「そとん壁」と呼ばれる外壁材をご存じでしょうか?
そとん壁は、家計にも地球にも優しい天然素材の優れた特徴と性能がある外壁材です。
ここではそとん壁の特徴や性能、メリット・デメリット、メンテナンスについて解説していきます。
そとん壁はカーボンニュートラルにも貢献する、サスティナブル住宅をつくる注目の外壁材です。そんなそとん壁を詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
・そとん壁の特徴
・そとん壁のメリット・デメリット
・そとん壁によるサスティナブル住宅への貢献度
Contents
そとん壁とは?
そとん壁とは、シラスが主原料の外壁材です。シラスとは、噴火したマグマが急激に冷やされて火砕流となり堆積したものです。鹿児島県から宮崎県南部のシラス台地が有名で、そとん壁の主要な産地となっています。
シラスの主成分は珪酸(けいさん)です。人工的には作れない、非常に細かい不規則な微粒子のなかに無数の穴が空いた、独特の構造を持っています。
そとん壁の開発は、伊礼 智さんという建築家の方が携わっており、「誰もが心地よいと思える、小さくても豊かに暮らすことのできる家を手が届く価格で」というポリシーに基づき、開発されました。
ガルバリウム鋼板との違い
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムなどをメッキした鋼板です。耐久性、耐候性、耐熱性に優れ、軽量で施工しやすいのがメリット。スタイリッシュな外観が人気です。
そとん壁は自然素材の温かみ、ガルバリウム鋼板は金属特有のシャープさが魅力です。メンテナンス性やコスト、特性も考慮して、どちらが自分の家に合うか検討しましょう。
漆喰との違い
漆喰壁は消石灰を主原料とし、滑らかで白い壁が特徴です。防火性や防カビ性に優れ、シックハウス対策にも効果があります。
簡単に言うと、そとん壁は和の温かみ、漆喰壁は洋の清潔感が魅力です。どちらも自然素材ならではの質感と機能性があるので、好みの雰囲気や機能で選びましょう。
そとん壁のメリット・デメリット
ここでは、そとん壁のメリットとデメリットについて解説していきます。
そとん壁のメリット
そとん壁は、他の外壁材よりも優れたさまざまなメリットがあります。順に解説していきましょう。
天然素材100%で地球環境に優しい
そとん壁はシラスを主原料とした100%天然素材の外壁材です。人体や地球環境にとても優しく、特にお子さんがいるご家庭は安心感につながるでしょう。
優れた防水性と調湿性がある
そとん壁には、優れた防水性と調湿性があります。
そとん壁の構造は、下塗り材と上塗り材の二層構造です。下塗り材は粒子が微細で、上塗り材は粒子が大きいシラス粒子で構成されています。
水蒸気などの細かい粒子は下塗り材を通しますが、雨水は下塗り材にほとんど染みこまずに重力によって下に流れていきます。
そとん壁の二層構造によって、そとん壁の表面に防水塗装をする必要がありません。優れた防水性と、湿気を吸収したり放出したりする調湿性をそとん壁は持っています。
そとん壁の主成分であるシラスは無機質で、カビの養分にはなりません。湿気による結露やカビの発生を防ぐ効果もあります。
また、外壁に付着した汚れなども雨水とともに下へ流してくれます。汚れが付着しにくいところも、そとん壁の優れた特徴の1つです。
断熱性や遮音性に優れている
そとん壁の主成分であるシラスには、無数の穴が空いています。穴が空気の層となり、断熱性と遮音性を高めてくれます。
その結果、冷暖房効率が高くなることで省エネ効果にもつながり、日々の暮らしの快適性も高まるでしょう。
高耐久性で塗り替えが不要
そとん壁の主原料であるシラスは無機質の天然素材で、紫外線や風雨にも強い特徴があります。そとん壁は退色や劣化がしにくく、耐久性が非常に高い外壁材です。
一般的なサイディングなどの外壁材の場合、およそ10年で塗り替えなどメンテナンスをする必要があります。しかし、そとん壁は塗り替えが不要で、基本的にメンテナンスの手間がかからず長持ちします。
もし頑固な汚れなどが付着している場合は、放置せずにすぐに取り除きましょう。汚れが付着した状態が続くと、紫外線で焼き付いてしまうおそれがあるためです。頑固な汚れは、高圧洗浄機で洗い流すと良いでしょう。
そとん壁は高耐久性で、メンテナンスの手間が削減できる非常に優れた外壁材です。
独特のデザイン性がある
そとん壁は天然素材でシラス独特の質感と、味わい深いデザイン性があります。左官職人が手作業によって仕上げることで、唯一無二の外観となります。
継ぎ目もなく、周りの景色にもなじみやすい仕上がりが期待できるでしょう。
そとん壁のデメリット
ここでは、そとん壁のデメリットについて解説していきます。
初期費用がかかる
そとん壁は、天然素材かつ機能性も高い特徴があるため、他の外壁材よりも初期費用が高い点がデメリットとしてあげられます。
しかし、塗り替えの手間が必要なく、ランニングコストが他の外壁材よりもかかりません。優れた機能面も考慮すると、長期的に見ればコストパフォーマンスは決して悪くないでしょう。
施工には技術力が必要で天候に左右されやすい
そとん壁は天然素材の塗り壁材で、左官職人によって施工されます。職人が手作業によって施工するため、職人の技術力によって仕上がりが大きく左右されます。
そとん壁の施工を依頼するには、知識や経験が豊富で、高い技術力を持った施工会社に依頼することが大切です。
また、雨天時にはそとん壁の施工ができないため、工期が想定よりもかかるケースがあります。そとん壁を施工する際は、工期に余裕を持っておくと良いでしょう。
ひび割れが発生する場合がある
そとん壁は、左官塗りによって仕上げます。地震などの建物の揺れや構造に使われている木材などの収縮によって、ひび割れが発生することがあります。
しかし、ひび割れを防ぐ下処理を施工時に行うため、ひび割れのリスクはある程度抑えることが可能です。
ただし、大きくひび割れが発生した場合は、補修剤で直す必要があります。もしひび割れが発生して不安な場合は、施工会社に補修を依頼しましょう。
触ると粉が落ちる場合がある
そとん壁は天然素材の塗り壁であるために、壁を触ると粉が地面に落ちる場合があります。
表面の粉が落ちるだけで、そとん壁の性能に問題はありません。しかし、気になる方には不向きといえるでしょう。
そとん壁のメンテナンスについて
そとん壁は、自然素材ならではの風合いや高い耐久力が魅力ですが、適切なメンテナンスで美しさと機能性を長く保つことが重要です。
日常的なメンテナンスとしては、軽い汚れはブラシやほうきで落とす程度で十分です。専門業者に依頼する場合は、5年~10年ごとが目安と考えましょう。
また、苔やカビが発生した場合は、早めに専門業者に相談することをおすすめします。適切なメンテナンスで、そとん壁の独特の風合いを長く保てるようにしましょう。
空間工房LOHASは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
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これからのサスティナブル住宅に貢献するそとん壁の性能や特徴・メンテナンス性
さまざまな優れた機能を持つそとん壁は、これから求められていくサスティナブル住宅において、大きく貢献する外壁材と言えます。
その理由について詳しく解説していきます。
サスティナブル住宅とは
サスティナブル住宅とは、「持続可能な住宅」という意味で、長きにわたって住み続けることができる長寿命でかつ、人・社会・環境に優しい住宅のことを言います。
この背景には、SDGs(持続可能な開発目標)の広まりが深く関わっています。
日本の住宅文化には、建てては壊すという「スクラップアンドビルド」という考え方が古くから根付いていました。しかし、2025年には全建築物において、省エネ基準への適合が義務化されることが決まりました。
この義務化により、多くの建材や燃料を必要とする建築業界においても、サスティナブルな考え方がより重視されつつあります。
したがって、持続可能で色あせることのないサスティナブル住宅の需要が、日本においてもこれから高まってくるでしょう。
また、長持ちする家=メンテナンスにより長く持たせることができる家となるので、長期的にみればメンテナンス費用を抑えることもでき、家計にも優しい家となります。地球にも人にもお財布にも優しいサスティナブル住宅は、脱炭素に向かう世界のスタンダードな住宅と言えるでしょう。
そとん壁がサスティナブル住宅に貢献する理由
そとん壁がサスティナブル住宅に貢献する主な理由は、以下のとおりです。
- 100%天然素材で人体や地球環境に優しい
- 優れた機能性で省エネ効果が高まる
- 塗り替えが不要で長持ちする
- メンテナンスコストが抑えられるので家計に優しい
これらの特徴があるそとん壁は、まさに人・社会・環境に優しい建材です。そのため、そとん壁は、サスティナブル住宅に貢献する外壁材と言えるでしょう。
他にも省エネ性能や環境に配慮した住宅として、ZEH住宅やパッシブハウスなども注目されています。
高性能でメンテナンス性に優れたそとん壁は、今後より積極的に住宅に取り入れられていくでしょう。
そとん壁に関するFAQ3選
そとん壁に関して悩みやすい部分をまとめました。
そとん壁は何年くらい持つの?
そとん壁は、適切なメンテナンスを行うことで、25~30年も長持ちすると言われています。主原料である火山灰が持つ耐久性と、通気性による湿気の影響を受けにくい構造によるものです。
しかし、環境やメンテナンス状況によって劣化の速度は異なります。例えば、日差しや雨風の影響を受けやすい場所では、10年程度で再塗装が必要になる場合もあるので注意しましょう。
そとん壁を導入すると後悔する?
そとん壁は、独特の風合いと機能性で人気が高い外壁材ですが、導入後に後悔するケースも存在します。主な理由は、初期費用が高額であること、ひび割れなどのメンテナンスが必要であること、色のバリエーションが少ないことが挙げられます。
また、調湿効果が高い反面、湿気の多い地域では苔やカビが発生しやすいため、注意が必要です。導入前にメリットとデメリットをしっかりと理解し、自身の住宅環境やライフスタイルに合致するかを検討しましょう。
そとん壁の施工方法は?
そとん壁の施工は、下地処理、下塗り、中塗り、上塗りの工程で行われます。
まず、下地となるモルタル壁に接着性を高めるための下塗り材を塗布します。次に、専用の上塗り材をコテを使って均一に塗り広げ、乾燥させます。最後に、仕上げ材を塗布して表面を保護し、色調を整えます。
施工には熟練した技術が必要となるため、専門業者に依頼することが一般的です。施工期間は、天候や施工面積にもよりますが、一般的には1週間程度かかります。
そとん壁を使った施工は空間工房LOHASにお任せください!
そとん壁の特徴やメリット・デメリットについて解説しました。天然素材であり優れた機能性を兼ね備えたそとん壁は、これから注目されつつあるサスティナブル住宅に、大きく貢献する外壁材と言えるでしょう。
そとん壁やサスティナブル住宅を検討する際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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著者情報
望月広巳
営業部部長。実際に家を建てる方が「暮らしを愉しむ」ために理想の暮らしをヒアリングしながら、個性やライフスタイルに合わせた設計の提案が得意です。自身でも普段の生活で日本酒やお料理、子育てを愉しむことを通してお客様に合ったプランをご提案できるように努めています。
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