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【省エネ性能】UA値とは?Q値とは?計算方法は??説明義務って何?

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高気密高断熱の家は寒いのか?
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高気密高断熱の家は寒いのか?

2021年4月から。改正省エネ法の「説明義務」について

 

近年、断熱性能や気密性能をグンと上げている「高気密高断熱住宅」が増えてきましたね。

個人的にはすごくうれしいことだと思っています。

ただ、実は 日本の住宅って世界基準で比べるとだいぶ遅れている んです。

たとえば、日本の住宅の寿命は一般的に約30年と言われていますが、アメリカやヨーロッパの国では日本の2倍以上の寿命です。

断熱性能も各国で最低基準があり、その基準に達していないと建築許可すらおりない こと、知っていましたか?

ちなみに 日本にはそのような決まりは現在のところありません。2020年から義務化(改正省エネ基準義務化)が始まる予定でしたが始まらず、1年遅れて20214月から説明の義務化が始まります。

なぜ見送りになったのか?
・・・体制が整わないとか、建設業者の方でスキルが追い付ていないとか色々言われております・・・

4月から始まるのは説明の義務化。建築士から省エネ性能について説明がされることになるのですが、絶対に基準を満たしていなければならないということではなく、「説明の義務」というところがミソ。

例えば、

 建築士 「あなたの家は基準に達していないので、基準を満たすために断熱材と窓の種類を変更します。その際、追加金額は〇〇〇円です」

 お施主様「そんなにお金がかかると予算オーバーなので、今回は見送るよ」

 建築士 「わかりました。それでは、その旨を書面にしましたので、こちらにサインをお願いします」

 お施主様「はい。」

 

上記は極端な話ではありますが、このようなやり取りが成立してしまうこともあります。

あくまでも説明の義務化であり、建築士は適合するための説明・努力義務まで求められています。

 

もっと知りたい方は、コチラ:(国土交通省のホームページ、マンガが分かりやすいよ!)

 

省エネ性能の基準は、今後ますます厳しくなっていくことが予想されているのに、現在の基準にすら達することができないなんて。家づくりに携わる者としては、正直心が痛みます。

このようなことが起こらないためにも、我々建築士だけではなく、住まい手の方にも判断基準をもっていただきたいのです。

 

・どのくらいの性能にしておけばよいのか?

・性能が低いとどうなってしまうのか? 等々。

 

高気密高断熱というのは、気密性能が良くて断熱性能が良いこと。

今日は、その中で「断熱性能 UA値」についてお話させていただきますね。

また、高気密高断熱の全体的な解説はこちらにまとめてありますのでこちらも読んでみてください。

 

 

https://www.kobo-lohas.jp/post-11707/

 

 

UA値=外皮平均熱貫流率


UA値とは断熱性能の基準で、ユーエーチと呼びます。建物外周部から逃げる熱量をあらわしています。

建物から熱がどれだけ逃げるかを計算することにより、断熱性能のレベルを確認します。建物から逃げていこうとする熱はとても厄介で、いたるところから逃げていこうとします。屋根、壁、床、開口部 すべてです。

一見密着しているような部分でも、金属製の金物など熱が伝わりやすい部分(熱橋)からもどんどん熱が逃げて行っていまします。

屋根、壁、床、開口部など、外気に触れている部分を総称して「外皮(がいひ)」と呼び、外皮の構成の合計を逃げていく熱量で割ることにより求めることができます。

 

UA[W/㎡・K] = 建物全体の熱損失量の合計[W/K] ÷ 総外皮面積[]

 

数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いといえます。

 

※外皮、外皮面積[]とは?

 

外皮とは、建物外周部の部分のこと。

UA値を計算する際の外皮とは、屋根、外壁、外気に接する床、開口部、土間床の水平部を対象としています。

 

値=熱損失係数


UA値と似たような指標で、Q値(キューチ)というものもあります。こちらはUA値が一般化する以前によく用いられていた指標です。

 

Q[W/㎡・K] = 建物全体の熱損失量の合計(換気含む)[W/K] ÷ 総床面積[]


やはり、数値が小さいほど断熱性能が高いといえます。

UA値とQ値は同じ断熱性能をあらわす指標なのですが、いくつか違いがあります。

 

 

UA値とQ値の違い:大きく2つ!


①計算方法が異なる

UA値 熱損失量 ÷ 総外皮面積

Q値 熱損失量 ÷ 総床面積

 

1点目は「外皮」と「面積」の違いです。

面積だけの比較だと、高さが考慮されておらず、天井の高い家と低い家が同じ計算結果になることもあり得ます。一方、外皮で計算することにより、天井高さや形状まで考慮でき、実際に近い内容で計算することができます。

Q値は面積での計算になるので、総床面積が小さい建物の方が数値が高くなりやすい傾向です。

高気密高断熱の家は寒いのか?Q値のイメージ
(面積が関係する)高気密高断熱の家は寒いのか?UA値のイメージ
(外皮が関係する)

 

 

換気による熱損失量の考慮

UA値もQ値も「熱損失量」の割合を計算することは同じなのですが、その熱損失量の中に換気による熱損失量を考慮するかしないかの違いもあります。

UA値 換気による熱損失量を考慮しない

Q値 換気による熱損失量を考慮する

値では換気を考慮しているので、一見良さそうですが、建物形状によりかなりの誤差が生じてしまいます。

 

 

UA値で検討する方が主流!

現在はUA値での計算が主流です。やはり、外皮を考慮しているのが大きいからではないでしょうか。

その際、②換気による熱損失が考慮されていない状況になりますので、換気関する検討は別途必要になります。

換気の話は今度改めてお話ししますね。

 

 

まとめ

高気密高断熱の家は寒いのか?

UA値で計算するのが主流

UA値では換気による熱損失が考慮されていないため、別途換気計画について検討する必要がある。

 

 

 

 

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