近年夏の暑さは厳しさを増し、気温が35度を超す猛暑日も増えています。
暑い日に、エアコンをつけていても「外よりも家の中が暑い」といった経験がある人もいるのではないでしょうか。
夏に外より家の中が暑くなる理由はいくつかあり、住環境を整えることで暑さ対策ができます。
今回の記事では、夏を涼しく過ごすための暑さ対策や、エアコンを上手く使って光熱費を抑えるコツをご紹介します。
暑い夏でも快適に過ごせる新築を検討している方は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 外より家の中が暑い理由
- 夏を涼しく過ごすための暑さ対策
- エアコンを上手く使って光熱費を抑えるコツ
Contents
外より家の中が暑い3つの理由
夏の暑い日にエアコンをつけていても室内が暑いのは、どうしてなのでしょうか。
家の中が暑くなる理由として、家の構造や窓の配置などの住環境によるものが挙げられます。
ここからは、外より家の中が暑くなる理由をご紹介します。
1.屋根や壁から熱が放出される
暑い日に外より家の中が暑くなる理由の一つに、屋根や壁から熱が放出されることが挙げられます。
屋根や壁に使用される、コンクリートや鉄は熱を伝えやすい建材です。
太陽光が屋根や壁に当たると熱を貯め込み続け、夜になると部屋へ放出されるため外より家の中が暑くなります。
2.部屋の中に入った熱がこもっている
夏場は外から部屋の中に入った熱がこもり、外に逃げていかないことにより家の中が暑くります。
外からの熱は屋根や壁、窓、床などから入り込みます。
さらに家の中は壁や屋根に密閉されているので、室内が暑くなると熱がこもる原因に。
とくに日当たりの良い「南向き・西向き」の家は、熱を取り込みやすくなります。
最も熱が侵入する窓の近くは、エアコンを使っても涼しくならないケースもあります。
3.家の中の湿度が高い
夏場に夕方家に帰ると、モワっと暑く感じた経験のある人は多いのではないでしょうか。
日本の夏は高温多湿のため、窓を閉め切っていると熱と湿気をこもらせてしまいます。
夏場の室内は、熱気と湿気で蒸し風呂のような状態になることも。
窓を閉め切って密閉された室内は、外よりも蒸し暑く感じるでしょう。
除湿器や冷房の除湿機能を活用して、湿度対策を行うのがおすすめです。
夏に外より家の中が暑いことによって起こるリスク
夏場に外よりも家の中が暑いことによって、どのようなリスクが起こるのでしょうか。
蒸し暑い家の中は、熱中症によるリスクが高まると言われています。
総務庁のデータ「熱中症による救急搬送の状況(令和5年度5月~9月)」によると、熱中症による救急搬送の40%近くが屋内で発生しています。
とくに「部屋の中の温度と湿度が高く、風通しが悪いこと」や「長時間水分補給をしていない」といった状況の場合熱中症リスクが高くなる傾向に。
外よりも家の中が暑い場合には、熱中症になりやすいので注意しましょう。
夏を涼しく過ごすための5つの暑さ対策
近年、日本では気温が35度を超す猛暑日が増え、室内の熱中症リスクが高まっています。
夏場に室内で涼しく過ごすためには、どのような対策をしたら良いのでしょうか。
1.カーテンを閉めて直射日光を遮る
夏場に室内に熱がこもりやすいのは、太陽光が室内に入り込むことが原因です。
とくに窓から入る熱の量は多いと言われており、一度室内に入った熱はなかなか外に逃げにくくなります。
窓から入る直射日光を遮断するには、カーテンを閉めるのが有効です。
カーテンを遮光カーテンやUV加工の素材にすると、より高い遮光効果を得られます。
夏場はサンシェードやグリーンカーテンで外からも遮光すると、より効果的な暑さ対策が可能です。
2.換気をして風通しを良くする
カーテンで窓からの直射日光を遮断したとしても、屋根や外壁、床、換気扇などからの熱を防ぐことはできません。
部屋の中に熱がこもった際は、換気をして風通しを良くしましょう。
窓を開ける時間帯は、直射日光の当たりにくい朝方や夕方以降がおすすめです。
室内の対角線上に配置された窓やドアを開くと、風の通り道ができて効率的に換気ができます。
3.住宅の遮熱性を高める
住宅の遮熱とは、外からの熱が室内に入り込まない機能のことです。
家全体の遮熱性を高めると、室温が上がりにくくなるため夏場でも快適に過ごせます。
家の遮熱性は屋根や壁、窓の断熱工事により機能を高められます。
とくに窓からの熱が入り込みやすいため、窓を断熱窓にしたりガラスに遮熱シートを貼ったりすると効果的に暑さ対策が可能です。
4.照明をLEDにする
家の照明をLEDにすることも、暑さ対策になります。
白熱電球は、電気エネルギーを熱に変える仕組みが使われているため熱を発します。
一方LED電球は電気エネルギーを直接光に変換するため、熱を必要としません。
家の照明をLEDに変えることで、部屋の温度上昇を防ぎます。
また、LED照明は、光熱費が安く抑えられるのもメリットになります。
5.省エネ住宅を検討する
新築住宅を建てる場合は、省エネ住宅を検討すると良いでしょう。
省エネ性の高い住宅は冷暖房のエネルギー消費を抑えて、部屋の中を快適な温度に保ちます。
省エネ住宅は断熱性と日射遮蔽の機能が高いため、夏は室外からの熱が室内に侵入しにくいのが特徴です。
断熱性や日射遮蔽の機能が高い住宅は、エアコンの効きが良くなり夏の暑さ対策がしやすくなります。
省エネ住宅の詳細については、以下の記事にて解説しているので併せて詳細をチェックしてみてください。
エアコンを上手く使って光熱費を抑える5つのコツ
夏の室内の暑さにより、エアコンをフル稼働している人も多いのではないでしょうか。
エアコンは家の暑さ対策に有効ですが、使いすぎると光熱費がかかるのが難点です。
ただし、エアコンを上手く使うことで、効率的に部屋を冷やし光熱費を抑えられます。
ここからは、エアコンを上手く使って光熱費を抑えるコツをご紹介します。
サーキュレーターを併用する
エアコンを使用する時はサーキュレーターを使うと、冷えた空気を循環させ部屋を快適な温度に保ちます。
とくにエアコンをONにし起動した時は、部屋の温度を一気に下げようとするため電気を多く使う傾向に。
エアコンをONにすると同時にサーキュレーターを併用すると、下に溜まりがちな冷気を循環させられます。
エアコンとサーキュレーターを同時利用することで、効率良く部屋を涼しくした上で光熱費も抑えられます。
エアコンのON/OFFを頻繁にしない
エアコンのON/OFFを頻繁にしないことも、電気代節約につながります。
エアコンは起動時に部屋を冷やす力を使うため、最も電気代がかかります。
頻繁にON/OFFを繰り返すよりも、自動運転で継続させた方が光熱費はかかりません。
就寝時にエアコンのOFFタイマーをかける際は、1時間にセットすると暑さによりまたONにする可能性があります。
就寝時のOFFタイマーは十分に部屋が冷やされる3~4時間にセットすると、電気代を抑えられます。
設定温度を高めにする
エアコンは外気温とエアコンの設定温度に差があると、電力を使います。
エアコンの起動時は低い温度設定で部屋を冷やし、しばらくしてから設定温度を高めにすると良いでしょう。
エアコンの冷房は、設定温度を1度上げるだけでも10%近い節電になると言われています。
エアコンの設定温度は28度を目安にすると節電できると言われますが、設定温度が高いと暑く感じる人もいるでしょう。
サーキュレーターやシーリングファンを併用すると、設定温度が高めでも快適に過ごせます。
エアコンの除湿機能を使う
エアコンの除湿機能も、光熱費を抑えるのに有効です。
エアコンの起動時に冷房設定で部屋を冷やした後、節電効果のあるドライ・除湿機能で室温をキープできます。
最近のエアコンには使用電力の低い除湿機能が備わっている機種が多いため、節電を意識する使い方が可能です。
フィルターの掃除をする
エアコンのフィルターにゴミやホコリがついていると、エアコン本体に負荷がかかり電気代がかかります。
フィルターのゴミはエアコンの本来のパワーを落とし、寿命を短くする可能性もあります。
エアコンを効率的に使用するためには、こまめにフィルター掃除をするようにしましょう。
掃除機能のある「お掃除付きエアコン」も販売されていますが、すべての汚れが落とせるわけではありません。
お掃除機能がついているエアコンであっても、通常のエアコンと同じようにフィルター掃除をすることをおすすめします。
暑い夏を快適に過ごせる省エネ住宅とは?
日本の暑い夏を快適に過ごすには、新築を建てる際に省エネ住宅を選ぶのもおすすめです。
断熱性や気密性の高い省エネ住宅は、1年中室内で快適に過ごせます。
ここからは、夏でも涼しく過ごせる省エネ住宅をご紹介します。
ZEH住宅
ZEH住宅は「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、省エネと太陽光発電などの創エネによって年間の消費エネルギーゼロを目指す家のことです。
ZEH住宅は高断熱、高気密で外皮性能が高く、エアコンの使用頻度や使用時間を抑えられるため光熱費を削減できます。
高い断熱効果のあるZEH住宅は、室内を一定の温度に保つため熱中症やヒートショックのリスクも軽減できます。
太陽光発電やエコキュートの設置により、エネルギーの自家消費や光熱費削減ができるのも魅力です。
パッシブハウス
パッシブハウスとはドイツのパッシブハウス研究所が確立したメソッドです。
土地の気象データを基に最適な省エネ住宅を導きだすことが可能となり、省エネ住宅の世界基準と言われています。
パッシブハウスは自然の光や風などのエネルギーを上手く活用することで、エアコンなどの設備に頼らず一年中家の中を快適な温度に保てます。
断熱材や断熱窓、高機能の換気システムを用いることで、家の中の温度を一定に保つことが可能です。
パッシブハウスはできるだけエアコンを使わずに夏は涼しく過ごせるため、熱中症のリスクも低くなります。
パッシブハウスの詳細は以下の記事でも確認できるので、ぜひチェックしてみてください。
長期優良住宅
長期優良住宅は「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」であのことです。
長期優良住宅は省エネ性能や耐震性、住宅の劣化対策、バリアフリー性、住みやすさなどあらゆる点で国の基準をクリアした住宅になります。
省エネ性能については断熱等級5かつ一次エネルギー等級6が基準になっているため、夏でも涼しく家で過ごせる工夫がされています。
長期優良住宅は長く安全に暮らせる家であることから、一年中快適な室温で過ごしたい人におすすめの住宅です。
ただし、長期優良住宅の認定手続きは費用や審査期間がかかるため、早めに準備する必要があります。
低炭素住宅
低炭素住宅とは地球温暖化の原因と言われる「二酸化炭素」の排出を減らす仕組みや設備を導入した家です。
低炭素住宅は、太陽光発電や家庭用蓄電池、節水機器やHEMS(住宅エネルギー管理システム)などの設備により、省エネルギー性能を備え低炭素化促進のための対策をしています。
低炭素住宅の認定を受けるには省エネ基準と同等以上の断熱性、日射遮蔽性が備わることになります。
夏場は日射遮蔽により屋外から入る熱を防いで、涼しく過ごせるのが魅力です。
エアコンも最小限の使用で家が快適な温度になるため、光熱費も抑えられます。
スマートハウス
スマートハウスとは太陽光発電により発電された電気を蓄電池に貯め、IT技術の力で電気を使う省エネ住宅です。
スマートハウスは太陽光発電や蓄電池システム、省エネ家電、換気システム、HEMS(住宅エネルギー管理システム)などの設備を備えています。
これらの設備を有効に使うことで、自家発電で得た電力を自宅で効率的に使うことが可能です。
スマートハウスのシステムによりエネルギー消費の無駄を見つけることで、光熱費を抑えてエアコンを利用できます。
【静岡県富士市の施工事例】パッシブハウス基準で設計した高気密高断熱住宅
富士市に在るパッシブハウス基準で設計した「空間工房LOHAS」の注文住宅事例です。
パッシブハウス基準で設計され、断熱性・気密性が高く少ないエネルギーで1年中快適な温度で暮らせます。
ウッドデッキを長く伸ばし、庭の周りは「富士山ヒノキ」の板塀で囲むことで周りの視線を気にすることなく自然を感じられる空間ができました。
自然光の取り入れ方や日よけをすることで、最小限のエアコン使用で夏は涼しく過ごせる工夫を施しています。
富士山ヒノキの床やスギ、珪藻土などの天然素材を使用することで、自然を感じられるおしゃれなパッシブハウスが完成しました。
まとめ|外より家の中が暑い場合は対策をしっかりしましょう
今回は外より家の中が暑い理由や夏でも快適に家で過ごせる方法をご紹介しました。
近年、日本の夏は猛暑日が続くのが当たり前になっています。
夏場でもできるだけエアコンに頼らず快適に過ごせる家にするには、暑さ対策や断熱性・気密性、住宅の性能を見直すことも大切です。
暑い夏でも涼しく室内で過ごしたい方は今回の記事を参考に、暑さ対策してみてください。
空間工房LOHASは、省エネ住宅の施工実績が豊富なプロです。
省エネ住宅の建築を検討している方は、実績のある空間工房LOHASにお気軽にご相談ください。
夏場も涼しく過ごせる対策についても丁寧に回答いたします。
著者情報
寺﨑幸治
空間工房LOHAS代表。「富士山のエネルギーを紡いだ木を活かし、家族の思い出を畳みこんで、住めば住むほど心身共に 健康になり子の代まで価値ある資産として住み継いで行ける、自然素材の家づくり」を平成17年から続けている。2022年現在建てた住宅は200棟以上。 輸入には頼らず、静岡県富士市にあり、地産地消で森を守りながら次世代まで永く住みつなぐ家を造る。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→富士市のパッシブハウス基準で設計した情緒あるデザインの高気密高断熱住宅
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