので、このような数字になっています。
家の寿命を伸ばして長く住み続けるためのポイント
木造住宅の寿命は30年ほどですが、上手に暮らせば50年、100年と長く住み続けられる可能性があります。
家の寿命を伸ばして長く住み続けるためのポイントは以下の通りです。
- 日常的な掃除や手入れをおこなう
- 定期的に専門家に依頼して点検をおこなう
- 必要であればメンテナンスや部分リフォームをおこなう
- 耐震性や断熱性の高い家にする
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
日常的な掃除や手入れをおこなう
日常的な掃除や手入れは、美しい見た目を保つためだけのものではありません。実は、家の寿命にも大きく関わっているのです。
日常的に掃除や手入れをおこなうということは、日常的に家中のあらゆる場所に目を配ることができ、家の異常にもいち早く気づくことができます。
家の異常を早い段階で見つけられるため、補修や修理にかかる費用が最小限にできます。
特に外壁のひび割れや欠けなどは家の寿命を縮める大きな原因となるので、日常的に確認するようにしましょう。
キッチンや洗面所、風呂、トイレなどの水回りも注意しておきたいポイント。水漏れは、家の土台や構造に影響する可能性があります。早めの対処ができるよう、普段から日常的な掃除と手入れを欠かさないようにしましょう。
定期的に専門家に依頼をして点検をおこなう
日々の掃除や手入れに加えて、定期的に専門家に依頼をして点検をしてもらうことも大切です。
踏むと軋むフローリングや、汚れが目立つ内装クロスなどは点検をして対処をしましょう。
外壁の繋ぎ目部分はヒビが入りやすい箇所です。定期的な点検で適切な対処をすることで、外壁の内部への雨水の侵入を防ぐことができ、家の寿命を伸ばすことに繋がります。
定期的な点検をおこなうことで、何らかの異常があった場合でも比較的早期に発見でき、早めの対処が可能になります。
必要であればメンテナンスや部分リフォームをおこなう
定期的な専門家による点検で何か異常が見つかった場合、メンテナンスや部分リフォームをおこないましょう。
せっかく点検で早期に見つかった異常箇所を放置していたのでは、家の寿命は短くなる一方です。
専門のリフォーム業者などに依頼して、直してもらう必要があります。異常箇所が見つかった場合は、早めに適切なメンテナンスや部分リフォームについて相談をしてみましょう。
耐震性や断熱性の高い家にする
もしもの災害で家が倒壊なんてことになっては、大変です。
地震大国日本において、住宅の耐震性能はとても重要なポイントと言っていいでしょう。住宅の寿命を縮めないためにも、最初から耐震性能や耐久性能の高い家にするのもひとつの手と言えます。
さらに、断熱性能の高い家にすることも有効です。
適切な断熱材を選択することで、壁の内部に結露が発生するのを予防してくれます。
壁の内部に結露が発生すると、家は壁の内側から腐り始めてしまいます。内部の結露を防ぐことは、家の寿命を伸ばすのにとても重要なポイントなのです。
断熱材自体が吸水や放湿をしない性質のものを選ぶことと、施工の際のズレや厚みのムラがでないことが大切。これには、ボード状になっている断熱材が有効です。
家の寿命が来てしまったら?
日々の掃除や手入れ、定期的な点検などをおこなっていても、いつかは寿命が来てしまいます。そんなときに、どのような対処ができるでしょうか。
家の寿命が来てしまったときには以下のような対処法が考えられます。
- フルリフォームをおこなう
- 建て替えをおこなう
- 売却する
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
フルリフォームをおこなう
家の寿命が来てしまったときのひとつ目の対処法がフルリフォーム。
スケルトンリフォームや大規模リフォームと呼ばれることもあるリフォーム方法です。
フルリフォームは、家を骨組み部分だけ残してほとんどの部分を解体しリフォームする方法です。
部分リフォームに比べて間取りの自由度が高く、新築そっくりに生まれ変わらせることができる人気のリフォーム方法です。
建て替えよりも費用を抑えられる可能性が高いのもメリット。
ただし、構造や土台部分は解体してみないとどの程度老朽化しているかなどの判断がしにくいため、当初想定していたよりも老朽化が進んでいて、修繕などに想定外の費用がかかってしまう可能性がある点に注意が必要です。
建て替えをおこなう
次に紹介するのが建て替えです。
フルリフォームとは違い、構造や土台部分まで全て解体して新しく家を建て直すのが建て替えです。
既存の家の解体費用に加えて、新築住宅の建築費用がかかります。
住宅の解体費用の相場は、1坪あたり3〜8万円程度なので、30坪の住宅なら90〜240万円ほどの費用がかかります。
この費用に加えて住宅の建築費用もかかるので、フルリフォームをする場合に比べて費用は高額になりやすいです。
建て替えを検討するときは、事前に既存の住宅が再建築不可物件でないかを確認しておきましょう。再建築不可物件とは、一度家を解体し更地にしてしまうと新たに家を建てることができない物件のこと。救急車や消防車などの緊急車両がスムーズに通るためなどの理由があり、新しく家を建てることができなくなってしまいます。
さまざまな注意点はありますが、建て替えの場合は土台から全て作り直すので、理想のマイホームを実現できるという大きなメリットがあります。フルリフォームより自由度が高い点は、マイホームに強いこだわりがあるという人にとっては大きな魅力ですね。
売却する
これまで住んでいた土地にこだわりや住み続ける理由が特にない場合、売却という選択肢もあります。
家の売却価格によっては、新しく土地を購入して住宅を建てるときの資金計画にゆとりが生まれる可能性もあります。
高く買い取ってもらうためには、ホームインスペクションを実施して家の安全性や安心という付加価値を付けたり、リフォームまではしなくても異常箇所を修繕した状態で売却したりといった方法があります。
家を解体して更地にして売りに出す方法もありますが、中古物件を購入してリノベーションして住みたいという人も多く、古家付き物件として売却した方が高値が付く場合もあります。
既存住宅の資産価値を査定してもらい、必要があれば付加価値を付けて売りに出すことも検討してみてもいいでしょう。
まとめ
家の寿命や長く住み続けるための方法、家の寿命が来てしまったときの対処法などをご紹介しました。
日本の木造住宅の多くは約30年ほどで解体や建て替え、フルリフォームなどがおこなわれています。
日々の掃除や手入れ、定期的な点検、メンテナンス、修繕をおこなうことで、80〜100年近くの長きに渡って住み続けることができます。
ぜひ実践してお気に入りのマイホームに少しでも長く住み続けられるといいですね。
寺﨑幸治
空間工房LOHAS代表。「富士山のエネルギーを紡いだ木を活かし、家族の思い出を畳みこんで、住めば住むほど心身共に 健康になり子の代まで価値ある資産として住み継いで行ける、自然素材の家づくり」を平成17年から続けている。2022年現在建てた住宅は200棟以上。 輸入には頼らず、静岡県富士市にあり、地産地消で森を守りながら次世代まで永く住みつなぐ家を造る。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→パッシブハウスin静岡,富士宮市
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