二世帯住宅は、親世帯と子世帯が同じ屋根の下で暮らせるため、子育て支援や介護のしやすさ、経済的なメリットなど、多くの魅力があります。
一方で、「二世帯住宅はやめたほうがいい」という声も少なくありません。
この記事では、「二世帯住宅はやめたほうがいい」と言われる理由やデメリットを詳しく解説し、そのデメリットを回避する方法や、快適な二世帯住宅を実現する間取りの工夫についても紹介します。
二世帯住宅を検討中の方は、ご家族にとって最適な住まいの形を考える際の参考にしてください。
この記事でわかること
- 二世帯住宅をやめた方がいいと言われる5つの理由・デメリット
- 二世帯住宅の5つのメリット
- 二世帯住宅でトラブルやストレスを回避する方法
Contents
二世帯住宅をやめた方がいいと言われる5つの理由・デメリット

二世帯住宅には多くのメリットがありますが、実際に住んでみると想定外の問題が発生し、「失敗した」と後悔する人も少なくありません。
以下の5つのデメリットは、事前に十分な対策をしないと、家族間のストレスやトラブルの原因となる可能性があります。
生活リズムの違いによるストレス
親世帯と子世帯では生活リズムが異なることが多く、それがストレスの原因となることがあります。
親世帯が基本的に家にいることが多い一方で、子世帯は現役で働いているため、起床時間や就寝時間、掃除や食事の時間などが異なります。
親世帯は早寝早起きの習慣があり、子世帯は仕事や育児で夜遅くまで活動することが多いため、親世帯の就寝後に子世帯の生活音が気になることも。
一方、仕事をしている子世帯は週末にゆっくり過ごしたいものの、親世帯が早朝から活動することが多いため、その生活音で安眠できないこともあります。
二世帯の生活リズムが合わないと感じる場合は、間取りの設計時に対策を講じることが必要です。
プライバシーの確保が難しくなる
二世帯住宅では、家族とはいえ別の世帯が同じ家で生活するため、プライバシーの確保が難しい点が大きな課題となります。
親世帯からの子育てへの干渉や、郵便物を勝手にみられるといった小さなストレスが積み重なり、トラブルに発展する可能性もあります。
特に、実の親子ではない配偶者は二世帯住宅でストレスを感じやすいため、注意が必要です。
完全分離型の間取りにする、ルールを決めるなどの工夫が求められます。
費用や家事の負担割合をめぐるトラブルが起こりやすい
二世帯住宅を建てる際や、入居後の費用・家事分担の決め方によっては、トラブルが発生しやすい点も課題の一つです。
二世帯住宅では、設計段階で建築費や光熱費の負担割合を具体的に決めておくことが重要です。
事前に家事や費用の分担について話し合う家庭は少なく、入居後に揉めるケースが多いとされています。
また、どちらかの世帯の収入が減り、建築費用の支払いが困難になると、トラブルが発生しやすくなります。
親世帯と子世帯では、料理や掃除に対する価値観が異なることもあるため、事前にルールを決めておくことが重要です。
二世帯住宅は売却が難しい
二世帯住宅は、一般的な住宅に比べて売却が難しいというデメリットがあります。
二世帯住宅を検討する人は「二世帯住宅に住みたい人」に限られるため、一般的な住宅に比べて需要が少なくなります。
二世帯住宅の間取りは、家族に合わせたオーダーメイドであることが多いため、汎用性が低く、売却が難しくなる要因となります。
将来的に売却を視野に入れる場合は、「完全分離型にする」、「単世帯住宅としても活用できる設計にする」などの工夫が必要です。
相続時のトラブルの可能性がある
二世帯住宅は、相続時に兄弟姉妹間でトラブルが発生するケースが少なくありません。
相続時にトラブルが発生する主な原因は以下のとおりです。
- 共有名義で建てた場合、相続時に分割が難しくなる
- 同居していた子どもと、別に暮らしていた兄弟姉妹との間で不公平感が生じる
- 親の死後、子世帯が家を引き継ぐか、売却するかで意見が対立する
二世帯住宅の所有権やローン負担割合が不明確なまま親が亡くなると、相続人同士の争いの原因になります。
生前に相続についてしっかり話し合い、登記の名義を整理しておくことが大切です。
二世帯住宅5つのメリット|デメリットだけではない魅力とは

二世帯住宅にはデメリットもありますが、家族が協力しやすい環境や経済的な利点も多くあります。
二世帯住宅の主なメリットは以下の5つです。
- 子育てのサポートを受けやすい
- 介護がしやすい環境になる
- 家事を分担しやすい
- 親からの経済的支援を受けやすい
- 補助金や税制優遇を受けられる可能性がある
子育てのサポートを受けやすい
共働き世帯が増える中、親世帯に子育てをサポートしてもらえることは、二世帯住宅の大きなメリットです。
たとえば、下記のような利点があり、子育ての負担を軽減しながら家族の絆を深めることができます。
- 急な残業や体調不良時に、保育園や学校の送り迎えを任せやすい
- 短時間の外出や買い物の際にも、子どもを預けやすい
- 祖父母と孫の世代間交流が深まる
介護がしやすい環境になる
親世帯が高齢になると、介護が必要になる可能性が高くなります。
二世帯住宅なら、別々に暮らす場合よりもスムーズに介護できる点が大きな利点です。
日常的なサポートはもちろん、緊急時には子世帯がすぐに駆けつけることができます。
また、二世帯住宅を設計する際は、親世帯が将来的に介護を必要とする可能性を考慮し、開口を広くしたり、玄関近くに寝室を設けたりすることを検討しましょう。
家事を分担しやすい
二世帯住宅では、家事を分担することで、負担を軽減できる点も魅力です。
料理や洗濯、掃除、子育てなどの家事を協力して行うことができます。
体調が悪い時に家事を手伝ってもらえたり、雨の日に洗濯物を取り込んでもらえたりするなど、家事の分担には大きな利点があります。
親からの経済的支援を受けやすい
二世帯住宅は、親世帯からの経済的支援を受けやすい点が大きなメリットの一つです。
親の持ち家や土地を活用することで、土地代を節約でき、建築費の一部を支援してもらえる場合もあります。
また、親が生活費の一部を負担することで、食費や光熱費の負担を軽減できる可能性があります。
親世帯からの支援を活用することで、経済的負担を抑えながら理想の住まいを実現できる点も、二世帯住宅の魅力です。
補助金や税制優遇を受けられる可能性がある
二世帯住宅を建てる際は、国や自治体の補助金や税制優遇制度を利用できる可能性があります。
一定の条件を満たせば、住宅ローン控除が適用されるほか、親からの住宅資金援助についても一定額まで贈与税が非課税となります。
また、自治体によっては、二世帯住宅向けの補助金制度が設けられており、経済的負担を軽減できる可能性があります。
二世帯住宅の購入を検討する際は、事前に制度を確認することで、コストを抑えつつ家を建てることができます。
二世帯住宅で活用できる補助金・税制優遇については、こちらの記事をご覧ください。
二世帯住宅のメリット・デメリット|補助金・税制優遇について解説
二世帯住宅をやめたほうがいい可能性がある人

二世帯住宅は、家族の協力が得られる一方で、生活スタイルや価値観の違いによってストレスを感じることもあります。
以下のような人は、二世帯住宅に不向きな場合があるため、慎重に検討することをおすすめします。
- 自分のペースを大切にしたい人
- 親世帯と価値観が大きく異なる人
- 親世帯と生活リズムが大きく異なる人
- プライバシーを強く重視する人
- 将来的に売却を前提に考えている人
しかし、これらの条件に当てはまるからといって、必ずしも二世帯住宅をやめるべきとは限りません。
「避けたほうがいいケース」と「問題なく暮らせるケース」を比較して、自分に合った選択をしましょう。
避けたほうがいいケース | 問題なく暮らせるケース |
---|---|
親世帯と価値観が大きく異なる | 親世帯と協力的に生活できる |
夜型・朝型が極端に違う | お互いに配慮できる |
負担割合で揉めそう | 事前にしっかり決めている |
完全に干渉されたくない | 適度な距離感を保てる |
二世帯住宅でトラブルやストレスを回避する方法

二世帯住宅は、親世帯と子世帯が協力しながら暮らせるメリットがある一方で、トラブルやストレスが生じる可能性もあります。
ここでは、二世帯住宅でのトラブルやストレスを回避する具体的な方法をご紹介します。
生活のルールを事前に決めておく
親子であっても、価値観や生活習慣が異なるため、ルールを決めておくことが重要です。
ルールが曖昧だと、お互いにストレスが溜まりやすくなります。
例えば、以下の点について事前に話し合いましょう。
- 訪問や交流:「相手の家に入るときは必ず声をかける」など、お互いのプライバシーを尊重するルールを決める。
- 騒音・生活リズム:「夜10時以降は静かにする」「朝早くから洗濯機を回さない」など、生活リズムを考慮する。
- 子育てや介護の関わり方:「子どものしつけは親が主体」「介護はできる範囲で協力する」など、関与の範囲を明確にする。
小さなことでもルールを決めておくことで、ストレスの蓄積を防ぎ、円満な関係を維持しやすくなります。
費用や家事の負担割合を事前に明確にする
お金の問題は、家族間でもトラブルの原因になりやすいものです。
二世帯住宅では、建築費や生活費、家事の負担割合が曖昧だと、不公平感が生じる可能性があります。
建築費や生活費、家事の負担は、あらかじめ明確にしておくことが大切です。
- 家の建築費をどちらの世帯がどの程度負担するかを事前に決め、書面に残しておく
- 住宅ローンを利用する場合は、名義をどうするかを事前に話し合う
- 水道光熱費、インターネット代、固定資産税などの費用分担を事前に決めておく
- 家事・育児・介護の役割分担をリストアップし、調整する
生活費の分担方法として、メーターを別々に設置し、それぞれが実費を支払う方法もおすすめです。
プライバシーを考慮した間取りにする
二世帯住宅で最も大きな課題の一つが、お互いのプライバシーをどこまで確保するかという点です。
生活空間が重なるとストレスを感じやすくなるため、間取りの工夫が必要です。
プライバシーを確保するための間取りの工夫例 | お互いの距離感を意識した設計 |
---|---|
・完全分離型の間取りにする ・生活音を軽減する工夫をする ・共有スペースを必要最小限にする | ・生活動線を工夫し、接触頻度を調整する ・庭やベランダの配置を工夫し、視線が気にならないようにする |
間取りを工夫することで、適度な距離感を保ちながら、快適な暮らしを実現できます。
二世帯住宅で適度な距離感を保つための間取りの工夫については、こちらの記事をご覧ください。
親子で暮らす二世帯住宅の間取りとは?程良い距離感を保つための秘策について富士市の工務店が解説します
ライフスタイルに合った二世帯住宅の間取り選びのコツ

二世帯住宅を成功させるには、ライフスタイルや家族の関係性に適した間取りを選ぶことが重要です。
二世帯住宅の間取りは、大きく「完全同居型」「一部共用型」「完全分離型」の3種類に分かれ、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ここでは、各まどりの特徴と選び方のポイントを紹介します。
完全同居型
完全同居型は、居住空間や生活設備のほとんどを二世帯で共有する間取りです。
基本的に、プライベート空間は寝室のみで、キッチン・浴室・洗面所・玄関は共有となります。
共有スペースや共に過ごす時間が多いため、自然とコミュニケーションがとりやすくなります。
メリット | デメリット |
---|---|
・建築コストが抑えられる ・家族の交流が深まる ・家事や育児を協力しやすい | ・プライバシーの確保が難しい ・生活音やにおいが気になる場合がある |
<完全同居型に向いている人>
- 親子関係が良好で、積極的に協力し合いたい人
- 子育てや介護を親世帯と協力しながら行いたい人
- 建築コストを抑えたい人
一部共用型
一部共用型は、生活スペースの一部を二世帯で共用する間取りです。
玄関のみを共有する場合や、キッチン・浴室を共用する場合など、ライフスタイルに合わせて間取りを選べます。
一部共用型は、プライバシーを確保しつつ、二世帯が適度な距離感でコミュニケーションをとりたい場合に適しています。
メリット | デメリット |
---|---|
・適度な距離感で暮らせる ・完全同居型よりもプライバシーを確保しやすい ・光熱費や設備費を節約できる | ・生活音や干渉が完全になくなるわけではない ・間取りの設計に工夫が必要 |
<一部共用型に向いている人>
- 介護や子育てのサポートを受けながら、一定の独立性を保ちたい人
- 建築費やランニングコストを抑えたい人
- 間取りを柔軟に考えたい人
完全分離型
完全分離型の間取りは、玄関や水回りを含むすべての生活スペースを二世帯で完全に分ける間取りです。
生活スペースを明確に分けることで、お互いに気兼ねなく暮らしやすくなります。
完全分離型は、日常生活では干渉せず、必要なときに協力し合える間取りを求める人におすすめです。
メリット | デメリット |
---|---|
・お互いの生活に干渉せずに済む ・プライバシーを完全に確保できる ・将来的に売却しやすい | ・建築コストや光熱費の負担が大きくなりやすい ・家族間の交流が少なくなる可能性がある |
<完全分離型に向いている人>
- プライバシーを最優先したい人
- 生活リズムが大きく異なる家族
- 将来的に賃貸や売却を視野に入れている人
完全分離型の二世帯住宅については、こちらの記事をご覧ください。
二世帯住宅の完全分離って実際どう?メリットやデメリットを富士市の工務店が徹底解説
【新築施工事例】自分たちに最適な居心地の良さを追求した二世帯住宅

空間工房「LOHAS」が手がけた、居心地の良さを追求した二世帯住宅の施工事例です。
建築が好きなオーナー様が、さまざまなデザインを検討し、ライフスタイルに合わせた快適な住空間を追求しました。
桜並木のある立地を生かした住宅配置により、洗練された外観を実現しています。

パッシブハウスに近い性能を持つ「ローエナジービルディング」を採用し、外断熱と内断熱の二重構造で断熱性能を向上させている点も魅力です。
エアコン使用を必要最低限に抑え、省エネルギーな暮らしを実現しています。
二世帯が常に快適な室温で過ごせるよう配慮された、二世帯住宅が完成しました。
まとめ|快適な二世帯住宅を建てるなら、実績豊富な施工会社に相談を

今回は、二世帯住宅はやめた方がいいと言われる理由やメリット、トラブルを回避する方法について解説しました。
二世帯住宅を建てて後悔しないためには、経験豊富な施工会社に依頼することが重要です。
実績豊富な会社なら、二世帯それぞれの希望を調整し、トラブルを防ぐ最適な設計プランを提案してくれるでしょう。
二世帯住宅のプランニングで悩んだときは、気軽に相談できる施工会社を選ぶことをおすすめします。
二世帯住宅を建てるべきか迷っている場合は、ぜひこの記事を参考にしてください。
空間工房LOHASは、二世帯住宅の施工実績が豊富な工務店です。
ストレスの少ない二世帯住宅を建てたい方は、ぜひ空間工房LOHASにご相談ください。

著者情報
寺﨑幸治
空間工房LOHAS代表。「富士山のエネルギーを紡いだ木を活かし、家族の思い出を畳みこんで、住めば住むほど心身共に 健康になり子の代まで価値ある資産として住み継いで行ける、自然素材の家づくり」を平成17年から続けている。2022年現在建てた住宅は200棟以上。 輸入には頼らず、静岡県富士市にあり、地産地消で森を守りながら次世代まで永く住みつなぐ家を造る。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→少ないエネルギーで暮らすローエナジービルディングの二世帯住宅 in 伊豆の国市
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