マイホームを建てたものの「夏場は2階の部屋が暑い」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
最近の日本は猛暑日が多く、室内でも熱中症のリスクが上がることも。
2階の暑さを少しでも緩和したい場合は、正しい方法で対策するのがおすすめです。
今回の記事では、2階の暑さ対策や夏に光熱費を抑えるポイントをご紹介します。
2階の暑さ対策を検討している場合は、今回の記事を参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 2階の部屋の暑さ対策
- 夏に光熱費を抑えるポイント
- 断熱リフォームを施した施工事例
Contents
2階の部屋の暑さ対策【リフォーム無しでする4つの方法】
2階建て住宅に住んでいると「1階は涼しいのに2階が暑い」「2階の寝室が暑くて寝苦しい」と感じた経験のある人は多いのではないでしょうか。
2階の暑さの主な原因は、日当たりが良く熱がこもりやすいことです。
暑さ対策を行い、住環境を整えれば快適に過ごせる空間になります。
ここからは、リフォーム無しで行う2階の暑さ対策をご紹介します。
1.風の通り道を作る
2階が暑くなる原因の一つは、熱がこもりやすいことが挙げられます。
部屋にこもった熱は窓を開けて、風の通り道を作ると良いでしょう。
風通しを良くするには、2か所の窓を開けることが重要です。
1か所の窓は日陰側を開けると、涼しい風を室内に取り込めます。
さらに扇風機やサーキュレーターを利用すると、空気の流れがよくなり部屋が涼しくなるでしょう。
2.窓の外にグリーンカーテンやすだれを設置する
外気からの熱の多くは、窓を通して2階の部屋に入ります。
熱の入り込みを防ぐためには、窓の外にグリーンカーテンやすだれを設置するのがおすすめです。
グリーンカーテンを導入することで、植物の葉から水蒸気が出て周りの熱が吸収されるため、部屋が涼しくなる効果があります。
3.サーキュレーターや扇風機を使う
部屋にこもった熱は上に流れる性質があるため、下に溜まった冷たい空気を循環させる必要があります。
エアコンと併用してサーキュレーターや扇風機を使うと冷えた空気が循環するため、2階の部屋が涼しくなります。
換気する際も、サーキュレーターや扇風機を使うと効率的に空気の入れ替えができるでしょう。
4.カーテンを閉める
2階は日当たりが良いため、直射日光による熱が部屋に侵入しやすくなります。
家族が家にいない日中は、カーテンを閉めておくことで暑さ対策が可能です。
カーテンを遮光カーテンやUV加工素材のものにするとさらに日光を遮断できるため、室内の温度上昇を抑えられます。
2階の部屋の暑さ対策【リフォーム有りでする4つの方法】
暑さ対策しても「2階の温度がそれほど変わらない」という人は、住環境を整えるリフォームをすると良いでしょう。
1.断熱性のある二重窓を設置する
外からの熱が入りやすい窓は、断熱性のある二重窓に交換すると暑さ対策ができます。
二重窓は窓が厚くなる分、外気の熱を遮断しやすくなります。
二重窓は、防音対策や冬の結露対策にも優れているのが特徴です。
各種メーカーからさまざまな二重窓がリリースされているので、比較検討をしたのち、導入してみましょう。
2.天井裏に断熱材を詰める
2階などの最上階にある部屋は、屋根から入る熱の影響を受けやすくなります。
天井裏に断熱材を敷き詰める断熱リフォームをすると、2階の暑さが和らぎます。
天井裏の断熱リフォームは1日で終わることがほとんどのため、生活に影響が出にくいのもメリットです。
また、屋根からの熱を防ぐ方法として、屋根のメンテナンスをする際に遮熱塗料や断熱塗料を塗るのもおすすめです。
3.シーリングファンを設置する
シーリングファンを天井付近に設置すると、上に上がった暖かい空気を下の冷たい冷気と循環させられます。
シーリングファンは、天井や梁に設置するのが一般的です。
シーリングファンを設置する際は、天井補強や家の構造に影響する梁へのジョイントが必要となります。
シーリングファンを設置する際は、リフォーム会社に施工を依頼すると良いでしょう。
4.排熱換気ファンを取り付ける
夏の暑さ対策には、換気排熱ファンの取り付けリフォームもおすすめです。
換気排熱ファンは住宅の風通しを良くし、屋根裏や天井の熱気を排出します。
さらに換気することにより屋外の新鮮な空気を取り込めるため、室内温度が下がる仕組みです。
排熱換気ファンを導入すると、2階の暑さが和らぎます。
住宅の断熱性や省エネ住宅のメリット・デメリットについて、以下の記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
2階の部屋が暑い5つの理由
夏場に2階の部屋が暑くなるのは、どうしてなのでしょうか?
ここからは、2階の部屋が暑い理由を見ていきましょう。
1.暖かい空気は上に上がりやすいから
暖かい空気は上に上がりやすい性質により、熱がこもるため2階が暑くなります。
空気は暖められると膨張して冷たい空気より軽くなるので、暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下に溜まる傾向があります。
エアコンをつけたとしても冷たい空気は下に流れてしまうため、2階の部屋はなかなか涼しくなりません。
2.ベランダから熱が照り返すから
2階にベランダを設置して、洗濯物を干すスペースを確保している人は多いのではないでしょうか。
ベランダは日当たりの良い場所に作るのが一般的ですが、その分ベランダの床部分から太陽光の照り返しが発生します。
ベランダからの熱の照り返しは、隣接する部屋の室温を上げます。
ベランダを日当たりの良い2階に設置することも、2階が暑くなる理由です。
3.屋根に溜まった熱が2階の部屋に伝わるから
屋根は、家の中で太陽光が一番当たりやすい場所です。
屋根から取り込まれた熱は、天井裏から2階の部屋に伝わります。
室内に取り込まれた熱はそのまま留まるため、2階は非常に暑くなるでしょう。
夜までに2階の換気をしないと、「寝室が暑くて眠れない」といったことも起こります。
4.断熱性能や遮熱性能が十分ではないから
住宅は断熱性や遮熱性が低いと、外気温の影響を受けやすくなります。
2階は屋根や天井以外に太陽光の熱を防ぐ部分はなく、断熱材を設置していなと熱が取り込まれやすくなります。
さらにベランダからの熱の照り返しや、暖かい空気が上に上がる性質により2階は蒸し風呂のように暑くなるでしょう。
5.通気性が悪いから
2階は個室や寝室として利用されるケースが多く、それぞれのドアは閉めたままにすることが多いでしょう。
窓を開けるなどの換気で風の流れは作れますが、日中は窓を開けたまま外出できないため熱がこもったままになります。
2階は間取りの関係上、通気性が悪くなることが多いのも暑くなる原因です。
そもそも熱はどうやって部屋の中に伝わるのか
そもそも熱はどうやって2階の部屋に伝わるのでしょうか。
家の中で熱が入り込みやすい場所は、窓や屋根、外壁、床、換気口となります。
外から家の中への熱の伝わり方を把握すると、暑さ対策がしやすくなります。
3種類の熱の伝わり方
夏の暑い時期に、外から家の中へ熱が伝わる方法は下記の3種類があります。
- 輻射
- 伝導
- 対流
ここからは、それぞれの熱の伝わり方を見てきましょう。
輻射熱
電磁波の状態で熱が放出される現象のことを、「輻射」と言います。
輻射は熱を持った物質が赤外線を出す現象であり、四方八方離れたところに熱が伝わります。
住宅が暑くなるのは太陽から放出される輻射熱の割合が高いとされているため、輻射熱を抑えることが暑さ対策のポイントに。
輻射熱を抑えるには、打ち水やグリーンカーテン、すだれを活用するのが有効です。
ただし、断熱材は輻射熱を吸収してしまうため対策にはなりません。
輻射熱を防ぐには家の屋根や壁に、遮熱シートの設置工事をすると良いでしょう。
伝導熱
伝導とは熱がある物質によって運ばれる現象で、触ったところだけ温かさを感じられます。
物質の移動がない固体内部で、熱が伝わる現象です。
夏場は外の熱が外壁の表面に達し、壁の内部を伝わって屋内の空気に伝達されることで部屋の中が暑くなります。
外壁メンテナンスの際に遮熱性のある塗装を施すと、伝導熱が家に伝わりにくくなります。
対流熱
対流熱とは、温度差によって生じた液体(水)や気体(空気)の移動によって運ばれる熱の伝わり方です。
対流は、空気が動くことで熱が移動する性質になります。
暑い時期に冷たい空気は下に溜まり、暖かい空気は上に流れるのも対流です。
暖かい空気が上に溜まることで、2階は暑くなります。
暖かい空気を上に溜めないためにも、シーリングファンやサーキュレーターで空気を循環させることが大切です。
夏に光熱費を抑える8つのポイント
猛暑日に2階がなかなか涼しくならないと、エアコンをフル稼働する人もいるでしょう。
冷房により部屋は涼しくなりますが、光熱費が高くなるのが難点です。
ここからは、夏に光熱費を抑えるポイントを解説します。
ポイント1:エアコンのON/OFFを頻繁にしない
エアコンのON/OFFを頻繁に操作すると、消費電力が増えて光熱費がかかります。
エアコンは起動時に部屋を冷やす力を使うため、最も電気代がかかるからです。
頻繁にON/OFFを繰り返してしまうと、起動する度に電力を使うことに。
エアコンはこまめにON/OFFを繰り返すよりも、自動運転で継続させた方が光熱費を抑えられます。
就寝時は1時間程で冷房のOFFタイマーをセットする人が多いのではないでしょうか。
就寝時に部屋が冷え切っていない状態でOFFタイマーをセットすると、暑くなった際にまたエアコンを起動させる可能性があります。
就寝時はエアコンのOFFタイマーを3時間程にセットする良いでしょう。
ポイント2:除湿器を使う
日本の夏は湿度も高いため、部屋が蒸し暑くなり不快と感じる人もいるでしょう。
除湿器を使うと湿度が下がり、エアコンの設定温度を高めにしても部屋が涼しくなります。
暑さ対策に除湿器を選ぶ際は「コンプレッサー式」がおすすめです。
コンプレッサー方式は水分を冷却することにより発生する結露を利用して、部屋の湿気を取り除く仕組みになるため、除湿器自体からは熱を発しません。
ただし、「デシカント式」の除湿器は避ける方が良いでしょう。
デシカント式は湿気を吸った乾燥材をヒーターで温めて乾燥させるため、熱を発するからです。
ポイント3:エアコンの設定温度を高めにする
エアコンの設定温度を高めにすると、光熱費の節約になります。
一般的にエアコンは28度の温度設定にすると、節電できると言われています。
ただし、猛暑日のような日は「設定温度が28度では暑い」と感じる人も多いのではないでしょうか。
設定温度が高いことでなかなか部屋が冷えない場合は、サーキュレーターや扇風機を併用すると効率よく室内が冷やされます。
ポイント4:エアコンのフィルター掃除をする
エアコンのフィルターにゴミやホコリがついていると、エアコン本体に負荷がかかります。
エアコン本体に負荷がかかると、本来のパワーを出せないばかりか消費電力が増えやすくなります。
フィルターが汚れ負荷がかかったままエアコンの使用を続けると、故障する可能性も。
エアコンは、こまめにフィルター掃除をすると良いでしょう。
掃除機能のある「お掃除付きエアコン」も販売されていますが、全ての汚れが落とせるわけではありません。
お掃除機能に頼らず、通常のエアコンと同じようにフィルター掃除することをおすすめします。
ポイント5:トイレの便座暖房をOFFにする
トイレの便座暖房は、気温の高い夏にはそれほど必要ではない人もいるでしょう。
暑い時期はトイレの便座暖房を使わないことで、光熱費の節約ができます。
夏でも便座を暖めたい場合は、便座の設定温度を「中」から「弱」に切り替えるだけでも光熱費削減になります。
ポイント6:冷蔵庫の設定温度を見直す
冷蔵庫の設定温度を見直すことで、電気の節約が可能です。
冷蔵庫は設定温度が低いことや内容物が多いと、その分電気を使うことになります。
消費電力を削減したい場合は、冷蔵庫の温度設定を「強」から「中」にしてみましょう。
暑い時期に冷蔵庫の温度設定を変えるのが不安な人は、冷蔵庫の内容物を容積に対して半分程に減らすのがおすすめです。
ポイント7:家電を省エネ性能のものに買い替える
現在使っている家電を省エネ性能の高いものに買い替えると、光熱費削減になります。
最近ではさまざまなメーカーからエアコン、テレビ、冷蔵庫などの省エネ家電が販売されるようになりました。
家電は最新機種になればなるほど、より省エネ効果が見込めます。
家電が既に5~10年前のものとなっている場合は、最新機種に買い替えてみると良いでしょう。
ポイント8:太陽光や蓄電池を導入する
太陽光発電を導入すると、昼間の電力を賄えます。
さらに蓄電池を併用すると太陽光で発電した電気を貯められるので、夜にも電気を使用できます。
太陽光発電で余った電気は売電することが可能なので、電気代を大幅にカットできるでしょう。
太陽光発電と蓄電池の導入は、初期費用がかかりますが長い目で見るとランニングコストが抑えられます。
【静岡県富士市の施工事例】断熱リフォームをした二世帯住宅
こちらは、リフォームで断熱性を高めた「空間工房 LOHAS」による二世帯住宅の施工事例です。
リフォーム前の住宅は日本家屋であり、夏場になると「家の中が蒸し暑い」と感じることが多々ありました。
断熱リフォームにより、冷気が外に逃げにくくなったため夏でも涼しく過ごせるようになりました。
2階は子世帯の居住空間となるため、家全体の暑さ対策を意識したリフォーム工事を行いました。
窓は断熱サッシとトリプルガラスを設置して、外からの熱を取り込まない工夫をしています。
断熱リフォームと換気システムの導入で、夏場でも快適に過ごせる二世帯住宅が完成しました。
まとめ|2階の部屋が暑い場合は冷房効率を高めて対策しましょう
今回は、2階の部屋が暑い時の対策をご紹介しました。
2階は直射日光が当たりやすく、熱がこもるので熱中症のリスクが高まります。
暑さの原因を把握し、冷房効率を高めることで夏でも涼しく過ごせるようになるでしょう。
マイホームで快適に暮らすために、ぜひこの記事を参考に暑さ対策をしてみてください。
空間工房LOHASは、住宅の断熱性を高める施工実績が豊富なプロです。
断熱リフォームを検討している方は、実績のある空間工房LOHASにお気軽にご相談ください。
2階の暑さ対策ができる断熱リフォームについても、丁寧に回答いたします。
著者情報
寺﨑幸治
空間工房LOHAS代表。「富士山のエネルギーを紡いだ木を活かし、家族の思い出を畳みこんで、住めば住むほど心身共に 健康になり子の代まで価値ある資産として住み継いで行ける、自然素材の家づくり」を平成17年から続けている。2022年現在建てた住宅は200棟以上。 輸入には頼らず、静岡県富士市にあり、地産地消で森を守りながら次世代まで永く住みつなぐ家を造る。
空間工房LOHASでは静岡・富士山嶺の気候風土を生かし、富士ひのきや天然素材にこだわった高性能で自然環境や住まう人に優しい家創りをしている工務店です。
また、世界基準の省エネ住宅「パッシブハウス」の賛助会員工務店として、静岡県東部で初のパッシブハウス認定住宅も建築しております。
施工事例はこちら→断熱リフォームして二世帯住宅に増築_in 富士
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