スマートハウスとはAIを使ってエネルギーを効率的に利用することで、省エネを意識できる家のことです。
スマートハウスは「実際にどのようなことができるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
スマートハウスはAIによる家電との連携やエネルギー使用を管理できるため、暮らしやすい家を実現できます。
今回はスマートハウスについて、IoT住宅との違いやメリットデメリットをご紹介。
環境にやさしく居心地の良いスマートハウスを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- スマートハウスとIoT住宅の違い
- スマートハウスでできる5つのこと
- スマートハウスの5つのメリット
Contents
スマートハウスとは
スマートハウスとは、ITを使って、効率的なエネルギー消費ができる住宅です。
「太陽光発電」「住宅用蓄電池」「HEMS(Home Energy Management System/ヘムス)」という3つの設備を導入し、住宅のエネルギー管理をして創エネ・蓄エネ・省エネをコントロールできます。
創エネ | 太陽光発電で電気を家庭で創る |
蓄エネ | 住宅用蓄電池や電気自動車(EV)などを使って電気を家庭に蓄える |
省エネ | 断熱性を上げるなど省エネ対策をしてエネルギー消費量を削減する |
スマートハウスは創エネ・蓄エネ・省エネをすることで、電気代の節約や防災など安心で快適な暮らしが実現できます。
スマートハウスとIoT住宅の違い
IoTとは「Internet of Things」の略称で、ものとインターネットを融合させた技術のことを指します。
IoT住宅は、電化製品や玄関の施錠、浴室など生活に関わるものすべてをインターネットでつないだ家です。
生活設備をインターネットにつなぐことで、便利な暮らしが実現できるでしょう。
スマートハウスはIT技術を用いて「節約やエコ」を重視するのに対し、IoT住宅は「生活の利便性」を重視した住宅と言えます。
最近ではスマートハウスとIoT住宅を融合し、さらに便利で快適な暮らしができる家が登場しているので、注目しておくと良いでしょう。
スマートハウスでできる5つのこと
スマートハウスはIT技術によりエコで快適な生活ができる家です。
具体的にはどのようなことができるのでしょうか?
1.遠隔操作できる
スマートハウスは、スマートフォンやタブレットを使用して生活設備や家電を遠隔操作できます。
スマートフォンに専用アプリをインストールすることで、外出先から遠隔操作が可能です。
また、遠隔操作によりエアコンのスイッチや温度を調整することや、玄関の鍵の開閉、お風呂のお湯を沸かせるのもポイント。
外出からの帰宅途中にエアコンの温度を設定することや、お風呂の湯沸かしスイッチを入れることで、帰宅後すぐに快適に過ごせるでしょう。
2.消費電力を可視化して節電ができる
スマートハウスは、消費電力を可視化して節電ができます。
スマートハウスに必要な設備である「HEMS」は自宅の電力消費の状況をリアルタイムで把握できます。
日常生活で電力消費を意識すると、無駄な電力使用を見つけて節電につなげられるでしょう。
HEMSは、過去の電力の使用傾向の分析もできます。
1日の中で電力使用量の多い時間帯を見つけ、節約すべき箇所が明確になるでしょう。
3.気密性・断熱性が高く、一年中快適に暮らせる
スマートハウスは気密性・断熱性が高く、一年中快適に暮らせます。
断熱性能を高くすると、家の中が外気の影響を受けにくくなり、夏は涼しく冬は暖かい住まいになるでしょう。
高気密・高断熱の家は、室温が快適に保たれるのでエアコンの使用量も最小限に抑えられます。
4.防災に強い
スマートハウスは、防災に強い家になります。
地震や台風の被害により停電すると、住宅の電気が使えず非常に不便な生活を強いられるでしょう。
スマートハウスは太陽光発電で発電した電気を住宅用蓄電器にためておけるため、災害時に電気が使用できます。
住宅用蓄電池により停電中でもエアコンや冷蔵庫が使用できるため、普段通りに暮らせるでしょう。
5.健康管理しやすい
スマートハウスは、健康管理しやすい家になります。
スマートハウスは、断熱性を高めた家になるため室内の温度差が少なく快適な室温を保てます。
ヒートショックによる健康被害を防げるでしょう。
スマートハウスに換気システムを導入すると、正圧の室内環境が整うため、きれいな空気の中で生活でき睡眠の質も上がります。
スマートハウスの5つのメリット
スマートハウスは高機能な設備を導入することで、さまざまなことができる家です。
スマートハウスにはどんなメリットがあるのでしょうか。
1.室内がきれいな空気になる
スマートハウスは、室内がきれいな空気になるのがメリットです。
AIが室内の温度、湿度、明るさなどを自動的に調整するため、住人が心地よく感じる環境を保ちます。
室内の空気の質をモニタリングし、空気清浄機を運転させることもできるため、きれいな空気の室内で生活が可能になるでしょう。
2.停電に備えられる
スマートハウスは、停電に備えられるのもメリットです。
住宅用蓄電池を設置することで、太陽光発電により昼間発電した電力をためておけるからです。
災害などにより停電が長引く場合でも、住宅用蓄電池があれば永続的に電気を利用できるでしょう。
3.電気をできるだけ買わない暮らしが実現できる
スマートハウスは電気をできるだけ買わない暮らしができるのも、メリットです。
太陽光発電により発電した電気を住宅用蓄電池にためておけるため、夜間でも電気を利用できます。
電気をできるだけ買わずに自給自足できるため、節電対策や省エネにも貢献できるでしょう。
4.補助金が受けられる
国や地方自治体より省エネ住宅に関わる補助金が用意されているので、スマートハウスの要件が合えば補助金を利用できます。
2024年11月の閣議決定により「GX志向型補助金」を活用できるようになりました。
ZEH基準の水準を大きく上回る高性能な省エネ住宅「GX志向型住宅」を支援するための制度であり、要件を満たしたスマートハウスで活用できるでしょう。
GX志向型補助金はすべての世帯が対象で、子育て世帯に限定されません。
GX志向型住宅は以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 断熱等性能等級6以上(HEAT20 G2レベル)
- 一次エネルギー消費量の削減率35%以上
- 再生可能エネルギーによる一次エネルギー消費量の100%以上削減
ただし、寒冷地の場合は一次エネルギー消費量の削減率75%以上でも可能です。
都市部の狭小地等は、再生可能エネルギー未導入(ZEH Oriented)でも対象となるケースがあります。
GX志向型補助金の補助金額
GX志向型補助金の補助金額は、下記の表になります。
補助金種類 | 補助額 |
GX志向型補助金額 | 最大160万円 |
住宅用蓄電池の導入 | 最大1/3 (GX志向型補助金額にプラス) |
ただし、住宅用蓄電池はディマンドレスポンス対応可能な蓄電システムに限ります。
静岡県富士市の新築補助金について、以下の記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
【2024年版】静岡県富士市の新築購入で使える補助金・助成金一覧|申請方法や注意点も解説
5.環境に配慮できる
スマートハウスは環境に配慮できるのも、メリットになります。
太陽光発電システムと住宅用蓄電池を導入し、ITで管理することにより無駄なエネルギーを使用せずに済むからです。
電気使用量を見える化できるので、電気を節約しようという意識が生まれます。
電気を自給自足できることで、電力会社からほとんどの電気を買わずに生活ができるでしょう。
家庭用蓄電池について、以下の記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
家庭用蓄電池のメリットデメリット|太陽光発電との相性やスマートハウスについても解説【静岡県富士市の施工事例付き】
スマートハウスの3つのデメリット
スマートハウスはメリットが多く、生活の利便性が高くなります。
ただし、デメリットもあるため早めに対策しましょう。
ここからは、スマートハウスのデメリットをご紹介します。
1.建築費用が高い
スマートハウスは、初期費用が高いことがデメリットになります。
スマートハウスの費用相場は坪単価で60万円から70万円と言われ、一般的な住宅より割高です。
「太陽光発電」「住宅用蓄電池」「HEMS」と3つの設備を導入するには、費用がかかります。
さらに「HEMS」対応の家電に買い替えると、購入費用が追加になります。
初期費用が高くなりがちなスマートハウスは、適切な資金計画を行う必要があるでしょう。
2.家電をHEMSに対応したものに変える必要がある
「HEMS」で電化製品を使用する場合は、対応した製品を購入しなければなりません。
「HEMS」に対応している家電は販売の種類が少なく、気に入ったものを見つけられない可能性があります。
今持っている電化製品をすべて「HEMS」対応にすると、その分費用もかかります。
家電をHEMSに対応したものに変える場合は、優先順位をつけて資金計画を立てるのがおすすめです。
3.天候により太陽光発電量が左右される
スマートハウスは、天候により太陽光発電量が左右されます。
太陽光発電は、雨や曇りの日が多いと電力の確保が厳しくなります。
住宅周辺に高い建物が建ち、家に影ができ場合も発電量が減るでしょう。
太陽光発電を導入する際は、周辺の状況を確認し最適な場所を選ぶ必要があります。
スマートハウスを建てる際の3つの注意点
スマートハウスを建てるにはメリット・デメリットがありますが、両方を把握して適切なプランニングを立てれば快適な家が実現できます。
ここからは、スマートハウスを建てる際の3つの注意点をご紹介します。
1.機器の保証期間を確認する
スマートハウスは、機器の保証期間を確認することが重要です。
太陽光発電、住宅用蓄電池、HEMSなど設備が多機能になるため故障すると連携ができなくなります。
機器が故障した際は、すぐに修理する必要があり高額になる場合も。
スマートハウスを建てる際は、保証期間やフォロー体制を確認するようにしましょう。
2.施工会社が提案する仕様が生活に合っているか確認する
スマートハウスを建てる際は、施工会社が提案する仕様が生活に合っているか確認するようにしましょう。
スマートハウスは普及しはじめたばかりであり、機器や設備に問題が発生する可能性が考えられます。
機器が故障した際は、スムーズに対応してくれる対応力のある施工会社を選びましょう。
3.メンテナンスをする必要がある
スマートハウスは、メンテナンスをする必要があることも注意しましょう。
太陽光発電は最低でも4年に一度のメンテナンスが必要であり、数万円程度の費用がかかります。
また、ソーラーパネルや蓄電池が故障した際に、メーカーの保証期間が過ぎている場合は修理費や買換え費用がかかる点にも注意が必要です。
スマートハウスの設備を維持するには、費用がかかることを把握しておきましょう。
スマートハウスを建てたいならスマート・オフ・グリッド・ハウスがおすすめ
スマートハウスを建てたいなら、スマート・オフ・グリッド・ハウスがおすすめです。
スマート・オフ・グリッド・ハウスは、電気を極力買わずに快適な住環境を整えられる家のことです。
2024年11月に閣議決定された子育てグリーン住宅支援事業の目玉である「GX志向型補助金」の要件を満たしています。
GX志向型補助金額は最大160万円で、住宅用蓄電池の導入によりさらに最大1/3まで補助金が交付されます。
GX志向型補助金を活用すれば、初期費用が大幅に抑えられるでしょう。
また、スマート・オフ・グリッド・ハウスには、下記のメリットがあります。
<スマート・オフ・グリッド・ハウスのメリット>
- 太陽光発電や大容量蓄電池を導入することで、停電時でも普段通りの生活断熱等級5等級でZHE強化外皮基準をクリアした高気密・高断熱の住宅
- パッシブ設計により夏は遮蔽、冬は日射取得ができるため一年中快適な室温
- 気圧調整式第一種全熱交換機「エクリア」を導入し、家の中がきれいな空気
- AIクラウドHEMS「省エネの達人」を導入し、電気の使用状況、発電量、蓄電量、買電、売電を見える化
- 混合水栓一体型電解水素水整水器「GRACIA」の水で、安全で健康的な暮らし地震時の揺れを抑える「制震ダンパーevoltz」を設置して、耐震性を高めた住宅
スマート・オフ・グリッド・ハウスには多くのメリットがあり、家族が安心して暮らせる環境が整います。
電気をほぼ買わなくて良い暮らしができる「スマート・オフ・グリッド・ハウス」について、詳しく知りたい方は、空間工房LOHASにお気軽にお問合せください。
電気をほぼ買わなくて良い暮らし「スマート・オフ・グリッド・ハウス」
まとめ|IoT住宅との違いを理解したうえでスマートハウスを検討しましょう
今回は、スマートハウスとIoT住宅との違いやメリット・デメリットを解説しました。
スマートハウスは、「節約やエコ」を重視し、IoT住宅は「生活の利便性」を重視する家になります。
スマートハウスもIoT住宅もどちらもIT技術を用いた住宅ですが、意味合いが違うため施工会社のプランをしっかり確認し家庭に合った住宅を選択しましょう。
スマートハウスの購入を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
空間工房LOHASは、スマートハウスの施工実績が豊富です。
スマートハウスについて詳しく知りたい方は、空間工房LOHASにお気軽にご相談ください。
著者情報
寺﨑幸治
空間工房LOHAS代表。「富士山のエネルギーを紡いだ木を活かし、家族の思い出を畳みこんで、住めば住むほど心身共に 健康になり子の代まで価値ある資産として住み継いで行ける、自然素材の家づくり」を平成17年から続けている。2022年現在建てた住宅は200棟以上。 輸入には頼らず、静岡県富士市にあり、地産地消で森を守りながら次世代まで永く住みつなぐ家を造る。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
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