家づくりは、デザインや機能性を重要視しがちですが、最近人気なのが「家事動線の良い」間取りの家です。
ランドリールームやファミリークローゼットなどを設置すると、日常の中で効率の良い暮らしができます。
今回は家事がスムーズにできる平屋のポイントを解説。
心地よい暮らしを実現された平屋の施工事例もご紹介します。
Contents
平屋のメリット・デメリット
平屋は、キッチン、ダイニング、リビング、寝室、トイレ、浴室、洗面所などワンフロアにすべての居住空間をつくる最近人気の住まいです。
デザインがおしゃれで、バリアフリー性がありコンパクトな空間で生活ができる特徴があります。
まずは、平屋のメリットやデメリットをご紹介します。
平屋のメリット
平屋というと1階部分のみなので床面積が狭く、間取りを考えるのが難しいと考える人も多いのではないでしょうか。
平屋は、コンパクトな床面積ゆえ、こだわって建てることで快適に暮らせます。
平屋のメリット
・バリアフリー性があるので、小さなお子様がいるご家庭や介護にもおすすめ
・ワンフロアにすべての生活環境が整い、家族とのコミュニケーションがとりやすい
・勾配天井や吹き抜けを設ければ、日当たりの良い開放的な空間をつくれる
・洗濯物は階段を上って干しに行く必要がないため、生活動線がスムーズ
・地震や台風に強いといわれている
・コンパクトでシンプルな間取りなので心地良い暮らしができる
・断熱や気密性能を上げた省エネ住宅も建てやすい
・自由に設計をしやすい
平屋のデメリット
一方平屋にはデメリットもあります。
生活動線を考える上でも注意しておきたい点がいくつかあります。
デメリットは設計段階で対策をすればクリアできることが多いので、気になる点は早めに施工会社に問い合わせてみましょう。
平屋のデメリット
・2階建てに比べ、床面積が少なくなるので収納スペースの確保が難しい
・すべての居住空間を1階部分につくるため、広い土地が必要
・周辺環境によって日光が当たりにくいため、間取りや窓に工夫が必要
・風が入りにくくなる可能性も
・建築費用や土地の価格が高い
・床下浸水の対策をする必要がある
・プライバシーに配慮する必要がある。
家事動線の良い間取りをつくる時に考えること
平屋はコンパクトな間取りなので、家事動線をスムーズにして暮らすことができる住宅といえます。
注文住宅を設計する際は、まず日々行う家事の内容を洗い出してみましょう。
新築住宅では、どのようにすれば家事が楽にスムーズにできるかをイメージしてみてください。
図面を見ながらシミレーションすれば、間取りのつながりがイメージでき、家づくりがスムーズになるはずです。
ここからは、家事動線の良い間取りをつくる際、考えておくと良いことをご紹介します。
どの家事を楽にしたいか考える
洗濯、料理、掃除、買い物、片付けなど毎日やらなければならない家事はたくさんあります。
仕事をしていたり、子育てをしていたりと忙しい日々の中で家事動線がスムーズであると、時間短縮になり手間が省けます。
思い通りの家事動線をつくれたらベストではありますが、実際は思うような床面積が取れなかったり、予算が足りなかったりと実現するのは難しいです。
まずはどの家事を楽にしたいかをリストアップしてみるのがおすすめ。
料理を楽にしたいのであれば、調理から配膳までスムーズに動けるキッチンをつくります。
洗濯を楽にしたいのであれば、ランドリールームやウォークインクローゼットを設置するのが良いでしょう。
掃除を楽にしたいのであれば、掃除用具を置く収納、回遊動線をつくり掃除がしやすい間取りにします。
はじめに家事の優先順位を決めてみてください。
空間を直接つなげるか?廊下を挟むのか?
家事動線を考える時に、「空間をつなげた動線にするのか?」「廊下を挟んだ動線にするのか?」を考えておきましょう。
平屋の場合は、床面積が限られるので、ドアなどの仕切りをつくらずに空間をつなげることも多いです。
たとえば、キッチンからダイニング、リビングが仕切りなしでつながっていれば、調理や配膳、片付けなどの動線がスムーズに。
空間をつなげれば、移動距離は短くなり無駄のない住宅になります。
一方、廊下を使って部屋をつなげるというのも動線づくりの方法です。
壁やドアにより間仕切りをつくる方法です。音やにおい、家族の目線が気にある場合は、廊下を挟むのが良いでしょう。
たとえば、リビングと玄関が直接つながっていると、来客時にリビングが丸見えで家族が落ち着かないことも考えられますが、廊下があれば仕切りがあるので気になりません。
料理のにおいは、廊下があれば他の部屋に移りにくいというメリットもあります。
空間を直接つなげるか?廊下を挟むのか?は生活スタイルや家族間の程よい距離を確保して暮らしたいかにより決めるとよいでしょう。
家事をしながら室内を見渡せるか?
家事をしながら室内を見渡すことができるかどうか、というのも大切なポイントです。
リビングが見える位置にキッチンがあれば、子育て中のお宅では、子どもを見守りながら料理ができます。
子どもに危険がないか?泣いていないかなど気になりながら家事をするよりも、見守りながらできたら手を止めずに済みます。
玄関からリビングなどの部屋に移動する間に、クローゼットをつくれば、買い物から帰宅した時に、日用品をスムーズにしまえます。
家事をしながらも、他のことができるかどうかということにもこだわると良いです。
家事動線の良い間取りをつくる7つのポイント
家事動線を良くするには、どのような間取りにする必要があるのでしょうか。
ここからは、家事動線の良い間取りづくりのポイントをご紹介します。
ポイント1:キッチンを中心にした間取り
一日の中でも長く滞在するキッチンは、家事の中心となる場です。
朝食、昼食、夕食の料理はもちろん、おやつや夜食づくり、食器の後片付けなど多くの家事をしなければなりません。
食材をストックしたり、食器や調理器具をストックしたりとキッチンには収納も必要になります。
キッチンを中心とした間取りにすると、家事動線はスムーズです。
キッチンを中心に、リビング、ダイニング、洗面所、洗濯機のある脱衣所、トイレ、物干しなど家事に関する場所を回遊できるようにしましょう。
とくに、洗濯機のある脱衣所など水周りを、キッチンのすぐそばにまとめることで家事の効率アップが可能です。
ポイント2:対面キッチンにする
LDKをつなげた間取りにし、対面キッチンを設置すると家事動線がスムーズです。
対面キッチンは、料理、配膳、後片付けと一連の流れを効率的に行えます。
リビング、ダイニングで過ごす家族の様子を見ながら、料理が可能です。
小さなお子様がいるご家庭でも、子どもを見守りながら家事ができます。
ポイント3:ランドリールームをつくる
家事の中でも、洗濯が面倒という人は少なくないはず。
洗濯は、洗濯機から物干し、乾いたら洗濯物の取り込み、洗濯物を畳む、アイロンがけまたは収納という流れになります。
平屋はとくに、洗濯がスムーズに行える動線を確保することが大切です。
ランドリールームをつくれば、短い距離で洗濯の一連の流れが完結します。
ランドリールームとは、洗面や脱衣をする部屋とつながったスペースに配置することが多く洗濯機などの設備、室内干しスペース、アイロンがけや洗濯物を畳むスペース、収納などがある部屋です。
とくに、平屋は1階部分に洗濯物を干すため、洗濯動線をコンパクトにするランドリールームがおすすめです。
ポイント4:ファミリークローゼットをつくる
ファミリークローゼットとは、家族の共有スペースから移動しやすい場所に、家族全員の衣類や荷物をまとめて収納できるクローゼットです。
床面積があまり広く取れない平屋の注文住宅の場合、クローゼットを集約することで家事動線がスムーズになります。
ランドリールームの近くにファミリークローゼットを配置すれば、畳んだ洗濯物をそのまま収納できるので便利です。
ポイント5:ゴミ出し動線を考える
ゴミ出しも家事の中では、面倒な作業のひとつです。
ゴミ出しは週に数回行うため、各部屋にゴミ箱が設置されていたとしても、収集日までにゴミの一時置場やビンカンを分別して置いておく場所が必要となります。
玄関や勝手口のそばに、ゴミの一時置場をつくるとスムーズです。
ポイント6:サンルームや室内干しスペースをつくる
平屋の場合洗濯物をどこに干せばいいのか悩む方もいるのではないでしょうか。
洗濯物はランドリールームで室内干しのみと決めてしまうのもよいですが、テラスやサンルームに干すこともおすすめです。
サンルームは、外側の面をガラスで覆ったスペース。
日当たりの良い位置につくるのが一般的です。
ランドリールームから続く場所にサンルームを設置し、ファミリークローゼットにも続くように間取りをつくれば、洗濯から収納までの流れが効率的になります。
ポイント7:家事室をつくる
家事室とは、1つの部屋で家事をまとめて行う場所です。
主に洗濯に関する場所として考えられてきましたが、最近では使い方も豊富になっています。
家事室に、棚などを置いて日用品のクローゼットにしたり、テーブルを置いてテレワークをしたり、趣味の部屋として自分好みにアレンジできて便利です。
家事をしながらも、別の用途にも使える家事室はおすすめの間取りです。
家事動線をスムーズにするランドリールームの3つのコツ
家事動線を良くするためには、家事の中でも面倒に思われる洗濯動線を確保することが重要です。
ランドリールームがあると、洗濯に関する家事をすべて完結させることが可能に。
洗濯をする移動距離を最短にでき、他の家事も効率的にできるようになります。
子育て中の人は、子どもの上靴やユニフォームなど泥汚れを落とす洗い場があるとより便利です。
ここからは、近年注目されているランドリールームについて、ポイントをご紹介しながら掘り下げていきます。
コツ1:ランドリールームの広さの目安は2~3畳
ランドリールームの広さの目安は、4人家族であれば2~3畳です。
床面積に余裕があれば、室内干しスペースやアイロンスペース、収納を確保できる5~6畳がおすすめです。
コツ2:通風換気をする
ランドリースペースがある大きなメリットとして、雨の日でも室内干しができるという点です。
ただし、洗濯物を干すスペースなので、湿気がこもりやすくなるという点があります。
湿気がこもったままだと、カビが生える原因にもなり気持ちよく洗濯物を干せなくなることも。
ランドリールームには、通風換気が必要です。
換気ファンや24時間換気システムを設置すると、湿度が調整できます。
ランドリールームには、除湿乾燥機を設けるのもおすすめです。
除湿乾燥機があると洗濯物が乾きやすくなり、生乾きの嫌なにおいも気にならなくなります。
コツ3:洗濯がしやすい場所に設置する
ランドリールームは平屋のどの場所に設置するのが良いのでしょうか。
最も適した場所としてキッチンの近くがおすすめです。
キッチンで料理をしながら、洗濯も同時にできるので家事がスムーズになります。
次におすすめなのが、洗面所や脱衣所付近です。
服を脱いで、すぐに洗濯ができるので生活動線も整います。
また、干した洗濯を畳んだらすぐにしまえるクローゼットの近くにランドリールームがあると便利です。
ファミリークローゼットは、家族全員の衣類を収納できるので洗濯物の仕分け作業が無くなり、より効率よく家事ができます。
【施工事例】自然の中の平屋の家
自然の中でアウトドアを楽しみながら、平屋で暮らしたいというご夫婦が建てた施工実例です。
富士宮市の自然あふれる場所にあるこちらのお宅は駐車場も広く、リビングの前には畑、周りには林が広がり、富士山が背後にそびえる最高のロケーションです。
玄関を入るとパントリーまで一直線のスムーズな家事動線です。
クローゼットも広々としているので、たくさんの収納を確保できます。
外にも収納部屋と、雨の日でも自転車やバイクを置いておける軒のある空間をつくりました。
カウンター付のキッチン、ウッドデッキ、庭、リビングとたくさんの来客を招いて楽しむことができる間取りです。
自然の中の暮らしを満喫できる素敵なマイホームが完成しました。
[仕様]
グリーン化事業(長寿命)
延床面積:95.02㎡(28.71坪)
UA値:0.41
C値:0.49
屋根:ガルバリウム剛葺き
軒裏:ケイカル塗装板
外壁:ガルバリウム剛板
床:1階アカシアフローリング
玄関ドア:リクシルグランデルII
サッシ:サーモスX
家事動線の良い間取りで快適な住まいを|まとめ
家事動線を考えた平屋は日々忙しい中で時短ができ、家事の負担が減り、快適な暮らしが実現できます。
家事の負担が減った分は、趣味の時間やゆっくりと過ごす時間に使えるように。
平屋は、ライフスタイルに合わせた間取りをつくることが大切です。
でも、どのようにプランを立てたらよいかと悩む人も多いのではないでしょうか。
まずは、住宅のエリアのモデルハウスや見学のイベントに参加するなど、実際に家事のシミュレーションができる場所に出かけるのも良いでしょう。
新築住宅の平屋を建てる際は、実績のある工務店を探して依頼することが大切です。スタッフがお客様に合わせた間取りのプランニングや、その土地に合った建材選びの提案、保証やアフターのサービスなどのサポートに至るまで、安心してお任せできます。
ぜひこの記事を参考に、家事動線の良い理想の平屋を検討いただけたらうれしいです。
著者情報
望月広巳
営業部部長。実際に家を建てる方が「暮らしを愉しむ」ために理想の暮らしをヒアリングしながら、個性やライフスタイルに合わせた設計の提案が得意です。自身でも普段の生活で日本酒やお料理、子育てを愉しむことを通してお客様に合ったプランをご提案できるように努めています。 LOHAS様の次のコラムからでいいので、まとめにオンライン相談のバナー画像を貼り付けていただければと思います。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→自然の中の平屋の家 in 富士宮
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TEL:0545-57-5571
FAX:0545-57-5576
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HP:https://www.kobo-lohas.jp
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