今話題の床下エアコンは、市販されている家庭用エアコンを用いることで、設置コストを抑えることができる、直接エアコンの風があたらない、メンテナンスがしやすいなど、多くのメリットがあります。
今回は、床下エアコンのメリットと設置する際に気をつけておきたい3つのポイントについてご紹介いたします。
Contents
床下エアコンとは?
床下エアコンとは「床下から各部屋に設置された吹出口へ快適な空気を送る空調システム」のことです。
エアコンは通常、1部屋に1台、各部屋の壁の高い場所に設置するものですが、床下エアコンの場合は1階の床に近い部分に設置し、1台のエアコンで家全体の温度を調整します。
床下エアコンには
- 市販の家庭用エアコンを用いるため、コストが抑えられる
- エアコンを設置していない部屋の温度を調整できる
- 無垢の床材を使うことができる
- 風が直接当たらない
- メンテナンスがしやすい
などというメリットがあります。
床下エアコンのメリット
床下エアコンのメリットについて、紹介していきます。
市販の家庭用エアコンを用いるため、コストが抑えられる
床下エアコンは、市販の家庭用エアコンを用いるため、空調システムや床暖房などに比べると、システムや設備を設置する際の初期費用を抑えることができます。
エアコンを設置していない部屋の温度を調整できる
床下エアコンは、吹出口を設けることで、エアコンを設置していない部屋にエアコンの暖気や冷気を送り出すことができます。
そのため、エアコン1台で、室内温度を快適に保つことができます。
無垢の床材を使うことができる
床暖房の場合、床暖房に対応した床材を用いる必要があり、無垢材を床材に使うことは不向きとされています。
床下エアコンでは、使用する床材の制限がないため、無垢材を床材として使うことができます。
風が直接当たらない
床下エアコンは、エアコンからの風を床下に送り出すため、風が直接体にあたることがありません。
メンテナンスがしやすい
エアコンのフィルターを定期的にお手入れするだけなので、メンテナンスがしやすいことも床下エアコンの特徴のひとつです。
また、エアコンは床付近に設置するため、脚立やいすを使う必要がなく、ラクにメンテナンスをすることができます。
床下エアコンを設置する際に気をつけたい3つのポイント
住まう人が快適に過ごすためには、家の中の室温を20℃~23℃に保つことが大切です。
そのため、床下エアコンは、小型の家庭用エアコンの室温設定を20℃~22℃にして、常に運転させることが前提となります。
しかし、エアコンをつけっぱなしにしておく上で、やはり気になるのは電気代です。快適に過ごすために床下エアコンを設置しても「電気代が気になって、寒くても我慢してしまう……」というのでは、快適に楽しく毎日を過ごすことができません。
そのため、エアコンをつけっぱなしにして、家のどこにいても快適でありながら、電気代が家計の負担にならないようにするためには、効率よく、省エネルギーでエアコンを稼働させるための設計や施工の工夫が大切になります。
床下エアコン設置時の3つのポイント
床下エアコン設置時には、次の3つのポイントがあります。
リモコンはワイアードリモコンを用いる
床下エアコンは、収納の中やルーバーを取り付けたスペースなどにエアコンを設置するケースが多くあります。
このような閉じた空間にエアコンを設置すると、エアコンから吹き出した風がルーバーなどにあたってはね返り、吹き出したばかりの風の温度を室温だとエアコンが認識してしまいます。
そのため、実際には、まだ部屋の中は、設定温度になっていないのに、エアコンが稼働していないということも少なくありません。
これは、家庭用エアコンのほとんどは、室内の温度を認識する温度センサーがエアコン本体の吹出口近くについているために起こる現象です。エアコンに室温を正しく認識してもらうためには、ワイアードリモコンを設置する必要があります。
床下エアコンを設置する際には、ワイアードリモコンに温度センサーがついている機種を選び、リビングなど、実際の暮らしの中心になる場所にリモコンを設置するとよいでしょう。
床下にムダなく風が入るようにする
床下エアコンを設置する場合、電気代を抑えるために、風量をできるだけ少なく運転するようにエアコンを設定すると、風力が弱いため、風を床下にうまく送れなくなる可能性があります。
エアコンと風を送り出す床下の開口の間に、カバーのようなものを設置することで、床下に無駄なく風を送り出すことができます。
ブースターファンを採用する
床下エアコンを設置する際に、容量の小さいエアコンを採用し、省エネのために風量を小さくして運転させると、カバーなどを取り付けても、遠くの部屋まで風がうまく届かない可能性があります。
また、風が吹き出す反対方向にある部屋は、風が届きにくい上、床下部分は各部屋の間にある基礎の立ち上がりがあり、床に風を送り込んだ際に、風を遮ってしまうこともあります。
そのため、効率よく、建物全体に床下エアコンの暖気や冷気を送り出すためには、ブースターファンを取り付ける対処法があります。
ブースターファンは、床下の空気を取り入れる部屋の通気口とファンが一体のようになっているため、エアコンによる暖気や冷気を部屋に取り入れることができます。
ブースターファンは風量が調整できるタイプのものを選ぶとよいでしょう。
床下エアコンを設置するなら、高気密高断熱+熱交換換気システム+自然素材の家
床下エアコンを設置するだけは、快適な住空間は実現できません。
床下エアコンを効率よく活用するためには、気密性や断熱性が高いこと、そして、換気システムに熱交換型タイプのものを採用することが前提となります。
高気密であること
床下エアコンは、床下・基礎・土台廻りの気密性が重要となります。
床下エアコンを設置しても、床下の気密性が確保されていなければ、エアコンから送り出された暖気や冷気が外部に逃げてしまい、他の部屋に送り届けることができません。
床下エアコンを設置する際には、気密性を確保すること。C値が0.5以下の高気密な家であることが前提となります。
高断熱であること
断熱性能が確保されていなければ、床下エアコンの冷暖房性能がうまく発揮できない可能性があります。
基礎の部分の断熱性が低いと、エアコンの暖気や冷気が基礎のコンクリートに熱を吸収されてしまうため、基礎のコンクリートの上に断熱材を敷いて、エアコンの暖気や冷気を基礎に触れさせないようにするなど、熱を奪われない工夫が必要です。
また、床下エアコンを設置するなら、家の断熱性能が省エネ等級6以上であることが前提となります。
高換気であること
一定性能以上の高気密・高断熱性能に加えて、換気時の熱ロスを少なくするための第一種熱交換換気システムを採用することも重要です。
熱交換型換気システムは、換気の際に室内の暖気や冷気を逃さず、湿度を調整しながら換気するため、小型の家庭用エアコン1台で快適な住空間を実現します。
空間工房LOHASで実現する快適な住空間のご紹介
床下エアコンを用いた快適な住空間も空間工房LOHASで実現できます。
実際に、床下エアコンを採用した施工事例をご紹介します。
【施工事例】富士市のパッシブハウス基準で設計した情緒あるデザインの高気密高断熱住宅
『富士市のパッシブハウス基準で設計した情緒あるデザインの高気密高断熱住宅』は「ローエナジービルディング」と呼ばれる省エネ住宅の世界基準の「パッシブハウス基準」で設計された究極のエコハウスです。
冬は床下エアコンで冬場足元から温かく、夏は2階のホールの小型エアコンで涼しく、家の中を快適な温度に保つことができます。
高い気密性と断熱性によって、省エネでありながら、1年をとおして快適に過ごせる家となっています。
延床面積:100.19㎡(約30.25坪)
耐震性能:耐震等級3,断熱性能:Ua値(外皮性能):0.28W/㎡・K(省エネ等級6+),c値(気密性能):0.13㎠/㎡,換気性能:第一種熱交換換気・ 澄家
【仕様】屋根:ガルバリウム剛板, 外壁:そとん壁+焼杉, サッシ:プロファイルウィンドー, 樹脂サッシEWトリプルガラス、床:富士ひのき・叩き風土間洗い出し, 内壁:珪藻土フラッシュクリーン・杉板貼り,天井:ひのき小幅板貼り・珪藻土クロス、洗面化粧台:モールテックスオリジナル, 家具:造作ソファー,オリジナルキッチン作業台, 建具,:オリジナル建具,吉村障子
まとめ
床下エアコンを効果的に用いるためには、高気密高断熱、そして、熱交換換気システムの家であることが必要です。
空間工房LOHASの「高気密高断熱+高換気の家」なら、床下エアコンを採用した快適な家を実現できます。
床下エアコンを採用した家を検討しているなら、ぜひ空間工房LOHASにご相談ください。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→パッシブハウスin静岡,富士宮市
静岡県で、省エネ性能の高いパッシブハウスをお考えなら、空間工房LOHASにぜひご相談ください。
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