毎日の暮らしは、快適に暮らし、健やかに過ごしたいものです。
小さなお子さんがいらっしゃる家族は、もちろんのことでしょう。
では、住宅を快適にするための工夫とは、どのようなことでしょうか?
今回は、「バリアフリー」ということにフォーカスをし、解説します。
Contents
バリアフリー住宅とは?ユニバーサルデザインとの違いについて、まとめました
最初に、バリアフリーとユニバーサルデザインとの違いについて、まとめます。
バリアフリーとは?
1950年代にデンマークの社会省の担当官であったニルス・エリク・バンク-ミケルセンで、当時、隔離的に収容されている知的障がい者の実態に触れたことをきっかけに、1959年の『知的障がい者福祉法』の制定につながり、この法律でノーマライゼーションという言葉が世界で初めて用いられました。
引用:秋田県
バリアフリーという考え方は、北欧が発祥の概念です。
内閣府では、「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進要綱」を立案しています。
その基本的な考え方の一つとして
我が国は、65歳以上の高齢者が人口の2割を超えており、さらに、出生率も1.32(平成18年の合計特殊出生率)となるなど、世界でも有数の少子高齢化社会であり、今後、人口減少という局面の中で更なる少子高齢化の進行が見込まれる。その中で、生活に障壁(バリア)を感じないよう対応を必要とする人は、今後、さらに多くなるものと考えられる。
引用:内閣府/バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進要綱より
ということが、一番最初に、述べられています。
少子高齢化社会にとって、とても大切な概念であることが理解できます。
この推進要綱は、“ユニバーサルデザイン”が加わっていますが、バリアフリーとどのような違いがあるのでしょうか?
ユニバーサルデザインとの違いについて
国土交通省では、バリアフリーとユニバーサルデザインのそれぞれの定義を発表しています。
・バリアフリー
障害のある人が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去するという意味で、もともと住宅建築用語で登場し、段差等の物理的障壁の除去をいうことが多いが、より広く障害者の社会参加を困難にしている社会的、制度的、心理的なすべての障壁の除去という意味でも用いられる・ユニバーサルデザイン
バリアフリーの障害によりもたらされるバリア(障壁)に対処するとの考え方であるのに対し、ユニバーサルデザインはあらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方
引用:国土交通省/障がい者基本計画
つまり、「障害」ということにフォーカスしたバリアフリーに対して、
ユニバーサルデザインは、特定せずにみんなが最初から使いやすいようにデザインする、
といった違いでしょうか。
しかし、この二つの共通点として、快適さへの追求であり、あまり対比させるものではないと思います。
なお、ユニバーサルデザインの考え方はアメリカで生まれました。
アメリカの大学で建築などの研究をされていた、ロナルド・メイス教授が1980年代に広めたものです。教授は幼い頃の病気がもとで、電動車いすを使って生活をしていました。
当時のアメリカでは「バリアフリー」という考え方がさかんに使われていました。
引用:神戸市
バリアフリー住宅を検討するうえで、押さえておく3つのポイント
バリアフリーに対応した「バリアフリー住宅」は、幅広い世帯や人達にとって、快適に暮らすための住宅といえます。
それでは、具体的にどのようなことに意識するとよいのでしょうか?
3つのポイントを解説します。
段差・転倒防止
最初に、「つまずく」「転倒」「すべる」といったケガや事故を防ぐことが大切です。
そのため、
・リビングや居室では、
床の段差や素材、ゾーニングが分かるように床材の貼り分け
・階段やトイレでは、
高低差に対して体で対応する必要があるため、
体のバランスを崩さないように手すりを補助的に設置することが大切です。
・玄関廻りでは、
引き戸にして幅を確保することで、車いすでも、行き来がしやすくなります。
上り框の段差を低くする、スロープを採用するなど検討しましょう。
広さ・高さ
広さとは、
・人と人との距離感や廊下、玄関のように移動する箇所の幅を広くする
・動線を意識して、居室すべてを直接つなげるような工夫をする
といった、二つの要素が大切です。
高さは、
・浴室の浴槽の高さ(“またぎやすいかどうか”もポイント)
・洗面台
・キッチンの高さ
作業のしやすさや使用しやすいかどうかを検討する必要があります。
温度差
室内の温度差は、ヒートショックによる体調変化や身体活動の活性化などに影響します。
また、湿度の差は、結露をまねきます。カビやダニの原因にもなりますので、高気密・高断熱を検討することをおすすめします。
バリアフリー住宅における、平屋でのポイント
バリアフリー住宅と平屋は、とても愛称のよい設計です。
ここでは、平屋を設計するにあたってのポイントを解説します。
主要な要素は1階に集約されるというメリットがあります
リビング・ダイニングやキッチン、寝室とトイレの動線をスムーズにでき、フラットな状態で生活ができる平屋は、バリアフリー住宅には理想形といえます。
2階以上の住宅のような階段の段差や高低差を気にすることなく、
玄関から居室までの距離を短くする、通路幅を広くするなどの工夫をするとよいでしょう。
二世帯住宅に合っています
平屋は、二世帯住宅にとても合っています。
・それぞれの世帯がお互いに、フラットな環境で、動きやすいこと
・玄関を真ん中にし、左右でそれぞれの空間づくりができること
特に、トイレやキッチンは、それぞれの世帯、別々だと便利です。
バリアフリー住宅の補助金・助成金、減税制度(新築)
バリアフリー住宅での補助金・助成金は、主にリフォームでの制度があります。
今回は、新築において、バリアフリー住宅で利用できる制度について、まとめます。
「バリアフリー住宅」に関連する制度が、いくつかあります。
国の補助金・助成金事業などの活用
国の支援制度は、2050年のカーボンニュートラルを目指すことを背景に、補助金・助成金事業を行っています。
省エネ住宅であることが、その対象ですが、
当然、「バリアフリー性」が問われます。これまでに記載した通り、バリアフリーとは、特に段差に限らず、ヒートショックによる影響にも関わります。
家づくりを検討する際に、確認してみると、よいでしょう。
自治体による同居・近居支援助成金の活用
二世帯や三世帯で同居することを条件に、奨励金制度として補助している自治体があります。
例えば、静岡県富士市では、「多世代同居・近居支援奨励金制度」があり、最大30万円を新築・リフォーム工事の補助として利用できます。
フラット35S
フラット35Sにおいては、バリアフリー性の基準により、金利プランが定められています。
出典:住宅金融支援機構/フラット35HPより
バリアフリー性に関する基準(高齢者等配慮対策等級4(共同住宅の専用部分は等級3))の概要
まとめ
今回は、バリアフリー住宅で押さえておく3つのポイント、補助金・助成金についてなどを解説しました。
実際のモデルルームや完成見学会などといった商品を体感し、家づくりを検討するとよいと思います。
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実際に北欧デザインの家具を見て触って体感していただくことができます。
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