マイホームはいつのタイミングで買うべきか・・・。
それぞれの価値観で考えも異なることは間違いありませんが、家は高額なためいろいろと検討しながら決めたいものです。
今回は、住宅購入者データ(主に注文住宅)や子育て世帯への意識調査を元に、家を買うタイミングがどんなものかを分析・解説します。
Contents
データでみる・家を買うタイミング(1)市場データを参考にする
図1:不動産価値指数(住宅)令和5年2月分・季節調整値※2010年平均=100
最初に、不動産価格指数を確認します。2010年を平均100としていますが、それ以降は上昇傾向にあります。エネルギーや建築資材などの価格高騰が要因の一つとして挙げられます。
コロナ禍は落ち着いてきましたが、ウクライナ情勢の影響は続くとみられ、住宅価格が下がるかどうかは未知数です。
住宅ローン・金利の動向
図2:フラット35・借入金利の推移(最低~最高)令和3年4月から/令和5年5月1日現在<借入機関が21年以上35年以下、有志率が9割以下、新機構団信付きの場合>
図3:民間金利機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)
フラット35借入金利の推移及び民間金融機関の住宅ローン金利推移です。変動金利型は2009年辺りから横ばいのままで、金利上昇の動きがみられていません。
2023年4月、日銀は金融政策決定会合を開き、金融緩和策を維持する方向で決定しましたが、今後の動向が注目されます。
住宅地の地価公示・地価変動率
図4:住宅地変動率プラスとマイナスの都道府県比較
図5:住宅地の変動率一覧
令和5年発表の地価公示の特徴として、都市中心部などでは住宅需要は堅調とされており、郊外部にも上昇範囲が拡大しています。コロナ禍が落ち着き、景気は緩やかにでも持ち直しているという評価です。
低金利環境の継続も影響している、とされており、不動産価格指数が上昇傾向だからといって、一概に買い時では無いとはいい切れません。
地価変動率では、静岡県は平成26年以降下落が続いています。これだけみると買い時とも取れます。
データでみる・家を買うタイミング(2)購入者データより
市況をみて判断することは大切です。しかし経済や社会情勢は確認しつつも、ご家族とのライフステージでのタイミングをみて、マイホームを検討することをおすすめします。
ここでは、住宅購入者(主に注文住宅)データを紹介していきます。マイホームを検討するにあたり、参考になればと思います。
住宅取得時に経済的要因が与えた影響度
図6:全国で住宅取得時に経済的要因が与えた影響度
経済的要因が与えた影響としてはどんなことかというと「従前住宅の売却価格」と答えています。次に多い回答が、「税制などの行政施策」や「金利動向」で、「景気の先行き感」がもっとも影響としては低いという結果になりました。
一次取得者・世帯主の年齢層
図7:一次取得者・世帯主の年齢(住宅の種別※注文住宅は建替えを除く)
注文住宅での一次取得者年齢層は、30歳代が45.1%ともっとも多く、続いて40代が22.6%です。平均年齢は39.5歳でした。
一次取得での購入資金や年収
購入資金
図8:一次取得者の購入資金と自己資金比率
土地及び住宅建築資金では、30.6%が自己資金比率となっています。借入金でもっとも多いのはフラット35以外の民間金融機関でした。
年収
図9:世帯年収と平均世帯年収
600万~800万未満の世帯が最も多く、続いて400万~600万未満の世帯。800万~1,000万未満の世帯が年々微増しています。
住宅ローン
金利タイプ
図10:民間金融機関借入金の金利タイプ(平成30年度~令和4年度)
民間記入機関からの借入金の金利タイプでもっとも多いのは、「変動金利型」です。この傾向は年々強くなっており、平成30年度と比較して25ポイント以上も増えている結果となっています。
住宅ローンの負担感
図11:住宅ローンの負担感
住宅ローンの負担感としては、57.5%が「少し負担感」があると答えています。「非常に負担感がある」は少数ですが、微減していっています。
従前の家賃
図12:住み替え前の住宅の月額家賃と平均月額家賃(平成30年度~令和4年度)
従前の家賃平均は、73,843円ですが、ボリュームゾーンである5万円以上7.5万円未満は減少しており、母数はまだまだ少ないものの10万円以上のゾーンが増加傾向にあります。
延べ床面積
図13:住み替え前と後の延べ床面積
延べ床面積は、125.9㎡で、過去5年でもっとも広い結果です。
年間負担額
図14:住宅ローン年間返済額と返済負担率
住宅ローン年間返済額は、平均で174万円と上昇傾向になります。しかし、年収に対する住宅ローンの返済負担率は低下しています。
データでみる・家を買うタイミング(3)子育て世帯の現状と希望
ここからは、子育て世帯のマイホームに対するニーズや希望について紹介します。
希望する居住形態と子育て世帯の住宅の種類
図15:希望する居住形態と子育て世帯の住宅の種類(世帯人員ベース)
希望する居住形態全体では、戸建てや共同住宅を合わせて78.1%が持ち家という結果になりました。末子が小学6年生までのどのステージも、共同住宅が増加傾向になるものの、持ち家全体ではほぼ変わりません。
また、子育て世帯の住宅の種類では、子どもが大きくなるにつれて持ち家比率は高くなっています。
住まいのニーズ
図16:子育てにおいて重要と思う要素
子育てにおいて重要と思う要素では、住宅そのもののニーズは合計33.8%で、特に安全・安全であることが重要とされています。住環境のニーズとしては、41.2%が生活利便性となりました。
同居か近居か
図17:子育て世帯における親世代と子世代との同居・新居等
かなりの割合で近居と答えています。末子の年齢問わず、ほぼ同じ傾向といえるでしょう。
まとめ
今回は、住宅購入者データ(主に注文住宅)や子育て世帯への意識調査を元に、家を買うタイミングについて分析・解説しました。
不動産価格指数は上昇しているものの、購入者データの住宅取得時の経済的要因が与えた影響度では、「税制などの行政施策」や「金利動向」を重視していました。おそらく、それぞれのライフステージで的確な時期にマイホームを持ちたい、という意志の表れかと思います。
また、“データでみる・家を買うタイミング(3)子育て世帯の現状と希望”では、住宅購入者では無い子育て世帯層のデータを用いて解説しましたが、いかに希望する居住形態として持ち家(戸建て)が多いかということもわかりました。
今回のデータを一つの参考にしていただき、今後の家づくりを検討してみてはいかがでしょうか。
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