今の時代、断熱性能の高い住宅は「あたりまえ」の時代となってきています。断熱性能を詳しくみていくと「Ua値」という言葉に出会うと思います。
住宅の断熱性能を表すことにおいて「Ua値」は重要なキーワードになります。住宅会社の比較でこの数値の意味や特徴を押さえてことで、後で後悔のない高断熱住宅を建てることに役立つこと間違いなしです。
今回はUa値の概要をお伝えするとともに、住宅の断熱性能を上げる際の気をつけるべきポイントについて説明をしていきます。
これから家づくりをする際には絶対に抑えておくべきポイントなので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
Ua値とは?
まずはじめに、Ua値の言葉の説明からしていきます。
もしかしたら、Ua値が0.87などの言葉を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、実際にはどのようなことを表しているのか理解が難しい方も多いでしょう。
Ua値とは、「外皮平均熱貫流率」のことを示しており、室内と外気の熱の出入りのしやすさを表す数値となっています。
Ua値の値が小さいほど熱の出入りがしにくく、断熱性能が高い住宅であると言えます。
Ua値の算出方法
では、次にUa値の算出方法について説明をしていきます。
専門的な知識が必要になるため、お客様自身でUa値を計算することはあまりないかもしれませんが参考までに紹介をしておきます。
Ua値は下記の計算式で求めることができます。
Ua値(W/㎡K) = 建物が損失する熱量の合計(W/K) ÷ 外皮総面積(㎡)
損失する熱量の合計とは住宅の床や壁・天井・屋根・開口部などを通過して外部へ逃げる熱量のことを示しています。
一方、外皮総面積については床や壁・天井・屋根・開口部は同じですが、土に接する土間床の水平部分も対象となります。
Ua値の基準は地域によって異なる
Ua値の概要についてお伝えをしてきましたが、全国一律でUa値の基準が定まっている訳ではありません。
日本においては地域の気候に基づいて区分がされています。
下記の表において説明をしているので参考にしてみてください。
等級4 |
等級5 |
等級6 |
等級7 |
||
地域区分 |
|||||
1地域(夕張等) |
0.46 |
0.4 |
0.28 |
0.2 |
|
2地域(札幌等) |
0.46 |
0.4 |
0.28 |
0.2 |
|
3地域(盛岡等) |
0.56 |
0.5 |
0.28 |
0.2 |
|
4地域(会津若松等) |
0.75 |
0.6 |
0.34 |
0.23 |
|
5地域(水戸等) |
0.87 |
0.6 |
0.46 |
0.26 |
|
6地域(東京等) |
0.87 |
0.6 |
0.46 |
0.26 |
|
7地域(鹿児島等) |
0.87 |
0.6 |
0.46 |
0.26 |
|
8地域(沖縄等) |
– |
– |
– |
– |
北海道の1地域からはじまり、沖縄の8地域まで分類されています。
静岡においては県内でも地域区分が5〜7に分かれており、下記のとおりになります。
- 地域区分5:
御殿場市、小山町、川根本町
- 地域区分6:
浜松市、熱海市、三島市、富士宮市、島田市、掛川市、袋井市、裾野市、
湖西市、伊豆市、菊川市、伊豆の国市、西伊豆町、函南町、長泉町、森町
- 地域区分7:
静岡市、沼津市、伊東市、富士市、磐田市、焼津市、藤枝市、下田市、御前崎市、牧之原市、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、清水町、吉田町
そして、断熱等性能等級については住宅の品確法に基づくもので住宅性能表示制度の開始に伴い、お客様が認識しやすいように定められた等級になります。
本記事では等級4〜7の数値で表記をしています。
ご存知の通り冬の時期の北海道と九州地方では大きな気温差があります。
そのため、北海道で高い等級を獲得するためには、より厳しい基準をクリアする必要があります。
例えば、等級4を獲得するためには地域7の鹿児島や宮崎ではUa値0.87という数値に対して、北海道ではUa値0.46という数値が必要になります。
自分の住んでいる場所がどの地域区分に分類されるのかは、家づくりをする前に知っておいても良いでしょう。
断熱性能を高める方法とは?
ここまではUa値の概要についてお伝えをしてきました。
では、住宅の断熱性能を上げるためにはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは3つに分けて断熱性能を向上させる方法について説明をします。
- 窓・サッシの性能を上げる
- 壁断熱の高性能化を行う
- 熱交換換気システムの導入する
窓・サッシの性能を上げる
まずはじめに、断熱性能を上げるうえで窓・サッシについて考える必要があります。
住宅全体の中でも窓などの開口部からの熱の流失、侵入は一番大きな割合を占めているため、窓の性能を良くすることで効果を体感しやすくなります。
アルミサッシと比較をすると熱の影響を受けにくい樹脂サッシを採用することや、ガラス自体も複層ガラスにすることで断熱性能も向上します。
また、断熱性能のみならず防音や防犯の性能も向上するため、これらの観点からも高性能な窓サッシを使うことをおすすめします。
壁断熱の性能を上げる
次に、壁断熱の高性能化を行うことも必要になります。
壁も室温の変化にもたらす影響は大きな部分となっています。
住宅によっては柱と柱の間に断熱材が入ってなく、熱の交換が簡単にできてしまう構造もあります。
断熱材の充填を行うことで夏場は熱の侵入を防ぐことができ、冬は熱の流出を防ぐことができるため、部屋の温度を安定させることにもつながります。
これにより冷暖房効果が高まることにも期待ができます。
熱交換換気システムを導入する
そして最後に、熱交換換気システムを導入することも断熱性能を上げる方法の1つになります。
冬場の換気をイメージするとわかりやすいですが、窓を開けて冷たい空気を家のなかに取り込むと室温が下がります。
そのため、換気も熱流出の原因の一部になります。
熱交換換気とは、熱交換換気装置の本体内部で熱交換を行うものになります。
外から取り込まれる空気はもともと冷たいですが、室内から排出される暖房された熱を移すことで、温まった空気を取り入れることが可能になります。
したがって、室温を下げずに換気を行うことが可能です。
室内の熱ロスを少なくし、省エネにもつながります。
Ua値の低い住宅のメリット
Ua値が低ければ住宅からの熱損失が少ないため、断熱性能が高いことがわかったかと思います。
ここではUa値の低い住宅には、どのような良い点があるのかを説明していきます。
室温の安定
まず1つ目に、室温が安定する点がメリットとして挙げられます。
断熱性能が優れているからこそ、年間を通じて快適に過ごせるというメリットがあります。
住宅は長い時間を過ごす場所のため、快適さを求めることは当然のことでしょう。
しかし、夏場の蒸し暑さや、冬場の足元からの冷え込みは断熱性能が低いからこその悩みであることが多いです。
Ua値が低く熱の損失が少ない場合は、大幅な室温の変化がなく不快に感じることも少なくなるでしょう。
断熱性能の優れた家づくりを行いその快適さを実感してみてください。
空間工房LOHASでは高断熱を意識した家づくりをしており、お客様からも満足の声を頂いています。
光熱費の削減
そして、光熱費を削減できる点もメリットとして挙げられます。
先程もお伝えしたとおり断熱性能が優れているため、室温の変化があまり起きにくい環境になります。
そのため、小さな能力の冷暖房機器で、短い時間の運転でも室温の調整ができるようになります。
夏場・冬場の光熱費については月々の負担が大きくなるため、高断熱住宅を建てることで光熱費の削減にもつながります。
省エネに意識をおいたパッシブ設計にも対応をしており、冬場でも小型のエアコン1台で家中の室温をコントロールできるほど断熱性能に優れています。
施工事例はこちら→富士市のパッシブハウス基準で設計した情緒あるデザインの高気密高断熱住宅
まとめ
今回はUa値の概要についてお伝えするとともに、どのように高断熱の住宅を作るのかポイントについても説明をしました。
専門的な知識も多く理解が難しい部分もありますが、高断熱にこだわった家づくりをすることでランニングコストなどの長期的なメリットも感じられます。
不明な点については住宅会社に相談をし、事前に不安を解消しておくようにしましょう。
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